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【コラム】ゲームの寿命

ゲームにはアナログ、デジタルありますが、今回は概ねデジタルの方です。

寿命【じゅ-みょう】
1. 生命の存続する期間。特に、あらかじめ決められたものとして考えられる命の長さ。命数。
2 .物の使用に耐える期間。また、その限界。

単語検索すると最初に出てきたgoo辞書には上記のように記されている「寿命」。その意味合いから行くと、ゲームの場合だと2種類の寿命があることになり、観念的なものと物理的なものとに言い換えられるかと思います。

物理的な寿命は正にゲーム機が壊れた時。落として壊す、怒りの矛先が向いて壊す、友達や親に壊される、何もしてないのに壊れるなど、その手の寿命は割と頻繁に訪れがちですが、天寿を全うする前に売り払われてしまうこともありましょう。それでも、いつかはどこかで壊れるさだめ。

さて、もうひとつの観念的な寿命(ここからが本題ですよ?)に関しては、いろいろな捉え方があるかと思います。

一番ソリッドな観念寿命はゲームクリアした時。エンディング=寿命、という考え方はドライではありますが、ゲームクリアすることをそれこそ「消した」と表現する人もいますし、ある意味一番浸透してる考え方かも。RPGなどはその最たるもので、ゲーム要素のコンプリートまで含めても、その遊びに止めを刺すことを目的とした遊びというのも、なかなか業の深いものかもしれません。

ただ、そこに至る前に寿命が来る場合もあります。それがゲームに飽きた時。単純にゲームが面白くない、もしくは難易度が高すぎる、とにかく長過ぎるなど、続ける意欲を上回るストレスがあれば大抵の人はやめてしまいます。続けられるのはよく訓練されたゲーマゾヒスト(造語)だけです。

そして、世のゲームソフトには区切りはあっても明確な終わりのないゲームというものが数多存在します。ライフシミュレーションやビルド系はもとより、スポーツ系もどちらかと言えばそういう要素が強いでしょう。ゲームよりツールに近いかもしれません。

そういったゲームの寿命は完全にプレイヤー側に依存していて、同じゲームでも1週間で飽きる人もいれば、数年、十数年単位で遊び続ける人もいるので、プレイヤーの寿命によっては一生を添い遂げることにもなりかねません。それはそれで幸せなことかもしれませんけど。

加えて、昨今は上記に関わらない形の新しい寿命が増えてきました(おかしな文章)。それはオンラインゲームのサービス終了、という寿命です。

ネットでも時折話題に上りますが、先月まではあんなに元気だったのに……とか、まさかあの人(ゲーム)が?とか、入退院(メンテナンス)ばかりだったけどやっぱり……とか、とにかくサービスが立ち行かなくなれば瞬く間に終わりを迎えます。金の切れ目が縁の切れ目です。

この寿命はそのサービスが終わるゲームを遊んでいたプレイヤーすべてが同時に直面するもので、時期がなんとなく察しが着き、避けられない、復活しないなど、寿命の寿命っぽい要素をふんだんに盛り込んだ、正に寿命オブ寿命と言えると思います。ゲームはいよいよ生命の領域へ。

とまぁ、なんやかんや言いっぱなしで来ましたが、最後の新しい寿命を見なかったこと(!)にすれば、ゲームの寿命はプレイヤー次第とも言えます。飽きてもまた遊びたくなる、ハードが無くなっても売らずにずっと手元に置いてあるソフト、友達といつも話題に上がるレトロゲーム、プラットフォームが変わっても出れば買ってしまう復刻、そんな風に人の記憶の中でずっと生き続けるならば、それはもう不老不死と言えるのではないでしょうか。

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