ルソーと人食い

画像1 ルソーの思想の形成過程と日本における受容史を分析した。古代ギリシャから伝えられてきた東方の「人食い人種」。コロンブスは、カリブ海に「一つ目の人食い人種」が住むという。ルソーは、言語も社会ももたない「未開人」とし、その姿を「子ども」に重ねた。本書は、カリブの「人食い人種」と、ルソーの「子どもの発見」という近代によって生み出され、近代というものを形づくってきた二つの「虚構」に注目し、それらの発生と定着の過程、そして、両者の関係を明らかにすることにより、近代という時代に潜む暴力の本質を示そうとしている。

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