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仁者とは?
諸橋轍次著、論語の講義を読んでおります。
仁という言葉について、より確かに把握して読み進めたいと思い、今回は諸橋轍次中国古典名言事典の仁者についての索引から書き写したノートをアップします。説明文は簡略化しております。
◎仁者は人を愛す。⇨(論語・顔淵)
◎「仁者は能く人を好し、能く人を悪む。」⇨仁者は良いことを良いとし、悪いことを悪いとする、人を愛するし、憎みもする。人の悪を憎むのである。(論語・里仁篇)
◎「仁者は憂えず。」⇨仁者は天理に従って行動するからやましいところなく憂いもない。(論語・子罕)
◎「仁者は其の言やかたんず訒んず。」⇨仁者は言葉を出ししぶる。かたんず、は、みだりに口に出さぬこと。(論語・顔淵)
◎「知者は自ら知り、仁者は自ら愛す。」⇨自分を知るのが知者、自分を愛し重んずるのが仁者。(荀子)
◎「不仁者は以て久しく約に処るべらかず。」⇨仁の道を心得ないひとは長いこと窮屈な生活に耐えられない。(論語・里仁篇)
◎「仁者は必ず勇あり。勇者は必ずしも仁あらず。」⇨仁者は、義を見れば行う勇あり、勇者には必ずしも仁はない。(論語・憲問)
◎「仁者は山を楽しむ。」⇨仁者は利害、栄辱に心動かさず、万古不動の山の姿を楽しむものだ。(論語・雍也)
🔃知者は水を楽しむ。→考えが流動的。(論語・雍也)
◎仁者は寿し。⇨仁者はいのちながし。心の動揺がないので自然、安心立命、おのずから長寿。(論語・雍也)
◎「仁者は静かなり。⇨仁者は静であり、流転の地に処しても不動の態度を持している。(論語・雍也)
🔃知者は動く→知者は機を見るに敏。(論語・雍也)
◎「仁者には敵なし。」⇨仁者に対しては天下に敵はない。梁の恵王が、国辱をすすぐにはどうしたらよいかと聞いたとき、孟子は仁政を施して民の心を安んじることが先とだといい引用した。(孟子)
◎「仁人なり、失うべからず。」⇨周の先祖の古公亶父が故国を去ろうとしたとき、故国の人々が慕って後を追ったときのことば。(十八史略)
◎「唯だ仁人能く人を愛し能く人を悪む。」⇨私心なくただ愛すべき人を愛し、憎むべき人を憎む。公平の判断をなす。(大学)
◎「仁人は天下に敵なし。」⇨仁人に敵しうるものはない。(孟子)
◎「仁者は仁に安んじ、知者は仁を利す。」⇨仁者は仁を行うことにより安心をえている。知者は仁による利益を求めている、だから一段落ちる。(論語・里仁篇)
◎「仁者は盛衰を以て節を改めず。義者は存亡を以てを易えず。」⇨盛衰存亡にかかわらず、なすべき道を貫くのか仁義のひとである。(小学)
◎「仁を好めば、天下に敵なし。」⇨もし一国の主が仁を好むなら敵しうるものはどこにもない。(孟子)
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