●完成主義と完璧主義
●完成主義と完璧主義
先日、とある本を読んでいて【完成主義】という言葉を、初めて知りました。
あなたはご存知でしたか?
当初は、「誰かの造語かな」と思っていましたが、過去にカナダのオタワ大学で研究されていたことでした。
完璧主義という言葉は、既にご存知だと思います。
完璧主義とは『万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のこと』です。
それに対して、この完成主義とは『完璧さよりも完成することを重視すること』で、『不十分のところも多々あるけれど、とりあえず何らかの形にすることを優先する考え方』をいいます。
初めて知った言葉だったので、興味を持ち、この完成主義について色々と調べてみました。
これまで『完璧主義は創作においてクオリティーを高めるために有用である』と考えられていましたが、カナダのオタワ大学で行われた研究によると、『完璧よりも完成を目指す人のほうが、創造性が高い傾向にあること』がわかりました。
つまり研究の結果、創造性が高いのは「完璧を目指す人(完璧主義者)」ではなく「完成を目指す人(完成主義者)」だそうです。
なおこの研究では、完璧主義を「理想化された過度に高い基準を求める傾向」と定義し、完成主義を「高品質で達成可能な基準を求める傾向」と定義しています。
私たちは、理想を求めるために色々と思いを巡らして時間を費やしてしまいます。
しかし、まず形にしてそれに改良を加えて高品質なものにしていく方が、時間の短縮化がはかれ効率的です。
さらに研究の結果だと、後者の方がより創造性が高くなる。
現在のように、変化が激しい時代には、この完成主義が大切なのではないかと思います。
理由は理想にこだわり過ぎて、それが形になった時には既に古くなってしまう可能性があるからです。
私は就職支援をとおして、この完璧主義の方とお会いすることが時々あります。
たとえば、応募書類の作成。
私は常に「鉛筆書きで構わないから、7割から8割出来たら持ってきてください」と伝えています。
でも、完璧主義の方は『完成した物を持参しなければならない』という考え方にとらわれてしまい、作成に1週間、なかには2週間位掛かる方がいます。
そうやって、出来上がった応募書類を添削させて頂くのですが、その時点で『既に応募を締め切っていた』ということが過去にありました。
未完成でも応募していれば、書類選考を通過した可能性がありますが、完成にこだわるあまり締切に間に合わなければ、応募書類を作成したこと自体無駄になってしまいます。
もちろん、応募書類は適当に作れば良いというものではありません。
内容を熟考し、誤字脱字をチェックする必要がある。
しかし、それで締切に間に合わなければ、なんのために応募書類を作成したのでしょうか。
社会の変化が早くなるにつれて、相対的に時間の価値が高まっています。
昔からいわれている格言に【時は金なり】があります
今後、ますますこの言葉の意味が増してくると思います。
これからは、私達も【完成主義】でいきましょう。
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