キャリアの最短距離と回り道!?正解はないから、利益がある方を選択する3つのポイント
そんなに大手企業へ行きたいか?
たまにあるのが友人、知人、クライアントの紹介で、キャリア相談にも個別に応じています。
先日、ある男子学生から相談を受けた時のこと。
いろいろな人気企業でインターンシップをして、海外の留学経験もあり、英語も堪能で、非の打ち所ない学生です。
就職活動の様子について聞いてみたところ、コンサル会社と投資銀行の営業部門で内定をもらっているとのことでした。
そこで、「あなたはなにが将来したいと考えているの?」と尋ねると、20代で経営の事を学んで、早いうちに起業をしたいという事を答えました。
しかも起業も単なるあこがれではなく、ご実家が農家ということもあり、農業の未来について強い意識を持っており、その問題を解決する事業を立ち上げたいと考えていました。
じゃあ、コンサルタント会社に内定をもらってよかったじゃないのというと、次のような回答が返ってきました。
本当はコンサルタント業界トップの会社に入りたかったんですけど、面接で不採用になってしまったのです。
それであれば業界は違うけど投資銀行に行ったほうがいいんじゃないかと思っているんですが、トップコンサルタント会社を再度受験することも考えています。
どうするのがいいのか悩んでいるから、相談しに来たんです。
判断基準を見失うとゴールを見失う
ここでお気づきのかたもいると思いますが、この学生さんは完全に本来設定しているゴールとは違う事をいっている。
異なる軸で意思決定をしようとしているということです。
投資銀行で営業として活躍することができれば、同年代の数倍〜数十倍の金額を手にすることができます。
その実績に基づいて、他の投資銀行からも転職のオファーが殺到するでしょう。
それはそれで、大変素晴らしいキャリアであり、文句はつけられない。
しかし、大事なのは一般論として素晴らしいキャリアをつくるのではなく、自分自身に取って意味があるキャリアを作ることです。
いくら人からコンサルタント会社でいいですね。と羨ましがられるにと、自分にとって意味がないキャリアであれば、それはそれでいいキャリアとはいえません。
投資銀行で債権の営業経験を積んでも、経営に関するスキルや経験を積むことはできません。
その道を選び、結局次のステップで戦略コンサルタントに入ったとしたら、数年間という時間が無駄になり、それが埋められない差になってしまうでしょう。
ブランドは株価のように乱高下する
バブルが弾けたとき、銀行や証券会社が倒産すると誰が思っていたでしょうか。
当時はそこへ行けると一生安泰と言われるぐらい、年収では困らなかった会社です。
いまは商社が人気になっていますが、アラフォー以上のビジネスパーソンの方は、以前には商社不要論などが持ち上がったこともありました。
実は経営不振に陥った商社が合併せざるを得ない状況になるなど、業界内には大きな変動があり、学生に人気がなかった時期もあります。
また、コンサルタント会社が高いプライドを持ち始めたのも、2000年に入ってからでしょう。
それ以前はごく一部のコンサルティングファームを除いては、ビジネスパーソンにも知られていませんでいた。
今では東大生をはじめとする名門大学の学生が殺到するベンチャーも、10年ぐらい前には、名門大学がわざわざ入ることはなく、年収も低くて、人気企業とは程遠いモノでした。
このようにブランドというものはめまぐるしく変化をしていくものです。
ブランドを手に入れたと思っても、それがいつまでもつかは運次第という要素が強い。
ブランドに翻弄をされることは本末転倒のキャリア設計になるということです。
ブランドより自分のキャリア
ブランドに惹かれて間違った方向にキャリアをつくってしまうケースは、新入社員の学生にはかぎらず、転職志望の社会人にも珍しくありません。
転職時にブランドを持っているあの会社に入っておけば、次の転職でも珍しくありません。
そういう人は注意をしなければなりません。
抜群のブランドを誇る会社、例えばアクセンチュアやリクルートなどにいっておけば、次の転職でどこでも行けるというのは少々危険な考え方です。
あくまでもどういう経験を積んだ人なのかが第一優先であり、企業のブランドは二の次ということになります。
もちろん、ブランドが無価値なわけではありません。
同じコンサルティング会社出身でも、実力が同じであれば、知名度の高い企業出身者を採用したいと思うのが、市場の声です。
問題になっているのはただブランドだけで就職先や転職先を決めてしまう人が多いということです。
自分自身のキャリアを設計したうえで将来的に役に立つ経験が積める職種かどうかということがポイントです。
私に相談をしたあと、彼からすぐメールが届きました。
「自分のキャリアを考えたうえで、コンサルタント会社で実績を積んで来ます。そして、自分自身のキャリアを手に入れたいと思うので、困ったときは相談します」と返ってきました。
いまでは、地元に戻って農業を改革しようと一生懸命に親の跡を継いでいます。
年収は当時よりアップをしているというから驚きです。
社内評価と市場評価の違い
最近では他人と比較しないことが一番いいことであるということに気づきましたが、組織にいるとどうしても無意識のうちに他人の目を気にしてしまう傾向がよくあります。
ブランドのわなというのは実際にその典型例ともいえます。
これと同じ現象がエリートコースにこだわる社内評価のわなです。
会社に勤めていると、どうしても社内の評価を気にするようになります。
「組織内で周囲から高い評価を受けたい」、「より高いポジションにいくうえで有利なコースに乗りたい」と考えることは、当然のことであると思います。
ただ、外部の人材市場からの評価は、必ずしも一致しないということをお話します。
例えばある企業で支店長コースがエリートコースと認識をされており、そのような社内の評価を意識してキャリアを考える方もよく見られます。
もちろん同じ会社で勤めるのであれば、その社内基準が正解です。
しかし、人材市場の評価とイコールにならない事を知っておいてください。
異業種へ転職する際に、社内から評価されてエリートコースだったことをアピールしても、応募先の企業からしてみたら、評価としてはあまり影響がありません。
同業界へ転職をする際には、社内評価かが高いということで、プラス加点されるぐらいでしょう。
決定的な要素になることはなく、あくまでも面接の内容がポイントになるということです。
将来、転職を通じてキャリアアップを検討されている方には、人材市場で評価されていることが何かをしっかりと知ったうえで、社内のキャリアを考えるようにしましょう。
どうしても会社にいるうちは社内評価を気にすることになりますが、一歩外にでたら、全く関係ないこともおおくあリマス。
日々所属している組織のことなので、つい過大評価をしてしまいがちになります。
専門性を磨くことが自分らしく生きるコツ
日系企業でhあ人事部に配属されるのがエリートコースとなる企業もありますが、3年に一度ジョブローテでいろいろな部署に飛ばされるということは、専門性を身につけているかどうか疑問視することもあります。
例えば、新卒で入った商社で人事部に配属されたのと、海外営業部に配属をされた場合、どちらのほうが人材市場では価値が高いかということを判断してみましょう。
商社といえば海外営業部でバリバリ英語を使うイメージが強いため、海外営業部のほうが人事部より市場価値がたかいということがいえるでしょう。
自分は同期のなかでも最も高い評価を得ているのに…と考えるかもしれませんが、実際には人材市場に出ると評価が逆転することも珍しくありません。
人材市場においては、比較優位となる専門性を持っている人ほど、高く評価されます。
そのため自分が突き止めたいとおもっている分野で経験を重ねることが必要です。
将来経理、人事にキャリアを考えているのであれば、社内の評価に流されずにその道を選択してキャリアを作ることが重要になります。
その会社で骨を埋めるつもりがないのであれば、社内の基準を考えるのではなく、自分の将来携わりたいと考えている分野をしっかりと見据えて主体的にキャリアを作ることが大切です。
よろしければサポートをお願いいたします!頂いたサポートについては、製作費として使わせていただきます。