管理職になると忘れてしまうこと。部下を売ったらダメだよ。
会社は記事ネタの宝庫だ。
先日出社すると不快な景色が広がっていた。
Sさんという私とは別のチームの20代の後輩がいる。Sさんはとても仕事ができて性格も素晴らしい。
私のチームに来てくれたらいいのにといつも思っている子だ。
その日、Sさんは朝不在の日だった。
Sさんの上司(以下Aさん)が取引先からの電話を取った。
Aさん「え？それ誰が言ったんですか？」
私「(お？なんだなんだ？)」
Aさん「Sがそんなこと言ったんですか！？それ違いますから！」
私「(Sさんの名前が事務所に響き渡ってる・・・)
Aさん「それ間違った情報なので。Sには私から言います。」
こんな会話がしばらく続いた。Sさんの名前が連呼され、事務所の中では「Sさん何かやらかしたのかな？」と思った人が多いと思う。
ちなみにこれは大きなミスではなく、本当にしょうもないミスだ。私だったら「まあええやん」で5分後に忘れてしまう内容だ。
朝の事務所は偉い人も含め多くの人が滞在する場だ。
その後Sさんが出社してからぼちぼち詰められていた。
Aさん「取引先がこんなこと言ってたけどあなたそんな風に言ったの？」
Sさん「私そんなこと言っていないと思うのですが。」
Aさん「じゃあ取引先が嘘ついてるってこと？」
Sさん「そんなことはないと思います。」
Aさん「じゃああなたが言ったってことだよね？」
Sさん「え・・・。はい。」
信頼関係を築くのは時間がかかり、失うのは一瞬
最初の取引先からの電話を聞いていて私はそれはもう不快になった。
Aさんの気持ちもわかる。Sさんが誤ったことを取引先に伝えていたのかもしれない。
でも、朝みんながいる事務所で意図はしていないにしても、部下をつるし上げるのはまずい。まずいというかAさんの人柄が一瞬で理解できてしまう。少なくとも私からは。
事情はどうであれ部下のミスは上司の責任だ。今回のような些細な問題であれば誰が取引先に言ったかではなく、これからどうするかだけが問題になる。
上司としては仮にSさんが言っていたとしても「私が指示ミスしたかもしれませんね。すみません。」と電話越しに言ったら済む内容だ。そしてあとからSさんに「こんなこと取引先が言っててさー。この件ってどうなんだろ？」と世間話で終わらせてしまえばいい。
このように接するとSさんの言い分も本音ベースで聞けるし、これからどうするかをお互い一緒に考えられる。
詰めてしまうと人間ビビるのだ。そして管理職あるあるなのだが詰めるときに逃げ道がないと詰められる側は大変不快になる。仕事ができる人ほど頭が回るので詰め方がえげつない。
一度部下をビビらすと関係性が終了する。「本音で話してくれていいからね」と上司が言ったところで、部下は絶対に本音を話さない。
だって怖いからだ。また以前のように詰められてしまう恐怖心が心のどこかにトラウマのように植え付けられている。
これでめでたく上っ面のぺらっぺらの関係性の出来上がりだ。おめでとう！
一方で仕事だから関係性なんて必要ないのでは？という考え方もありそうだ。
部下たちとの関係性は私に何をもたらしているのか？
ビジネスライクに部下と業務のことだけ話すという最小限のコミュニケーションにする方法もある。
この方法は私の性格には合わない。
なぜならまったく楽しくないからだ。
部下たちと良好な関係性を築くということはつまらないことばかりの仕事が楽しくなる。
他の人はどうか知らないが仕事なんて100回やって1回ぐらい楽しいもので99回はまったく楽しくない。
でも部下や同僚との関係性をよくすると楽しくない99回のうち半分ぐらいは、ぼちぼち楽しいレベルになる。
そして部下たちと友達みたいな関係性になるとこれは儲けものだ。ランチに行ったり、飲みたい日は飲みに行ったり、休みの日はバーベキューできたりする。友達が増えるイメージだ。
もっと仲良くなると、部下の旦那さんを紹介してもらったりして人間関係の幅が一気に広がるのだ。
また年齢が離れていたり、性別が違う部下が本音で話してくれると、これはとんでもなく勉強になる。
年齢が離れている子からは今の若い子たちがどんなことを考えていて、どんな不安があるのかなど、私が気づかない視点を与えてくれる。
性別が違う部下からは妻に怒られた話などをすると、私が悪い点を女性視点で教えてくれる。これは男兄弟で育った私には本当にありがたくて、妻が怒っている理由を理解できる。
妻と仲良くできているのは過去や現在に一緒に働いた女性部下たちの力が大変大きい気がする。
余談なのだがこの記事の下書きを読んだ妻からは
「あなたね。人のこと会社でべらべら話して！部下の子たちに聞く以前に自分の頭で理解しなさいよ！あなたそんなことも理解できずに管理職やってるの？あきれた！」
頭の回る妻の詰め方がこの世で一番えげつないのかもしれない。
会社は記事ネタの宝庫だ
会社で起きるいろいろなことが記事ネタになる。最近部下からこんなことを言われる。
「みかんさん記事のネタ集めのために会社に来ているんですか？(笑)」
あと1か月と少しで退職する身なので確かにその要素は大きい。そして不安なのが
仕事辞めたらネタがなくなる！
ネタがなくなったらその時はその時！🤣
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