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好きだからこそできない仕事もある~動物愛護センター~

仕事で動物愛護センターをご案内いただく機会がありました。

そもそも私の仕事は愛護センターとは全く関係ないのですが、お付き合いを始めたのはこんな経緯があります。

仕事は基本的にやらなければならないことの連続で、やらされる仕事は面白くないものばかりです。

それをひたすら耐えるという選択肢もあると思いますが、私の場合は面白くないのであれば少しでも面白くした方が得だよね、と考えています。

そんな私は猫好きの同僚に吹っ掛けて、猫好きが作る猫の役に立つための企画を立ち上げました。

企画を進めるプロジェクトメンバーはみんな猫好きばかり!

そしてその企画は猫を支援する団体にお金が落ちるような仕組みになっています。

この状態が作れると、私たちも仕事が楽しくなり、取引先は儲かり、困っている猫たちも少しだけ救われるという、三方良しの企画になります。

前置きはここまでにして。

動物愛護センターに行ってきました!

みなさん動物愛護センターに対してどんなイメージを持っていますか?

私はあまり知識がなかったので、「動物の利益を過度に優先する団体」そんなイメージがありました。

なぜそのイメージが形成されたのかは記憶が定かではありませんが、一時期ネット上で動物愛護センターに対する批判の情報を見たからかと思います。

いざ行ってみるとそのイメージは180度変わりました。

私がお邪魔した動物愛護センターには犬10頭、猫100匹以上が暮らしていました。

犬は病気持ちの子だったり、腕がない子だったり、狂暴すぎる子だったりで飼い主が見つからない子たちが多かったです。

無責任な行いは誰かが尻拭いしてくれている

印象的だったのはマスティフという大型犬。

この子は飼い主に捨てられて動物愛護センターが保護しました。人懐っこい性格なのですがお腹がパンパンで私が思わず「お腹に子どもいるんですか?」と聞いてみると、「この子病気なんです」とのこと。

この大型犬を捨てる飼い主とはいったい何なのかという怒りの感情はわいたのですが、こんなことも思いました。

誰かの無責任な行いを尻拭いしてくれる人たちのおかげで社会は回っている。

これは犬の遺棄の話だけでなく、ゴミのポイ捨てなどでも同じです。誰かが捨てたゴミをどこかの誰かが拾ってくれているからこそ、綺麗な街が維持されているのだろうなと。

もう1匹印象的だった子がいます。雑種の犬で右前足が肩からありませんでした。

職員さんによるとこの子は山に捨てられイノシシ用の罠にかかっていたそうです。見つかった時には骨まで見えている状態だったので命を守るには肩から切断するしかなかったそうです。

この子は飼い主さんが見つからないそうで職員さんは「最後まで私たちが面倒見ます」とおっしゃっていました。

愛護センターの犬たちは職員さんが1日5回も散歩されているようで、みんな職員さんになついていたのがせめてもの救いだと感じました。

動物を家族に迎え入れるということは長ければ20年共にするということです。私自身も3匹の猫と暮らしているのでその責任の重さを愛護センターの動物たちを見ながら学ばせていただきました。

猫ちゃんたちのお部屋!

職員の方に猫のお部屋にも案内いただきました。

愛護センターの猫たちを見て何より驚いたこと。

みんな毛並みがつやつや!全く匂いがしない!

日々職員さんたちが大事に大事に接しているんだろうなということが、猫たちを見て感じました。

この猫たちは新しい飼い主さんに譲渡されるので、人に慣らすため定期的に職員さんが猫たちと触れ合う時間を作っているのも印象的でした。

職員さんの膝の上に乗る猫たち。首の下撫でられてゴロゴロいっていました。

職員さんたちの姿を見ながら、この人たちと一緒に仕事ができるなんて最高過ぎる!と心の中で思いました。

好きだからこそできない仕事もある

私は職員さんたちの仕事を見ながら「私には到底できる仕事ではない」。

そんなことを感じました。

私はもともと動物は好きなので動物に囲まれながら仕事ができるなんて最高じゃん!なんて思っていましたが、やはり現実は違いますよね。

愛護センターのデータを見せてもらったのですが、昨年の猫の殺処分数は約150匹、収容中に亡くなった猫は約130匹。

職員さんたちは心のバランスを一体どう保っているのだろうか。誰かが遺棄したり、飼えなくなって引き取り依頼をした猫たちを職員さんたちは次の飼い主が見つかるよう、日々サポートしている。

その過程で殺処分という選択をしたり、亡くなった猫を日々見なければならない。

犬や猫の遺棄問題は動物の命という視点も当然のことながら大切です。でも本質というか目を背けてはならないことは、職員さんたちの心の問題なのではないだろうか。

職員さんたちはもちろん好きだから使命感を持って仕事に取り組まれているのだと思います。でも好きだからこそ殺処分などに心を痛めてしまう。

「好きを仕事に」なんて言葉が溢れかえっていますが、「好きを仕事に」するからこそつらい現実もあるのではないか。

私の好きと職員さんたちの好きは全く次元が違うんだろうな。

さいごに

以前の記事で書いたのですが、私は寄付という行為をこれまで積極的にしてこなかったです。

今回の愛護センターの仕事について学ばせていただき、「ここだったら寄付したい!」と思えるようになりました。

改めてテレビやネットではなく自分の目で見て感じるという一次情報の大切さを学びました。

おしまい!


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FIREサラリーマン みかん🍊ブログ
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