転職する条件、「今、以上の会社」?「今、以上の条件」?でいいんですか?
転職する条件、「今、以上の会社」?「今、以上の条件」?
エージェント時代、人事も変わりませんが、転職を希望する人達のお話を聞いていると「スキルアップしたい」ということで転職を考えるきっかけに考えていらっしゃる方が9割います。
残りの1割は実力を認められてヘッドハンティングされるケースもここ最近では増えているところです。
雑誌やWEBの記事から会社へ立派な封筒が届いたり、プライベートの電話に連絡があったりするのが常套手段でしたが、最近ではSNSを利用して連絡をすることが多くなり、以前より水面下で交渉が行われることも多くなりました。
一度も断られずに連戦連勝という人はまずいないでしょう。
企業、人材紹介会社からお断りメールが届くことによって、転職活動がスタートするからです。
ヘッドハンターから声をかけてもらったとしても、面談してみて違ったとか、違和感を感じたりするとお断りモードになることもよくあります。
書類や実績は申し分ないのですが、組織やチームとして化学反応が起きるのかどうかということを考えるとちょっと違うなぁということはよくあります。
応募先から否定されるから、次の1手につながる
職務経歴書についてはいつでも修正をしていくことをオススメしています。
可能であれば毎月1回してもらうのがいいのですが、少なくても3ヶ月に1回は書き直しをしたり、加筆をすることをオススメしています。
なぜなら、転職サイトに登録をしている場合については、発見率をアップさせる目的があるからです。
毎日いろいろな人が登録をしたり、修正をしているため、どんどん発見される確率が低くなってくることになります。
これはSEO対策と同じ要領なのですが、更新をして新しい情報をアップデートさせるだけではなく、切り口を変えることで新鮮味のあるレジュメに変わっていると発見される確率がぐぐっと上がるからです。
同じ内容を書いているにも関わらず、キャッチコピーがあるのと、わかりやすく簡潔に書いているのでは発見される確率が全く違います。
検索ページをイメージしてもらいたいのですが、キーワードを入力した後に自分がスクロールしてみるページ数って1ページか2ページの人がほとんどです。
なので、1ページから2ページに出てくることに狙いを定めて、人事や人材紹介会社の営業さんなどの目に止まることからはじまるわけです。
面接の失敗から学ぶこと
書類は通過したけど面接での戦績がいまいちというケースもよくあります。
面接は相性ということをいわれますが、実際のところはどうなんでしょう?
こういうケースはありませんでしたか?
面接は盛り上がって話をしたにも関わらずお祈りメールが来てしまった。
面接の感触は悪くないんだけど、お祈りメールが来てしまった。
新卒採用であれば数の理論ですから、面接官がつけた順位の30%以内に入れなかったということで諦めることができるのですが、中途採用の場合については、即戦力のイメージができなかった、採用しても活躍できるイメージがわかない、書類は立派だけど実際は全然違うということでお祈りメールになっているケースが多くあります。
中途採用の場合はすぐに活躍してくれる人材、会社に貢献をしてくれる人材、何かしらの化学反応が起きる人材などがあった上で、チームメンバーとのポジショニングや力量を見ることが多くあります。
重箱の隅をつつくような質問はもちろんですが、ちゃんと言語化をしていなければ、伝わらないというのがよくあります。
書類については人材紹介会社の担当が作っていたり、フレームを使うことで立派なものが出来上がります。
面接については出たとこ勝負になるわけですから、自分自身の強み、弱みはもちろんですが、何ができて、どういう貢献をしてくれるのかというように未来までしっかりと見えるようにプレゼンテーションをしなければなりません。
面接を冷静に振り返って、ここは盛り上がった、ここは反応が悪かったなど分析をすることで、面接についてしっかりと振り返りをすることができるようになります。
自分で反省をして次の面接で活かしていくことになるのですが、この振り返りができるのか?できないのか?で大きく変わってくることになるでしょう。
自問自答をしながら軌道修正をしていくのが転職活動ではありますが、このことに気づかず長期戦に入ってしまうようであれば、転職活動をストップしたほうがいいといい続けています。
過去、現在、未来という1つの時間軸で考える
過去については今までの仕事からくる原体験をまとめてみると自分の強みになっている部分と弱みになっている部分がはっきりグラデーションされてくることがよくわかります。
実績を上げた時に、チーム成績にも関わらず自分のおかげみたいな人がよくいますが、仕事はいろいろな人に巻き込まれて、巻き込んでやっていくことになるので、自分ひとりでの実績ではない。
面接で落ちる傾向がはっきりわかるのが、コミュニケーションになっておらず、一方的に自慢話をしてくる人。
実績は自分のものであり、他人への感謝を忘れているケースが多い。
面接官で嫌われるタイプはマウンティングをしてくるタイプや言っていることに対して軸のない人など、コミュニケーションを取るというよりかは、選んでいるという雰囲気を出してしまう。
いいときも悪いときもしっかりと何が原因でどういう結果が得られたのかということをしっかり思い出すことが必要になってきます。
選考中の企業では短期的にどういうことで貢献できるのか、中長期的にはどういうことで貢献できるのかなど、イメージをしながら答えていなないと、コミュニケーション力が疑われてしまう。
年齢を重ねるにつれて話がうまくなることがあるけれど、入社してみたらメッキが剥がれてしまって雇い止めになるケースもちらほらあるので注意してください。
常に明確化・具体化を図る努力ができているでしょうか?それは常に更新・上書きし続けられていますか?
アップデートできない人というのはこれから苦難の時代になってしまう。
同じ時間を費やしていても、このような自己変化、自己成長を、少しずつでも図れているか否かで、その人の次の職場に向けてのより良い展開が起きるか否かに大きな差がつきます。
企業が最終的に求めるのは、もちろん、転職活動を通じて成長・変化できている人です。
転職活動の意味を考え直してみよう
ちくしょう〜!転職だ!ということで転職をすることによって、冷静さをかけることになり、闇雲に右から左応募をしてしまい、本命企業ではない会社へ転職をしてしまうこともよくあることです。
以前にもお話をしていますが、心技体が揃っていないのであれば転職活動をせずに、今の会社でもがいたほうがいいでしょう。
無駄に職歴を増やしてしまったり、嫌気が差してすぐに転職をするくらいなら、圧倒的な実績やスキルをつけられるように、自分のポジショニングを獲ったほうがいいから。
なぜ会社を辞めたいのかということを本気で考えないと、「前の会社はこうだった」、「うちの上司は理解していないなぁ」、「システムも何もないから時間がかかるなぁ」などと他責理由を抱えたまま、転職を繰り返すことになる。
モヤモヤした気持ちで転職をしたり、ちくしょう〜転職だ!といって転職を考え出してしまうと、闇雲に職歴を増やしてしまうか、不安や不満を抱えたまま、自分を押し殺して昭和のビジネスゲームに参加をして、「あの時転職しとけば全然違う未来があったのに〜」なんて後悔をすると同時に、会社では自分の居場所がなくなってしまうのが目に見えてくる。
フットワーク軽く動くことは否定をしませんが、根っこにある問題に気づいてそれに対する答えを持って転職活動に望まないと、あなたにとって最高な展開、シナリオにはならない。
転職活動は不安の中でおこなうことはもちろんですが、「ああ、あの頃には自分はまだまだ分かっていなかった部分もあった。いま、こうして次のステージに向けて自分がなすべきことやテーマ、活かすべき強みや今後留意すべきポイントなどをしっかり把握したうえで、この会社のこの職務に着任することができると自信を持って言えます!」というようなすっきりと自信と希望に満ち溢れた姿で望んでほしい。
転職活動をスキルの切売、面接は自己PRタイムということではありません。
これからの転職活動は新たなステージに上るため、鍛錬をして活躍できるために準備をする期間として捉えてほしいですね。
転職活動はライフワークバランスを考える時期でもあり、これからもスキルアップをして上を目指していくのか?それともスペシャリストとして専門領域を深く探求するのかなど、これからのキャリアについて真摯に向き合う時間でもあります。
決して転職する条件、「今、以上の会社」?「今、以上の条件」?ではありません。
腹をくくって自分自身の将来について考え直す時間でもあります。