「英会話スクールはどこへ消えたのか?」が予言する新しい学習の形とは。
「英会話スクール?ああ、昔よくありましたね。どこいったんですかね?」(X世代)
「英会話学校?私、メタバース空間でアメリカ人のワールドに良く入ってそこで、アバター同士で英語話すし、時々レッスンしてくれるので、行く必要あるんですかね?」(Z世代からα世代)
「駅前留学なら〇〇!」 20年ほど前までは、必ず駅前には複数の英会話スクールがあり、CMでも絶えず、「英会話の~♪」と流れていて、皆が口ずさめるぐらいの英会話スクール。
しかし、最近、英会話スクールを見ましたか?大手を残し、さほど目にしなくなった、耳にしなくなったのではないでしょうか?
どこへいったのか??
実は、24年11月現在、日本でかつて多くの人々が通っていた英会話スクールが、ここ数年で次々と閉鎖に追い込まれています。
経済産業省の「外国語会話教室の動向」によると、2022年12月の受講生数は33万9000人。前年同月比8.0%の減少であり、コロナ禍が収束に向かうなかで1割も縮小している。しかも、35か月連続での減少だったようです。
なぜこのような状況が起きたのでしょうか?そして、これは英会話ビジネスの未来にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、英会話スクール閉鎖の背景と、それが映し出す学習業界の今後について紹介します。
■参考:崩壊する「英会話教室」(Yahoo)
1. 英会話スクール大量閉鎖の理由
(1) 競争の激化
2000年代から英会話スクールの数は急増し、都市部だけでなく地方にも多くのスクールが開校しました。しかし、スクール数の増加とともに競争も激化し、顧客の奪い合いが始まりました。
日本の人口は減少の一途をたどっています。さらに、日本の主力ビジネスも海外で撤退が相次いでいて、特に英語がどうしても必須という場面も消えていきました。
低価格競争やサービスの差別化が求められる中で、生き残りを図れないスクールが徐々に淘汰されていったのです。
(2) オンライン英会話の普及
近年、インターネットの普及とともに、オンライン英会話サービスが急速に増えました。特に新型コロナウイルスの流行以降、対面での授業が難しい状況において、リモートで学べるオンライン英会話の需要が急増。低価格で受講できるオンラインサービスは多くの受講者にとって手軽な選択肢となり、従来のスクールの収益を圧迫しました。
駅前の店舗はなくなったけど、実はオンラインサービスで延命している!という大手英会話学校は多いのです。見えない形で存続はしています。
(3) 新しい学習スタイルの登場
この理由が一番大きいでしょう。
英会話学習は必ずしも教室に通う必要がなくなりました。オンラインでも学ぶこともできますが、そもそも、学校という法人にお世話になる必要がなくなったのです。
独学アプリやYouTube、ポッドキャスト、SNSなどを活用して、個人の先生を見つけるなどで英語を学ぶ人が増えており、特に若年層において、学習の選択肢が多様化しています。冒頭の例のように、メタバース空間で簡単に外国人の友人も見つけることもできます。
こうした新しい学習スタイルが台頭する中で、スクールの重要性が相対的に低下しているのです。
2. 新しい「学ぶ」の形
(1) オンラインとハイブリッド型の拡大
今後は、英会話のように、学習ビジネスは、オンラインが主軸、リアル対面とのハイブリッド化が進みそうです。
今後、学習ビジネスは、オンライン学習との融合やハイブリッド型授業の提供を加速させると考えられます。オンラインでは講師の選択肢が広がり、受講者は世界中の講師と学べるため、国際的な視野を持つプラットフォームが今後の主流となる可能性が高いでしょう。
(2) 自分で先生を見つける
もはや、スクールのような「法人」に高いお金を払って長期契約するような学習法は流行らなくなっています。
なぜなら、インターネット上に多く存在する洗練された学習マッチングプラットフォームで、自分でよい先生を見つけられるからです。高いマージンを払って、法人に行くより、お手軽ですし、質も高くより親身にレッスンをしてくれることもあります。
国内で言うと、「ストアカ」「ココナラ」「coachee」などのプラットフォームが有名です。海外なら「Upwork」「Fiverr」「Skillshare」が有名です。
■参考:ココナラの例
■参考:SkillShareの例
もちろん、個人対個人の場合のリスクは存在しますので、そこは注意して先生を見つけましょう。
(3) 学ぶプラットフォームの多様化
個人で先生を見つけるにしても、昔は「直接、新宿のカフェで会いましょう。」という対面型はほぼなくなり、ウェブ上のオンラインが主流になり、その後はメタバース空間が主流になるかもしれません。
メタバース空間なら、Zoomのような2次元の画面同士での多少やり取りにしづらさから解放され、あたかも、そこにいるようなリアルなやり取りができるかもしれません。特に空手を教えるような身体的な動きがあるものでも、キャプチャーという動きを読み取るセンサを付ければ、メタバース空間上で相手に動きを伝えることができます。
まとめ
日本の英会話スクールが閉鎖に追い込まれた背景には、競争の激化やオンライン学習の普及、プラットフォームの普及といった急速な環境変化要因が大きく影響しています。
しかし、これらの変化は同時に、英会話ビジネス、さらには学習ビジネスの新たな可能性も示唆しています。これからの新しい学の形に遅れないようにキャッチアップしましょう!
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★この記事の執筆者:りお👦|越境コンテンツ&ギグ研究家|国家資格キャリアコンサルタント|Webアナリスト|SEOコンサルタント|VR技術者|Lead Careerにて、キャリア学習支援|Banso Works(Global)にてグローバルな働き方を発信|ラーケーション・ラボ(遊びは学び)主宰|Xでフォロバ中