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ゲーム音楽演奏にゲーム愛は必須、なのか?

はじめに

要約すると「ゲーム音楽演奏をするのにゲームへの愛がないのはありえない、ゲームも知らずに演奏すんな」的なツイートがありました。(どうやらめんどくさい人なようなのでツイートのシェアはしません)

このツイートに対して若干ゲーム音楽演奏界隈が荒れてたので、見た人もいるでしょう。まあいろんな意見もありましたが。

そのツイートに対して、こんなツイートをしました。

ゲーム愛を練習してないことの免罪符にすんなとは少し思うところですが、音楽家の端くれである以上は、愛だけじゃダメなのよ!ちゃんと演奏できないと!っていうのは思うところです。(さあこれは自分にも特大のブーメランとして帰ってくるぞ!気をつけろ!練習しろ!次の本番の前くらいにこのツイートをリツイートされろ!)

結論から言えば…

結論から言えば「ゲーム愛はなくてもいいが、あるともっと音楽が楽しめるぞ!」というのが自分の中での結論です。

そもそも、ゲーム音楽は、ゲームの情景ありき、のものですから、ある程度ゲームのことを知ってると、もっと演奏を楽しめます。

ゲーム音楽コンサートは大きく分けると…

ゲーム音楽のコンサートですが、大きく分けると「ひとつのゲームについてがっつり演奏するコンサート」と「オムニバス形式でいろんなゲーム音楽を少しずつつまみ食いするコンサート」の2種類、があります。

「第一部でオムニバス形式をやって、第二部でひとつのゲームをがっつりやる」なんていう、ハイブリッド型もあったりします。

前者は、最近Undertaleをやったリトルジャックが有名でしょうか。(とはいえあそこはオムニバス形式もやらなくはないですね、一度やってたはず)後者だと結構いっぱいありますが、東京ゲームタクトなんかが有名でしょうか。

このうち「ひとつのゲームだけをがっつりやる」形式なら、ゲーム音楽を演奏する前にやるゲームは一つだけでいいのですが(もちろん隠しボスの攻略とかまで深くやるでしょうが)オムニバス形式だと、たくさんのゲームを取り上げるので「全部プレイするのは不可能」です。オムニバス形式ゆえに「マイナーなゲームを取り上げる」というパターンもあるので。しかもそのゲームが特定のレトロハードでしかプレイできない、とか、リメイクもダウンロードもない、ときたもんだ!

なので、オムニバス形式だと、いわゆるゲーム愛、とやら、はなくても演奏することはあり得ます。

ちなみに「参加条件にそのゲームをプレイすること」を課したオケは、自分が知る限りでは、ひとつだけありました。確かFF14を取り上げたオーケストラで、あそこはたしか参加条件に「ゲームのどこそこまでプレイしていること」をきっちり明文していました。

愛が…愛が重すぎる…

ゲーム愛で思い出すのが、東京ゲームタクト2018で演奏した「ポケモン赤緑メドレー」ですね。

正直に言ってしまえば、自分はポケモンは世代ではないのでやったことがなく(1984年生まれの世代からポケモン世代ではなくなる、という説を唱えています)あとからやろうにもポケモンってたくさんのタイトルが出ていて手も出せない状況に陥ってはいたのです。その状態で初回練習、演奏しましたよ。確か、私はオーボエの2ndでした。

その初回練習のときからそうだったんですが、オーケストラのみんな、ポケモンって量の多寡はあれど必ず通るから、みんな愛はあるので、めちゃめちゃに愛が重い演奏をするんですね。初回からすごかったです。

そのとき感じたのが「愛で置いてかれている」で、そのぶん音楽を冷静に見られたからよかったのかもしれませんが、周りのゲーム愛に置いてかれてるなあ、と思ったのが率直な感想、でした。

ちなみにポケモン、今始めるとしたらどの作品からやったらいいですかね?????

更に愛が重い話

FF7を演奏したときも「愛が重い」と思ったことはありました。演奏したのは、通常戦闘の音楽と、ゴールドソーサー。でした。

この練習のとき、「指揮者のテンポはゲーム原曲のテンポよりは遅かったが、みんな知ってる慣れ親しんだテンポで演奏するから、指揮とテンポがずれる」ということが起こりました。

もう一度おさらいしますが、このとき演奏したのは通常戦闘とゴールドソーサー。通常戦闘は何千回も聞きますし、ゴールドソーサーは、お前らみんな、メテオが近づく中ずっとゴールドソーサーでスノボ、してましたよね。というわけでこの二つの曲は、死ぬほど聴くゆえにテンポが体のなかで固定されてしまう、という、愛が足枷になってしまう、という状況、に陥りました。

愛が重い、それ故に足枷になる、こともある、という話でした。

ゲーム愛が無くても大丈夫!

2022年の年初に、私は「イグニスシンフォニエッタ」という吹奏楽団に出演しました。

この吹奏楽団は「田中公平先生の楽曲を演奏しよう」という、「一つの作曲家をテーマにしたオムニバス形式」というもので、更に言うと、ひとつの部でサクラ大戦というゲームを取り上げる、というものでした。

自分は「トップをねらえ!」が演奏されることを知り、それが大好きだったので参戦しましたが、サクラ大戦は「あ、ゲキテイは有名ですよね知ってます」くらいのレベル、でした。当時、セガサターンもドリキャスも持ってなかった、ですし。

んでまあエアプ状態で参戦しましたが、このとき、サクラ大戦のことを知らない自分を、サクラ大戦沼に、周りの人がひきずりこんでくれました。時には「弦楽器だからイグニスに乗ってもいないのにサクラ大戦の名盤を薦めて沼にひきずりこんでくる」ひともいました。Apple Musicでたくさん聴きました。そのあとYouTubeで公演も観ました。そして自分は、沼に肩まで浸かりました。

このように、ゲームは未プレイでも、興味を持てば、手厚いサポートでそのゲームを勧めてくる人は、ゲーム音楽オケには死ぬほどいます。

むしろ「新鮮な気持ちでゲームをプレイできるから、知らない方がむしろいい、そして新鮮な感想を聞かせろ」という、不届きなオタクもいます。

まとめ

ゲーム愛はなくてもいいが、あとからゲーム愛を持ってもいいぞ!俺たちはお前が沼に肩まで浸かるのを待ってるぜ!

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