
美術館・博物館めぐり~その5 広島市立中央図書館「図書館と基町のこれまでとこれから」
美術館・博物館めぐりのその5は1月30日まで開かれている
広島市中央図書館の「図書館と基町のこれまでとこれから」
です。
広島市中央図書館は基町エリアにあり、開館後50年の経過したかなり年季の入った建物です。
周りの建物の背が高く、目立たなくなっています。


2階のロビーで定期的に博物館的な展示を行っており、あわせて関連する蔵書の紹介をしています。
本を借りに行ったり、となりのひろしま美術館の展示をみにいったりしたときに、ついでにロビー展をみにいくことが多いです。ユニークな建築で2階から1階や3階にいく階段がけっこうわかりにくいのも特徴です。今でもたまに迷います。
今回は「中央図書館基町開館50周年・移動図書館車「ともはと号」巡回開始60周年」「基町プロジェクト10周年」連携事業という展示でした。
基町は中央図書館だけでなく広島県庁、広島城、広島バスセンター、広島そごう、ひろしま美術館、ファミリープール、県立体育館、グリーンアリーナ、こども文化科学館、エディオンピースウイング、ひろしまゲートパークプラザ(旧市民球場跡地)、リーガロイヤルホテル、広島市民病院、そして紺k氏の基町高層アパートまで広島の主要な施設が集中するエリアです。
改めて見直すとすごい集積状況です。


基町プロジェクトで作られた模型や、移動図書館車「ともはと号」の写真などが展示されています。


上のチラシには基町アパートについての考察が書かれています。
基町の未来を、模型で模索する
「1978年に完成し、築40年を超えた 基町住宅地区は、他の多くの戦後建築と 同様、その未来像の再検討が求められて います。この高層アパート群の地区は、 一般的な公営住宅としての役割に加え、 広島の戦後復興の象徴という特殊性を持ちます。そのため、この地区の未来を考えるには、歴史と地域性を踏まえた創造 的なアプローチが必要です。では、この 独特な住宅地区の未来をどのように描け るでしょうか。8月に開催した写真展「復 興する街区」では、戦後の国内外の集合 住宅事例を通じて、建物が地域や文化を どう反映しているかを探りました。今回 の展示では、建築模型の制作を通して基 町住宅地区の遠い将来を想像します。特 に地区を象徴する高層アパート群は今後 どのような役割を担うのか。来年の被爆 80年を控え、来場者とともにその可能 性を追求します。
展示は基町住宅地区内 のUnité (ユニテ) と広島市立中央図 書館の2会場で行われます。図書館で は1/350スケールの基町住宅地区模型 を展示し、基町の未来の風景を描きます。 Unité では、基町住宅地区や中央公園 を含む基町地区の未来を見据え、3Dプ リンタで新たな模型を制作する「仮設ス タジオ」を開設します。来場者は模型制 作の過程に触れることで、基町の将来像 を共に考える機会を得ることができるで しょう。なお、この展示で検討・発表さ れるアイデアや模型は、広島市の公式計 画を示すものではありません。」
撮影不可のため写真はありませんが、基町アパートの将来について、現状保存や修繕しての保存、建替え、再開発などいろいろな案について、シールを張っての投票が行われていましたが、結構分散していました。


「図書館と基町のこれまでとこれから」
「中央図書館が基町で開館して50年、移動図書館車「ともはと号」が巡回を 開始して60年を迎えるにあたり、企画展を開催します。中央図書館と「ともは と号」のあゆみを、図書館資料や写真パネルなどで紹介するほか、令和8年度 当初に向け再整備が進められているエールエールA館の施設など、これから の図書館についても紹介します。また、活動10年を迎える「基町プロジェクト による、基町地区の将来像を模索する建築模型などの展示もあります。 関連イベントでは、中央図書館の建物見学や未来の移動図書館車を考える ワークショップなどを開催します。」

「図書館ヲ建設セラル>ニ至レリ」
浅野図書館
旧広島藩主浅野家は、浅野長政を始祖とし、元和5年 (1619年)に浅野長機(ながあきら)が広島城に入城以 来、明治2年(1869年)の版籍奉還に至るまで、250年 間にわたり広島藩を治めました。 図書館の建設は、浅野家初代広島藩主浅野長晟の広島 入城300年祭を記念し、12代広島藩主浅野長勲(ながこ と)公が、大正9年(1920年)10月の新聞広告に図書館設立 の意思を表明されたことから始まりました。浅野図書館 司書長は、後の創立事務報告でこう述べています。「(浅野 長勲公は)古来広島八中国文化ノ中心地タルニ拘ハラズ 当時尚ホ未ダ社会教育/重要機関タル公私立図書館ノ ナキヲ慨歎セラレ茲ニ図書館ヲ建設セラルニ至レリ」 図書館の建設が決まると有識者を顧問とし準備を進め、 大正15年(1926年)11月28日、広島市小町(現中区小 町)に私立の浅野図書館が開館しました。 浅野家は、昭和5年(1930年)図書館の将来を考え、 県または市へ寄附の意向を表明。図書館の建物・蔵書及び に応える 当面の維持費が広島市に寄贈され、昭和6年(1931年) 10月1日「広島市立浅野図書館」が誕生しました。その 後、原爆による建物や蔵書の被災、狭あいによる移転を経 な がら、広島市の教育・文化の発展に寄与してきました。
当時の山田節男 広島市長は、昭和46年(1971年)3月の市議会本会議 で、国際平和文化都市にふさわしい新図書館の建設を進め たい意向を表明しました。それから約3年後の昭和49年 (1974年)10月27日、浅野図書館から館名を中央図書館 に改称し基町に開館しました。・・・

移動図書館車「ともはと号」巡回開始60周年
移動図書館車「ともはと号」は1964年11月5日に巡回を開始しました。 広島市立浅野図書館(現広島市立中央図書館)と広島市児童図書館(現 広島市こども図書館)が共同で“新時代に即応した「動く図書館」を作ろう” という年来の夢を実現したものです。「ともはと号」は、約1,200冊の本を 閲覧できるようパスを改造して製作されました。当初は巡回場所を「駐車 場」と呼び、利用を希望する場合は、図書館ではなく各駐車場の「世話人」 (地域のボランティア)へ申し出る方式で、貸出冊数は1人1冊でした。
時代 とともに、巡回だけでなく公民館や地域文庫などへの配本も行うようにな り、2号車、3号車と増車し、市内にあまねく本を届ける役割を担いました。 公民館図書室の整備などに伴い、現在は1台で市内17ヵ所への巡回を 続けています。
現在の「ともはと号」
現行の車両は、それまでのバスタイプと違い、トラックを改造して2009年 に更新しました。車体左サイドの「ウィング」と呼ぶ扉を開けると現れる大きな 本棚があります。荷台にもブックトラック(本を載せる台車)を8台載せて 運び、公園や集会所などで広く並べ、より多くの利用者が一度に本を選ぶこと ができるようになりました。また、高齢者施設や特別支援学校などへ巡回 する際は、施設の中へブックトラックを運び込み、本の貸出をしています。 これからも、図書館、公民館から遠い地域や来館が困難な方のもとへと移 動図書館車「ともはと号」は走り続けます。
ともはと号は名前は知っていますが、学校の図書館で本を借りていたので、使った記憶がありません。自宅の近所の公民館にきていたと思います。
中央図書館は高校時代図書委員をしていて、中央図書館の地下の書庫に見学に行ったなあとか、今は休憩所になっている1Fの食堂にも食べにいったなあ、とか思い出すとともに、最近はもっぱら仕事のための調べごとでお世話になっている場所です。
今の中央図書館は数年内に閉館し、令和8年度に広島駅前のエールエール・駅前福屋の7~10階に入ります。
https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/316802_601884_misc.pdf
中央図書館が現在ある中央公園はできてから長年を経過したこども文化科学館、ファミリープールなどもあり、これからさらに大きく変化していくと思います。
2025年訪問した美術館・博物館リスト
1.奥田元宋・小由女美術館
「熊田千佳慕の世界展―愛するからこそ美しい」
2.奥田元宋・小由女美術館
「常設展」
3.アートギャラリーミヤウチ
「写真展 復興する街区・続編ー住まいの形」
4.アートギャラリーミヤウチ
「コレクション展2024復興と創造」
5.広島市中央図書館
「図書館と基町のこれまでのこれから」