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「リーダーやるなら会社辞めます」多様性強制の光と影をどうするか。

課長「だから、リーダー頼むよ!管理職相当になると多少給与も上がるし」
Aさん(女性)「いえ、家庭の都合で何度もお断りしますと言ってます。」
課長「・・・。最終的には、部長判断になるので、一応心づもりはしてくださいね」


Bさん(男性)「ぜひ、次期リーダーになりたいのです。」
課長「うーん、ちょっとまだ早いかな・・、こことここを改善しないと」
Bさん「はあ・・昨年も同じこと言われました。わかりました。残念です」


かくして、その前者の女性社員(Aさん)は、管理職に就任。しかし、3か月後に自己都合退職。後者の男性社員(Bさん)は「他で管理職候補になれる」と半年後に自己都合退職

二人が一挙に退職。

こんなことが、今、会社で頻繁に今起こっているのをご存じでしょうか。

女性管理職比率の達成問題

女性管理職比率の達成問題

その裏にあるのは、女性管理職比率の達成問題

今、厳しく見られる企業情報の開示義務やサステナビリティレポートの見栄えの問題から、女性の管理職比率を上げないと、焦っている企業が増加中。

もちろん、「管理職」になりたい、女性が多数いるなら願ってもないという話ですが、実は、最近の全体傾向の通り、「管理職・リーダーはやりたくない」女性もそこそこ多い。

同社は、女性管理職比率が、同業者比率でも低い方で、経営上層部より口酸っぱく言われていたようです。その達成比率が、実は、役員様の賞与に・・・響きます。

今回の女性社員に目を付けて、ほぼ無理やり昇格させたが、あえなく、すぐに「退職」という事態に。

男性社員の昇進意欲にも適当にあしらったため、なんと短期に両名とも退職するという事態に。

光と影と言われる理由

光と影

光の部分で言うと、もちろん、多様性は重視すべきでしょう。ポジティブアクションも必要と思います。今や、女性視点を経営に取り入れるのは大事な問題です。機会平等の観点もあるでしょう。

一方で、男女関係なく、「自由意志」「キャリア志向」を全く無視した乱用があるとしたら、それが影の部分になります。ここが問題になります。

やる気を喚起する研修が足りないという意見もあります。それは、必要かもしれませんが、それでもなお、「リーダー昇格」のキャリアパスに本人が合意しないなら、強制することで、逆の良からぬ結果に陥ることも。

どうすればいいのか?

どうすればいいのか?

上層部のKPI(目標)ありきで、本人が思う「キャリア志向」を完全に無視してはいけないでしょう。これが、社員の「退職」という最悪の事態を招き、管理職比率自体どころか、女性従業員比率も落とし、優秀な人材が流出してしまうリスクがあります。

多様性は、目的ではなく、あくまで、よりよい企業運営のための手段でもあるという考えも大事ではないでしょうか。

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