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人事とエージェントでチームをつくる

エージェントをうまく活用できていない理由とは!?

とある優良中小企業の役員からのご相談。

「エージェントが推薦してこない。それも大手から専門的なエージェントまで、異口同音で御社を推薦しているんですが、本人の了承を得ることができずに、推薦できないんですよ。お心苦しいことですが、他社が紹介手数料率を上げているので、キャリアコンサルタントもそちらに力を入れておりまして…」という相談です。

紹介手数料が高い会社へ力を入れるのはエージェントも営利団体ですので、当たり前ですから否定をするつもりはありません。

1人の採用単価が3人の採用単価だったとしたら、人は楽な方を選択するのは当たり前です。

数字ができやすい案件へ注力をしていくのはよくあることです。

とあるスタートアップ企業の経営者からのご相談。

「エージェントは信用出来ないんですよね。面接に来る候補者を面接していると、うちの会社にあう人とは程遠い人が多い。リファラル採用や広告媒体の出稿を考えているけど、採用情報が社員に漏れるとハレーションが起きそうだから怖いんだけど、他にいい方法がないもんですか?」という相談です。

この2つの相談についてですが、本質的なことを見落としていることが1つあります。

それは会社の採用担当、役員、社長に何らかも問題があるから、エージェントとの信頼関係が崩壊しているということです。

ちょっとしたことの積み重ねで信頼関係は構築することができますが、ちょっとしたことで一気に崩壊をすることになります。

もう一度、全体の動きについて数値化することをオススメします。

その数値を元にエージェントを巻き込むことができれば、最強のチームをつくることができるでしょう。

理由その1:書類選考スピードが遅すぎる!

ここからは具体的な例示をしながら、お話をしていきます。

A社は100名程度のインターネット系の企業です。

採用担当も2〜3名いらっしゃるのですが、書類選考は代表の方がやっており、面接は職種によって、1次面接から出たり、最終面接から出たり、と分けていました。

ここで問題点が発生していました。まず、代表の「書類選考をするスピードが遅い」ということ。

エージェントから候補者のご紹介を頂いてから、3日、5日、1週間と書類選考結果を滞留していました。

エージェントから催促がくると、「確認しますね」と返答をして、結果をなかなか提示しない。

そしてエージェントから、「この候補者様、お見送りでよろしいでしょうか?」と質問がきたら、「あ、すみません。この方お会いしたいと思います」と返答。

エージェントからしたら、「であればご紹介した当日にジャッジしてくれよ…」という気持ちが芽生えます。

問題点として考えられるのは2通りです。

1つは採用担当が仕事を抱え込みすぎてしまい、書類を転送することができていなかった。

または書類選考についてジャッジをしているのだが、担当者が多忙すぎて忘れてしまっている。

これについては採用担当からその仕事を他の人に振ることができれば問題は解消されます。

もう1つは回ってきた書類について決済権者が多忙すぎてジャッジが遅れている。

この場合であれば現場責任者に任せてみる事によって早くなる可能性があります。

解決方法としては他人に任せてみるのか、専任の採用担当者をつくるかの2通りです。

選考はスピードが命になっているのが最近の採用方法

仮にご紹介日から、1週間後に書類選考結果を提示したとしましょう。

おそらく、10社応募した時の書類選考スピード順位でいうと9位か10位だと思います。
その時点で8〜9社が御社よりも前に選考が進んでしまっており、もしかしたら最終面接まで進んでしまっている企業もあるかもしれませんね。

エージェントの社内ではこういったコミュニケーションが取られています。

「この前話題にあがっていたA社。社長が『採用ニーズ高いから是非ご紹介してくれ』、と言っていた割には書類選考スピードものすごく遅いし、であれば別の企業に注力しようか」

至極当たり前の判断です。

採用企業の選考に対する姿勢は、エージェントは敏感に反応をしますし、スピードが速い企業のほうが間違いなく良いのです。

その2:面接で見極めと惹きつけができていない

こちらのB社のお話です。

現在は50名規模のスタートアップ企業です。

書類選考は人事がおこない、1次面接では社長がおこない、2次面接では現場責任者や取締役が面接をおこなっていました。

ここでの問題は1次面接の時、社長自身が面接だけをおこなっていたことが間違いの始まりでした。

「面接」は、見極め と 惹きつけ に分かれます。

見極め:その求職者がスキルをお持ちなのか、人柄が自社にマッチするのかをジャッジすること

惹きつけ:自社の説明をし、その求職者が求めている情報に対して重点的に自社の魅力を伝えることです。

面接が下手な企業は面接=見極め と捉えてしまい、求職者を惹きつけることがほぼできていないケースが多いのです。

見極めだけでは応募者を惹きつけることができない

「いやいや、面接ってその見極めってやつをやる場でしょ」という方が9割いらっしゃいます。

その通りなのですが、IT/インターネット業界の有効求人倍率はご存知でしょうか?

現在、全業界の有効求人倍率は1.59倍程度なのですが(2018年4月現在)、新規の案件については2.37倍になっています。

IT/インターネット業界は感覚値ですが6〜7倍程度かと思います。

つまり6〜7社が1人の求職者を採り合っている状況。

そんな中、見極めだけしていても求職者の気持ちを惹きつけることってできないんですよね。

話をエージェントに戻します。
エージェントは選考において「惹きつけ」をしてくれる企業様にご紹介を寄せる傾向があります。

「この採用企業に面接さえ行ってくれれば、求職者の意向が上がった状態になる」とエージェント社内が認知すれば、一気にご紹介数が上がったりするんです。

2つ事例を記載してみましたが、これ以外にも多数のポイントがあります。

エージェントは候補者様を多数確保していますし、皆さまがビックリするほど優秀な登録者もいらっしゃったりします。

ただ、そういった優秀層に対して、御社のご紹介を自信を持ってできるかというと、そうでもないのです。

前述した通り、「選考スピードが遅い=選考に本気ではない」、「面接が下手⇒故に求職者の意向が上がらない」、という企業様はエージェント内のカウンセラーが御社をご紹介する件数は極端に少なくなってくるでしょう。

エージェントさんを業者扱いしては絶対にダメですし、そのあたりを認識しながら採用に取り組む姿勢を変えてみてください。

劇的に状況が変わってくるかと思います。

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