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時代とともに変わっている人事の4つの役割

3つの時代に分けられる

人事について大きなポイントが3つあり、それぞれの時代にトレンドが変わってきています。
時代のキーワードで簡単に振り返ってみましょう。

第一期の時代は1940年代〜1990年代前半までの行動経済成長期、バブル時代と言われている時期である。
終身雇用、年功序列、経済は右肩上がりの時代。

第二期の時代は1990年代後半〜2000年代までの失われた20年ともいわれた時期である。
余剰人員のリストラ、経済のグローバル化などの時代。

第三期の時代は2010年から現在の時代までのノマドブーム、パラレルキャリア時代と言われている時代である。
組織の力より個人の力に注力されるようになった時代である。

人事教育に力を入れた高度経済成長期と80年代

日本経済は高度経済成長期になり、終身雇用、年功序列でドンドン賃金が上がっていた時代。
会社に対する不満があるとしても、一度入った会社は定年まで勤めあげる風習が当たり前だった。
今では転職をしないことがリスクになる時代だけど、この当時は労働市場はほとんど動かない。

当時の日本企業のほとんどは次ように考えていた。
新卒採用をした学生をいかに戦力化することに注力を入れていた。
そこには事業の成長と会社の成長があると信じられていたからである。

競争要因の一つとして、社員の質が問われる時代であった。
そこで多くの企業が人事部に人材開発部をつくり、研修所をつくったり、研修コンテンツを作ることに躍起になっていた時代です。

社員の福利厚生も非常に厚い時代でもあった。
また、終身雇用が前提になっていたので、従業員のロイヤリティへの期待も高く、組織への忠誠心を育てることも人材育成の一環だったりした。

時間を買う戦略になったバブル崩壊後

証券会社が倒産して、上場企業までもが倒産することが当たり前になった
90年代から2000年代までの失われた20年とも言われています。
右肩上がりであった経済が失速をして、リストラが行われた時代。

新卒採用についても凍結するところが多くなり始め、就職氷河期という言葉が生まれたのもこの時代です。
団塊の世代ジュニアが就職する時期と被った時代でもあります。

年功序列、終身雇用という仕組みが音をたてて崩れていった時代であり、
人材育成をするわけではなく、即戦力を採用したがる傾向があります。
学生の内定も二極化し始めたのも、この頃からです。

事業の環境変化に対して、自社の社員だけでは対応できなくなった。
企業が新規事業を立ち上げる際に、M&Aが多く行われた。
時間を買うという発想がではじめたのもちょうどこの時期である。

最近のトレンドとも少しかぶってくるのですが、優秀な人材の確保が事業の成長に直結すると考えられるようになった。
新卒、中途採用問わずに人材をめぐる争奪戦が始まったのもバブル崩壊後からです。

人材輩出企業が注目を集める時代

2010年以降、最近のトレンドとしても上がってきているのが、人材輩出企業での経験者が注目を集める時代になったということです。
フリーランスやノマドでも成功をしている人は、人材輩出企業の出身者であることが多い。

人材輩出企業の代名詞とも言われるのが、リクルートやマッキンゼーなどがあげられる。
個人名を上げるとキリが無いのですが、起業をしたり、NPO法人を立ち上げたり、医療や教育の現場で活躍をされたりする方が多くいるのも事実です。

優秀な人材を輩出していることだけに目がいきがちですが、優秀な人材を採用するというところにも注目をしないといけません。
その両軸があってこそ成り立っており、プラスマイナスの関係になっていますから。

どの企業も優秀な人材は必要としています。
ましてや優秀な人材は社内に残ってほしいと思うのが普通です。
優秀な人材を輩出することによって、新たな優秀な人材を引きつける魅力にもなる。
人材の入れ替わりによってできる人材のサイクルを見逃してはいけません。

では、人材輩出企業になるということはできるのでしょうか。
優秀な人材の確保が命題にはなりますが、それだけでは不十分です。
地頭力があればいい、コミュニケーションがあればいいだけでも不十分です。

優秀な人材とは卓越した価値を提供できるかがポイントなんです。
やる気があり、能力がある人が事業を通して新しい価値を出すことで、
優秀な人材が育成することができるのです。

優秀な人材を育成するには、それなりのシステムがあることが重要なんです。
リクルートやマッキンゼーの人材育成システムについてはオープンになっていませんが、
共通点から推測することができる。

共通点としては、1年目から相当な負荷をかけられていること。
仕事に対する姿勢、考え方などを徹底して叩き込まれる。
入社前からのやる気と能力を持ち合わせている人たちが活躍の場を求めて、外へいくという流れだろうか。

人材輩出という点に注目をすると、人材育成も必要であることがわかります。
しかし、人材育成については従来のものとは違うものになっていることに気づかなければいけない。
自社で優秀な人材を育成するというよりは、外部で活躍できる人材を育成することに注目してほしい。

一見遠回りであるように見えるが、即戦力になる人材の育成ばかりをしていると、社外では通用しない人材になるリスクが高いということになる。
人材輩出企業と言われるようになるには、それなりの戦略が必要になる。

経営者と人事が一緒の光景を見ることによって、新しい人材育成が成立するだろう。
本気になって経営者と人事がタッグを組み、人手不足と言われている時代に考える分岐点が、今ここに来ているのではないだろうか。

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