星組「ザ・ジェントル・ライアー」感想
こんにちは carolです。
久しぶりに星組さんが見たい!ということで23日の「ザ・ジェントル・ライアー~英国 的紳士と淑女のゲーム~」の配信を見ました。バウホール公演が全日程中止という悲しい 展開になりましたが、KAAT公演は全日程完走できたということでおめでとうございます 。千秋楽を迎えたということでいつものごとくネタバレしつつ、感想述べていきたいと思 います。
雑感
星組×海外文学は相性がいい!
これ実は以前から思っていたことでして、星組公演で好きな作品をピックアップしたと きに驚くほど海外文学が原作の作品が多かったんですよ。
そもそも全組10作品ずつ好きな 作品を選ぼうとすると各組1、2作品は海外文学原作の作品が入るので私の好みが偏ってい るのかもしれませんが、その私の好みを差し引いても「星組による海外文学」はかなり鉄 板なのでは?と思っています。
だから今回の作品は発表されたときから期待していました 。しかもせおっち(瀬央ゆりあ)ははっきりとした顔立ちの美形でオスカー・ワイルドの 世界ははまるだろうなと思って楽しみにしていました。
内容
面白かった!!
まあオスカー・ワイルド外れなしということなのかもしれないけれど、今まで「理想の 夫」原作ってなかったよね?なんで今まで誰もこれ扱わなかったのだろうか、というほど 宝塚にピッタリのラブコメ感だったな。(原作のあらすじ調べた感じだともう少しドロッ としているのかな?)とにかく田渕先生作品の中でも相当見やすく面白く作られていたよ うな気がします。
キャラクターも魅力的だった。恐らく原作はロバートが主人公で、チルターン夫妻のす れ違いだったり、チーヴリー夫人の顛末だったりを描いているのだろうけれどたぶんそれ だと複雑というか暗くなるし、メイベルの比重がどうしても下がってしまう。 なによりせ おっちのキャラじゃないもんね。
副題になっている「英国的紳士と淑女のゲーム」―素直 に愛を告白することなど出来ず、駆け引きや嘘をつくことに明け暮れるイギリス貴族たち を面白おかしく、愛しい存在として描いている素敵な作品でした。
キャスト感想
アーサー(瀬央ゆりあ)
彼女の主演作品ってどれもこれも出世欲ない人物が主人公だなぁ。 野心バリバリ!! と いうよりは「まぁ俺は好きに生きていくさ」系(デビュタント、ジェントル)か「清廉潔白系」(龍の宮)かだからなぁ。いわゆる路線系スターが若いころにやる役柄よりも少し 肩の力が抜けているような人物が多くて珍しい持ち味の人ですよね。
ふらふらしているけれど友情には厚く、結構切れ者であるアーサー、ハマり役だったなあ。
女性3人に対してのそれぞれの接し方も素敵でした。チーヴリー夫人とのハラハラする ようなやり取り、ガートルードとの気安い掛け合い、そしてメイベルとの「君達はよくっ付け」と言いたくなる両片思いっぷり。どれも的確でときめきました。メイベルとのデュエットも素敵だった。
ロバート(綺城あか理)
原作のタイトルである「理想の夫」というのは彼のことなわけですが、その呼称に違わぬ紳士っぷりでした。最初に出てきたときに「頼りがいがあって真面目な男性」だということが一発で伝わってくるのがいいな。ほのかちゃんとの並びもせおっちとの並びもバランスが良くて、とても素敵だった。
「過去の過ち」が本当に若さゆえの一瞬の気の迷いだったのだろう、ということが伝わってくるいい人っぷり。そりゃアーサーも何とかしようとするよね。少し抜けているところがチャーミングで、議会での演説は力強くて、そりゃガートルードも惚れ直すよね。
チーヴリー夫人(紫りら)
音波みのりちゃんの休演によって急な代役だったのですが、お見事でした。全ての元凶はこの女性なわけで、原作ではもっと悪女なのかもしれないけれどもこの作品では少し切なさを滲ませるような造形でしたね。アーサーのこと本気だった瞬間が絶対にあっただろうに、どうしてこうなってしまったんだろう?と色々考えてしまう女性でした。
せおっちとの同期コンビは息ピッタリで、短い稽古期間でここまで仕上げてきた彼女の力量に感服しました。
ガートルード(小桜ほのか)
「理想の夫」の相手にふさわしい淑やかな奥方...と思いきや意外とアクティブな面もあってビックリした。彼女は本当に安定しているというか、手堅い仕事をする娘役さんという印象です。あと綺麗になりましたよね。ドレスも全部似合っていて美しかった。最初のパーティーでのドレス捌きが素晴らしくて、あれで「理想の女性」像がきちんと見えました。歌も流石でもっと聞きたかったなぁ。
メイベル(詩ちづる)
少しメイクダウンしてしまっているかな...という印象も受けたけれど、やっぱり可愛い。お転婆だけれどアーサーに対してかなり一途なのがいじらしい。オペラに誘われてうれしそうなのが可愛らしくて、劇場の前で一人アーサーを待っていたメイベルを想像すると胸がキュッと切なくなる。
歌声も清らかで美しかった。アーサーの欠点だと言われる部分を「そこが好きなの」と歌う彼女が輝いていて、この作品の中で彼女の存在が一種の救いというか光のようでした。
トミー(稀惺かずと)
彼女やっと認識できた...。ノーブルできれいな顔立ちしているのね。
トミーはロバートの部下?で、メイベルのことが好きで何度もプロポーズしているけれども相手にされていない少し可哀そうな役回り。可愛くて、優しそうなのでメイベルにトミーでもいいんじゃない?と言いたくなる。コメディチックな役割をきちんとこなしていました。最後転んだのは演出なのかな?
まとめ
とにかく楽しかった!!チーヴリー夫人はるこちゃんverも見てみたかったような気がしま すが、今回の座組でのこの作品がとても素敵でした。
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