小説:遊撃サバイバル1_敵前逃亡
樫の元の藪にひざまづくと、帽子から汗が滴り落ちた。
荒くなる息を必死でこらえる。息遣いで、敵に居場所を知られてしまうこともある。
息を整えながらも耳を澄ましてあたりの気配を探った。寝不足がたたって、足がつりそうだ。畜生、なんだってこんな時に。頭の中で敵の数を確認する。いったい、あと何人だろう。おそらく5人前後のはずだ。腰を下ろしたいが、下ろしたら最後、立ち上がる自信がない。
楠田元はG3を抱えなおした。普段はそれほど重く感じにない自動小銃がやたら重く感じる。徹夜の上に、