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さあ、あなたもキャロットケーキ沼へようこそ。
「ただの人参のケーキでしょ?」
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ずっとそう思っていました。
いや、正確にはそう思ってすらいないほど、興味がありませんでした。
「好き」の反対は「嫌い」じゃなくて「無関心」っていうじゃないですか。3年ほど前までは全くの無関心でした。
人生は何があるか分かりませんね。気づけば今は家族とキャロットケーキのことばかり考えてるんですから。
たぶん、キャロットケーキに興味がない人の方が圧倒的に多い
3年前の私と同じように、「キャロットケーキについて思いを巡らせたこともない」「キャロットケーキは聞いたことあるけど食べようと思ったこともない」っていう人は結構多いんじゃないかな。
そりゃそうですよ。ケーキ屋さんに行って、クリームの上にイチゴが乗ったケーキや、チョコレートでテッカテカでいかにも濃厚そうなケーキの隣に、茶色で白いクリームでもないもののが乗った人参のケーキが置いていたら、選ばないですよね。
下手するとクリスマスやお誕生日会でキャロットケーキが出てきたら、子どもは泣いちゃうかも。(お願いだから泣かないで!)
でも?だからこそ?
そもそもキャロットケーキを置いているお店が少なく、X(旧Twitter)でキャロットケーキを検索すると一部のキャロットケーキ好きな方々の「キャロットケーキ食べたいのに全然売ってない!」という悲鳴が聞こえてきます。
春ごろにキャロットケーキ食べてみたい!と思ってカフェで頼んだら美味しくて、自分の中でブームが続いているのだけどもメニューとして出してるところがあんまり見つからないんだよな……
— よひら (@m2_yohira) December 26, 2023
私、キャロットケーキが好きなんだけど、店で全然売ってないから自分が焼くしかねえ状態にずっとなってる。
— うるしねヨリ (@doroumama) December 24, 2023
キャロットケーキが食べたいのに全然売ってない。かれこれ半年くらい探してる。
— 荻窪えき X-QUEST (@EkiQuest) December 24, 2023
つまりキャロットケーキの可能性は無限大。
出会いは、妻から一口貰ったキャロットケーキ
今はもう遠くに引越しちゃったんですが、8年ほど横浜に住んでいました。
そう、キャロットケーキ好きなら外せないブラフベーカリーさんのキャロットケーキがある場所です。
ブラフベーカリーの卵サンドを求めて、週末の朝にによく妻や子供と一緒に元町商店街から坂を上ってブラフベーカリーに行っていました。この卵サンド、ゴロゴロと大き目のガーキンが入っていてめちゃくちゃ美味しいです。キャロットケーキも美味しいけど、こっちもぜひ食べてほしい。
私はこの卵サンドとか、ハード系のパンとかばかり買ってたんですけど、妻は結構な頻度でレジ下ショーケースの卵サンドの隣に置いているキャロットケーキを買っていたんです。
グラム単位の値段なので、ケースに「¥530」って手書きで書いてるのがまたいいんですよね(分かる人には分かるはず)
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「他に美味しそうなパンたくさんあるのに、なんでキャロットケーキ買うんだろう?」と思ってました正直。そして何度か買って食べるのを見てると、「一口食べてみる?」ってなるわけですよ。
それを始めてもらったときに「なんじゃこりゃー!!」
とはならずに、「うん、悪くないかも。」くらいでした。
キャロケ沼へ
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ふとした時にブラフベーカリーのキャロットケーキが食べたくなる。
でももう引っ越してしまったんだ。
さらにここはコンビニまで車で5分、最寄りのスタバは車で1時間というまあまあな田舎だ。
もちろんキャロットケーキが売っているようなお店はない。
普段は甘いものなんて全然食べないし、ケーキなんてクリスマスと誕生日に一口もらうくらい。それなのになぜか食べたくなるキャロットケーキ。なんなんだこいつは。
気づけばレシピを検索し、レシピ本を数冊買い、材料を揃え、作っていました。
作り始めるともうそこには沼がありました。人参の切り方ひとつとっても、みじん切り・千切り・すりおろしなどなど。
スパイスはシナモンをメインに、カルダモン、クローブ、オールスパイス、ジンジャーを入れたり入れなかったり、増やしたり減らしたり。
オイルを米油やオリーブオイルにしてみたり。
チーズフロスティングも豆乳でプラントベースにしてみたり、バターとクリームチーズで濃厚にしてみたり。
理科の実験をしているみたいに楽しくてキャロットケーキ沼にハマっていったのでした。
地味だし映えない、だからこそ憎めないやつ
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キャロットケーキって地味なんですよ。でもね、そういうところも好きな理由のひとつかもしれません。
学生時代、クラスに一人はあんまり目立たないし、いわゆる一軍グループに属してはいないけど優しくていいやつっていたじゃないですか。
自分からは積極的に話してこないけど、何かのきっかけで会話をするとちょっと盛り上がるやつ。
一緒に遊ぼう!とまではならないけど、話してみると意外と趣味が合いそうなやつ。
キャロットケーキってそんな感じじゃないですかね。だからこそ無理に写真映えを狙った見た目にはしたくないなぁと思っています。
もちろんある程度の見た目は大事ですけど、味や食感を犠牲にしてまで、見た目をよくするようなことはしたくないなと。
「ただの人参ケーキでしょ?」という人にこそ食べてほしい
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人参ケーキの可能性を感じてみませんか?
大きな期待はしなくて大丈夫です。「どうせ人参ケーキでしょ?」という気持ちそのままでぜひ食べてみてください。
「あ、やっぱりただの人参ケーキだな」と感じる人もいると思いますし、「ただの人参ケーキだと思ってたけど、意外といいやつかも」と思う人もいるかもしれません。
さあ、あなたもキャロットケーキ沼へようこそ。
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