あなたのマネーリテラシーが分かる質問。「学資保険ってどうですか?」
会社の後輩たちの結婚報告が続いている。
みんな幸せそうで私も嬉しくなり、ついつい結婚祝をはずんでしまう。
最近の子たちは結婚式をしない人が多く、なんとも合理的な判断だと思う。
私は結婚式をしたので後輩たちから「結婚式ってした方がいいですかね?」と聞かれることが多い。
私はこう答えている。
後輩たちが結婚をすると、次はこんな質問をされる。
「学資保険ってどう思いますか?15年間保険料を支払うと満期のタイミングで110%になって返ってくるみたいなんです。」
ここで簡単に学資保険の説明。
あなたが後輩からこの質問をされたらどう答えるだろうか?
15年間で100万円積み立てたとして、満期になったら110万円になるのだ。
少し考えてほしい。
私はいつもこう答えている。
「15年で110%になるんだね!それならそのお金を私に預けて。15年で保険会社の倍の120%で返すよ。もちろん元本保証!」
学資保険をどうするか?これを考えるには2つのことを考える必要がある。
インフレと株式のリターンだ。
時代はインフレへ
最近日本が大きな転換期を迎えていることをご存じだろうか?
インフレだ。
インフレとはお金の価値が下がってモノの価値が上がることといっても「なんのこっちゃ!?」という人もいると思う。
ジュースで例えると分かりやすい。
インフレ率10%とは今年100円のジュースが、来年には110円になっているということだ。
これは100円で買えるモノが減ったと言い換えることが出来る。
つまり100円の価値が下落したのだ。
ちなみにこれまでの日本はデフレが続いていた。
デフレとは今年100円のジュースが、来年には90円になっていたということだ。
この場合、100円の価値が上昇したということになる。
この大きな転換を理解しているかどうかは、サラリーマンにとってエクセルを使えるかどうかぐらい重要だ。
ちなみに2023年のインフレ率は約3%と言われている。
インフレ率3%が15年続くと15年後の100万円の実質的価値はどうなるか?
64万円だ。
「あれ?学資保険で100万円が15年で110万円になるって言ってるけど、実質損するじゃん。」と思ったあなた。正解だ。
注意してほしいのは「インフレが続く場合」という点だ。未来はどうなるか分からない。
なぜ保険会社は100万円を110万円にできるのか?
この視点は絶対に持っておいた方がいい。
世の中には成人したら保険!結婚したら保険!など保険の誘惑はそこら中にある。
もちろん、自動車保険や火災保険など発生したときのリスクが大きく、一発で人生が破綻する内容については保険でカバーする必要はある。
ただ、ほとんどの保険は必要ない。
考えるべきは保険会社はどうやって儲けているの?という視点だ。
当たり前のことながら保険会社は営利企業だ。
キレイなイメージのCMをバンバン打っているが、あれの源泉はあなたの保険料だ。
保険会社の具体的な運用方法は知らないが、15年で100万円を110万円以上にできるからこそ学資保険が存在する。
それができなければとっくの昔に保険会社は破綻している。
私が「学資保険どうですか?」と聞かれたときにインフレ以外で考えたことは、全世界株かS&P500の平均リターンだ。
これはスマホのアプリなのだが全世界の株式とアメリカのS&P500の15年間の年平均リターンを表している。
アメリカの11.9%、キリよく10%で考えてみる。
学資保険を15年間で100万円にするには、100万円÷15年=6.6万円。
1年間に6.6万円(月5500円)の支払いが必要となる。
この6.6万円をS&P500に投資して年利10%で15年間運用してみると…。
不思議なことに100万円が228万円になる。
もちろん今後の世界経済がどうなるかなんて分からないのだが、保険会社は絶対に損しないように計算し尽くしている。
さいごに
ここまで書いたことは「あくまで私の場合は」ということは意識してほしい。
学資保険も各社の返礼率を調べたぐらいの上っ面の知識しかない。
視点を変えれば、今後デフレになるかもしれないし、15年間世界株式が下落する可能性もある。
そう思う人は学資保険に加入したらいい。
私は学資保険に加入するぐらいなら、新NISA口座で全世界株かS&P500の投資信託を買う。
結局未来は分からないので現段階で自分が正しいと思う方を選んだらいいのだ。
でも私の正直な気持ちも聞いてほしい。
「保険会社ズルいやん!私もそんなぼろい商売したい!やっぱ保険を買うのではなく保険会社の株を買った方がいいな!」
おしまい!