介護福祉士国試対策アドバンス:事例問題の攻略(その3)
▼こんばんわ。
▼前回に引き続き、事例問題を疾患や障がい別に分けまして、その傾向と対策を深掘りしてみようと思います。ぜひお役立てくださいませ。なお、以下の内容は単なる小ネタの情報提供ですので、暗記する意味はありません🍀🍀🍀
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心疾患・循環器系疾患をテーマとする事例問題
▼心疾患・循環器系疾患をテーマとする事例問題には、高血圧、心筋梗塞、心不全がありますが、出題実績はそれほど多くありません。
(1)高血圧をテーマとする事例問題:
●第6、17、19、20、24回で出題されています。
●高血圧それ自体を主題とした事例文の出題実績はなく、ほかの主題となる疾患に高血圧が合併しているという形をとって出題されます。
●事例文に、降圧剤の服用、食事療法非遵守などのエピソードが加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・観察(健康状態の観察)
・食事介助(高血圧者の食事のあり方(減塩食))
・多職種連携・協働・チームアプローチ(かかりつけ医との連携)
(2)心筋梗塞をテーマとする事例問題:
●第19、30回で出題されています。
●事例文に、動作時の動悸、胸痛、息苦しさ、食欲低下などの症状が加わることがあります。
●事例文に、不眠、車いす使用などのエピソードが加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・観察(症状の観察、食事量と水分摂取量の観察)
・入浴介助(心疾患患者の入浴時間)、
・安楽(息苦しいときの姿勢)
・服薬介助(服薬遵守)
(3)心不全をテーマとする事例問題:
●第19、24回で出題されています。
●事例文に、浮腫(足のむくみ等)、息切れ、疲れやすさ、食欲低下などの症状が加わることがあります。
●事例文に、水分摂取制限、活動制限、活動性低下、不眠などのエピソードが加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・観察(水分摂取量の記録、口唇や皮膚乾燥の観察)
・多職種連携・協働・チームアプローチ(かかりつけ医や訪問看護師との連携)
がん(悪性新生物)をテーマとする事例問題
▼がん(悪性新生物)をテーマとする事例問題は、出題実績が極めて少なく、結腸がん、肺がんの2例のみです。
(1)結腸がんをテーマとする事例問題:
●第22回で出題されています。
●事例文に、下行結腸ストーマ使用やストーマ自己管理困難といったエピソードが加わっています。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・健康管理(栄養不足に注意する)
・観察(腸の部位による便の性状の違い)
・食事介助(ヨーグルトを勧める)
・入浴介助(入浴を勧める)
・多職種連携・協働・チームアプローチ(かかりつけ医への連絡)
(2)肺がんをテーマとする事例問題:
●第27回で出題されています。
●事例文に、抗がん剤が効かない、ターミナル期というエピソードが加わっています。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・ターミナルケア(家族への助言)
呼吸器疾患をテーマとする事例問題
▼呼吸器疾患をテーマとする事例問題には、慢性気管支炎、肺炎(誤嚥性肺炎を含む)、COPDがあります。
(1)慢性気管支炎をテーマとする事例問題:
●第14回で出題されています。
●事例文に、咳や痰が多い、発熱という症状が加わっています。
👉慢性気管支炎自体の内容を問う問題は出題されていません。
(2)肺炎(誤嚥性肺炎を含む)をテーマとする事例問題:
●第25、29、33回で出題されています。
👉肺炎自体の内容を問う問題は出題されたことがありません(とくに誤嚥性肺炎は一般問題が数多く出題されているためと考えられます)。
(3)COPDをテーマとする事例問題:
●第18、22回で出題されています。
●事例文に、息切れ、呼吸困難、下肢筋力低下などの症状が加わることがあります。
●事例文に、在宅酸素療法、鼻カニューレをしながらの入浴、意欲低下、食欲低下、ターミナル期などのエピソードが加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・医学的知識(在宅酸素療法の注意点)
・健康管理(呼吸困難や息切れが生じない程度の運動)
・食事介助(高カロリー食、ゆっくり摂取、食事回数を増やす、食欲がないときは間食)
・入浴介助(口唇が紫色の場合は入浴不可)
・通院介助(余裕あるスケジュール、酸素ボンベの残量確認、呼吸困難時の休憩、帰宅後の手洗いとうがい)
・居住環境整備(室内換気の必要性)
感染症をテーマとする事例問題
▼感染症をテーマとする事例問題には、風邪・高熱、MRSA感染症、ノロウイルス感染症、帯状疱疹、疥癬(角化型疥癬)、白癬があります。
(1)風邪や高熱をテーマとする事例問題:
●第7再回で出題されています。
●事例文に食欲低下のエピソードが加わっています。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・緊急時対応(かかりつけ医への連絡、救急車を呼ぶ)
(2)MRSA感染症をテーマとする事例問題:
●第29回で出題されています。
●事例文は、発症者ではなく保菌者に関する内容です。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・感染症対策(消毒、洗濯)
(3)ノロウイルス感染症をテーマとする事例問題:
●第21、28回で出題されています。
●事例文に、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状が加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・感染症対策(健康状態の確認(排便状況、食事内容)、手洗いの徹底、本人を静養室に隔離、院内感染の家族への説明、原因が分かるまでの対策(次亜塩素酸ナトリウムによる嘔吐物の拭き取り))
(4)帯状疱疹をテーマとする事例問題:
●第14、29回で出題されています。
●事例文に、胸部に痛み、前かがみの姿勢、円背などの症状が加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・入浴介助(ぬるめのお湯でシャワー浴)
(5)疥癬(角化型疥癬を含む)をテーマとする事例問題:
●第30、33回で出題されています。
●事例文に、小水疱、強いかゆみ、手指間に灰白色の線などの症状が加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・医学的知識(症状から疥癬という病名を選ばせる問題)
・感染症対策(洗濯物の扱い、マスク・個室隔離の必要不必要、手袋の着用、最後に入浴)
(6)白癬をテーマとする事例問題:
●第31回で出題されています。
●事例文には、白癬の症状やディテールは示されていません。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・健康管理(足を乾燥させる)
糖尿病をテーマとする事例問題
▼糖尿病は出題実績が多いです。
●第6、7再、9、15、17、18、20、25、26、28、29、32回で出題されています。
●事例文に、高血圧、脳梗塞、脳血管性認知症、変形性膝関節症などの疾病や、三大合併症(網膜症、神経障害、腎症)、大腿部切断などの症状が加わることがあります。
●事例文に、食事療法遵守困難、服薬遵守困難、食欲低下、不眠などのエピソードが加わることがあります。
●事例文に対する出題内容は以下の通りです。
・健康管理(低血糖予防)
・観察(食事摂取量、水分摂取量)
・食事介助(糖尿病患者の食事内容や献立、助言指導のあり方)
・緊急時対応(低血糖発作時の対応)
・感染症対策(糖尿病患者の感染症予防)
・外出支援(運動療法を兼ねた外出の促進)
⭐⭐⭐本日はこれにて終了です 🍵おつかれさまでした⭐⭐⭐