「番傘」の名前は傘のレンタルサービスから生まれた
いよいよ本格的な梅雨シーズンに突入しました。
このシーズンになると手放せないのが「傘」です。
ちなみに、日本で「傘」が登場したのは、はっきりとはしないものの、5世紀の三重県の宝塚古墳では、偉い人に差しかける日傘をかたどったとみられる埴輪が見つかっていたり、「日本書紀」には6世紀に仏教の儀式の道具として、朝鮮半島から「傘」が献上されたとあります
ただ、現在のように雨を防ぐためのものとして広まったのは、江戸時代のようです。
最近は、持ち運びに便利な折り畳み傘や、急な雨に遭遇した時に簡単に買い求めることが出来るビニール傘を多く見かけますが、それでも雨のシーズンを粋に過ごすために味わいのある和傘も人気です。
そんな和傘の中で、庶民的なものが「番傘」です。
「番傘」は、とても丈夫なのが特徴で、今のようなビニール傘やナイロン傘が普及する前には、どこの家にもあったポピュラーな傘です。
そんな「番傘」ですが、その名前の由来は、諸説あるのですが、最も有力な説がとても意外なものでした。
なんと、今でいう傘のレンタルサービスから生まれたようです。
江戸時代の中ごろ大阪で作られたとされる「番傘」は、その後江戸に伝わり、大きな呉服店などでは、急な雨が降ってきたときの傘を貸しだすサービスが始まりました。
その傘には、お店の屋号が書かれていて大きな宣伝にもなったそうで、そのためかなりの本数を管理するために、傘が紛失しないように番号が付けられていたそうです。
「番傘」とは、番号が付けられた傘ということでそう呼ばれたという説が有力とされています。