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日本の受験が変わる時
「ぬかった! ヤバし!半年の遅れは痛いな」
連休最終日。長子の塾の宿題がなかなか終わらず、長子の目に涙が浮かんでいます。
人一倍センシティブで、頑張り屋の長子だけに、この子にとって、塾システムは、相当な圧力なんだと思います。
わたしも塾への送迎と塾の宿題の配分など、塾勉強システムをうまく運用するための足慣らしにひーこらです。
あぁ、中学受験って、親子の受験って、ほんとだわ。
我が家の長子は今年から中学受験塾デビューです。
中学受験塾の新学期は、小3の2月が1学期です。ですが、わたくしの思惑で、なるべくスタートは遅くしたかったので、のろのろスタートを決めてました。
そこに、コロナで2月末から学校は閉鎖。塾だけでなく、くもんもお稽古も、軒並み、休業。そこから、ゴールデンウィーク明けまで、長いお休みに入ること2ヶ月半。
くもんは3週間分の宿題を貰って休業、ピアノレッスンもスイミングもお休みに入りました。
くもんは週一回宿題交換による家庭学習へ切り替わり、ピアノとスイミングは、6月の学校再開までありませんでした。
その間、子どもたちの教育は、わたし1人の母親の業務となりました。
いくら、大学時代からジュッコウ(塾講師)歴が大学院修了後も長く続いたとはいえ、母親としてのジュッコウ業務は感情が入り、うまくいきません。
大学時代から大手大学受験予備校のチューターを大学院まで続け、大学受験に末端で支援。
大学院修了後は、心理職だけでは食べていけず、高校受験の大手塾グループ指導講師や高校受験の家庭教師をしていました。
大手中学受験塾の講師にバイトのお気楽モードで採用されたら、本気と書いてマジな研修で、教材研究もビシバシの本気度にびびり、そそくさと退散。
中学受験は、プロにお任せしないと、素人に毛が生えたレベルでは、教えられない危険エリアであることもわかっていました。
だって相手は、精神的にも身体的にも未熟な発展途上の人。中学生や高校生とは、比べ物にならないくらい、柔らかなハートなのです。
小学校4年くらいの10歳から、脳神経は飛躍的に伸び、大人の脳と同じような、論理的処理が可能になります。
ですが、精神はまだまだ、未熟。だから、思春期は、ガラスのハートなのですね。
つまり、人生で最も、ハードな勉強に適した、知能発達の時期に入りながら、精神的には未熟という、かなり難易度の高い時期。
この場合の知能発達とは、流動性知能という、計算の速さや暗記力がモノを言う、脳のマシンとしての速度の発達です。
この流動性知能は、ピークが18歳くらいといわれ、大学受験くらいが発達の山。
逆に言えば、どれだけ、物事を記憶して、適切にその記憶を引き出せるかがモノを言う日本の大学受験では、流動性知能が高いほど有利です。
この流動性知能は、主に、言葉を介したテストで計測できるとされます。
そして、18歳でピークを迎える流動性知能に対して、死ぬまで発達すると言われるのが結晶性知能です。
こちらは、さまざまな経験を生かして、総合的に物事を理解し、解のない難問を知恵で解くようなアクティブラーニング。
よく、経験則のようなおばあちゃんの知恵と言われます。
最近の脳科学の研究で、脳機能のピークは18歳以降も発達するという知見は、この流動性知能も大いに関連してそうです。
ですので、従来の日本型記憶再生試験ならピークは18歳。
世界の流れにやっと日本も遅れまくってますが、文科省も本腰入れてアクティブラーニング導入をしつつあり、大学入試改革がなされました。
英語の民間試験問題で、グダグダですが、アクティブラーニングに移行して行かざるを得ない。
これからの試験は、記憶力マシーン型の流動性知能型から、記憶力を基礎として、それを元にアクティブラーニング型の発想力と表現力は展開させる結晶性知能型へ変化しつつある。
つまり、18歳以降、むしろ、大人の方が有利でしょう。
だから、なにも、学びのピークは18歳だけではなく、歳を経て経験を重ねた方がいい場合もある。
今後は、日本も後者型にシフトしてゆくのだろうと思われます。
ですが、それはまだ先の話。
まだまだ、記憶の再生力を測るテストの日本。アクティブラーニング型の試験に一気に移行するとは、思われません。
だって、それを評価する教員がいないもん。評価はかなり、教員によって変わるので、大学院の入試みたくなるのでしょう。
てことで、我が家の子どもたちが中学受験を迎える頃は、まだまだ、古いテストが主流。
先に書きましたように、そもそも、表現とは、基礎になる、知識、つまり、記憶の積み重ねが必要で、記憶と記憶とつなぎ合わせて、まとめる、表現する力も求められる。
記憶マシーンプラス、発想力、表現力も、母親として鍛えることをサポートせねばならないのです。
おぇっ。
やること多過ぎるわ。
アーメン。
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