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情報の豊かさは注意の貧困をもたらす

会社を退職するにあたり後輩たちからこんな質問をされた。

後輩「みかんさん、送別品何がいいですか?普通こんなこと聞かないんですけど、みかんさん物欲ないじゃないですか」

私なりに欲しいものを真剣に考えてみたのだが何も思いつかないのだ。でもそれだと申し訳ないので必死で考えてみた。

そういえば2年ほど前にバルミューダのホットプレートが欲しいと思った。

私の家には会社の子たちがよく遊びに来るので、みんな来た時に盛り上がるかなーと思ったからだ。

妻に相談してみると「3日考えてみたら?」と言われ、3日間必要かどうか考えてみた。不思議なものであれだけ欲しいと思ったものも、3日も時間を空けると大してほしいと思わなくなるのだ。

よくよく考えるとみんなが遊びに来るときは基本外でバーベキューをするので必要なかったのだ。

もう少し過去にさかのぼってみた。

5年ほど前だろうか。経営学者の楠木建さんの本でル・コルビジェの椅子が紹介されていた。

なんでも本を読むのに最適な椅子なのだとか。これも妻に相談してみたのだがこのときも「3日考えてみたら?」と言われ、3日後に欲しい気持ちはなくなった。

よくよく考えれば猫がいるので毛だらけになるし、掃除機かけるときに邪魔になりそうだし。

それ以上遡っても、「これが欲しい!」と思ったモノはなかった。さすがに後輩たちに「欲しいものないわ!」と返すのも申し訳ないので、Amazonの購入履歴を調べてみた。

1年ほどさかのぼってみたのだが、本・猫用品・生活用品・食品・酒など日々消費するモノばかりで「これが欲しい!」と思い購入した高額のモノはなかった。

欲しいものを考えながらなぜ自分はこうなってしまったのだろうかと現実逃避が始まった。

情報が少ないから?

私はテレビをほとんど見ない。テレビを見るタイミングはサッカー日本代表の試合やオリンピックがある時ぐらいだ。サッカーの試合も最近DAZNで見ているのでそう考えると、テレビをつけるのは数か月に1度ぐらいかもしれない。

テレビ以外の動画媒体はYouTubeでお金関係の動画を見るか、アマゾンプライムビデオで映画やアニメを見るぐらい。

SNSもnoteとXはやっているが発信メインでそこまで情報収集に時間を割いていない。

あとは本を読んだりネットニュースを見たり。

考えてみると自分の頭に入れる情報を制限しているから欲しいのがないのかもしれない。書きながら思い浮かんだのが人が商品を購買するまでの思考回路である。

引用元:https://gmotech.jp/semlabo/webmarketing/blog/aisas/

これはAISASモデルといって、人が商品を購入するまでのマーケティング理論だ。

私の場合はA(Attention)の「広告・商品を見る」機会が少ないことに加え、I(Interest)の「興味を持つ」までの流れを断絶させているように感じた。

商品や広告は見るには見るが、それで欲しいと思うことは数年に一度だ。しかも3日考えれば欲しくなくなる。これは妻も似ているので我が家にはモノが少ない(妻の推し活グッズは多い気がする…)

視点を変えるとお金を貯めたいのであれば、A(Attention)とI(Interest)を意識すればいいのかもしれない。

情報の豊かさは注意の貧困をもたらす

この言葉はノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンが残した名言である。「情報」が増えれば増えるほど、ひとつひとつの情報に向けられる「注意」は減るといった意味である。

私はこの言葉が好きで、あえて自分に流し込まれる情報を制限している。それが理由かは分からないが、無駄な情報を取り込まずにいると自分が集中したいことに脳のエネルギーを使える。

自分が集中したいこととはここ何年かはお金のことであり、キャリアのことだった。ただ情報を制限する弊害もある。私は政治や芸能人、スポーツ(サッカー日本代表以外)などのことを全く知らない。

それが理由で政治家の不祥事や芸能人の不倫、スポーツ選手の発言などには全く何も思わない。だってそもそも知らないからだ。もちろん大人としてそれらの情報は知っておいた方がよかったのかもしれないが、そこに時間を投入するぐらいなら、自分の人生がよくなることに時間を使いたかった。

モノは本質的に私を幸せにしない

A(Attention)の「広告・商品を見る」機会を制限してもそれなりに情報は入ってくる。でもその情報が欲しい!に変換されないのはAとI(Interest)「興味を持つ」を断絶させているからだと思う。

私はモノは本質的に私を幸せにしないのでは?といつも思っている。だからといってずっと野宿で幸せ!という極端なタイプではないが、生活するのに不便を感じなければ、これ以上は何もいらないというのが正直なところだ。

たぶん周りの人たちからは私の生き方は全く幸せそうに写っていないと思う。身なりもいつもユニクロだし、車もボロいシエンタだし、時計も古いアップルウォッチだし。

何でこんなことになってしまったのかというと、一時期思想や宗教の本を読み漁っていたからだと思う。あの時に思考が歪んでしまった気がする。

ここまで書いてみて、無理やり資産形成の話につなげてみる。資産形成には種銭が必要だ。種銭をためるには情報を制限することと、自分なりの思想を確立させることが重要。

そうだった!欲しいモノ考えるの忘れてた!

やっぱりバルミューダのホットプレートかなあ。
モノもいいけどやっぱり気を許す人たちと時間を気にせず飲めるのが一番かなあ。

おしまい!


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