部下を育てる質問力 〜3つのコツ〜
こんにちは。me:Riseキャリアコーチの中田です。(コーチ紹介インタビュー)
夏本番の天気になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
東京は再び緊急事態宣言下となり、テレワークが中心の方も少なくないかと思います。テレワークが中心となると、チームでのコミュニケーション量が減り、お互いの状況が見えにくくチームの関係性が低下し、人材育成の効果が低減するとも言われています。
このような中で、上司や先輩が部下、後輩と定期的に面談し、関係性を深めながら部下の成長をサポートしていく1on1ミーティングや、1on1に準じた関わりを導入する会社様が多いように感じます。
1on1ミーティングでは、コーチング、ティーチング、フィードバックなどのスキルを用いますが、今日はコーチングのスキルの一つである質問に絞り、部下の思考を深め成長を促すための効果的な質問のコツをお伝えしたいと思います。
コーチングを学んだり、本を読んだ方はご存知と思いますが、質問には様々な種類があります。今回は詳細は割愛しますが、大きく分けると、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンがあります。
クローズドクエスチョンは、「提案書、完成した?」、「お客さんから連絡あった?」など、はい/いいえ、A / Bの2択で答えられる質問です。即座に回答が得られるので、とても便利な質問ですよね。
一方、オープンクエスチョンは、「年度末までにどのように成長したい?」「この部署でどんな経験をしたい?」「どのようなチームをつくりたい?」など、答えが一つに絞られないような、相手の考えを深める質問になります。
1on1では、後者のオープンクエスチョンを使いながら、部下の考えを深めていくことが大切になってきますが、1on1やコーチング研修で受講者の方が練習されているのを拝見すると、オープンクエスチョンではあるけれども、効果的なやり方ではなく、もったいない!と思うことがあります。
では、部下や後輩の育成をサポートするためには、どのような質問の仕方が良いのでしょうか?
3つのコツをご紹介いたします。
1.正解を持たない
1on1での質問は、部下の考えを深めたり、思考の枠外にある考えや気持ちに気づいてもらうために行いますが、質問する上司の方がすでに「こうするべきだ」「このやり方が良い」というご自身の正解を持ちながら質問すると、部下の方にとって効果的な質問にはなりにくくなります。
皆さんも、これまでの経験の中で、相手は答えを持っているけど質問してくる場合と、純粋に質問してくる場合のニュアンスの違いに気づきませんでしたか?
部下の方も、上司が「このやり方が良い」という答えを持ちながら質問してくる場合、純粋に自分の考えや想いを探求するよりも、「上司が期待している答えはなんだろう?」という方に意識が向いてしまいます。
さらに、上司の方がその答えを部下に言わせたい場合、誘導尋問のような質問が続く場合もあります。これでは本末転倒ですね。
上司の方が思っている正解が、必ずしも部下の正解とは限りません。部下にとっての正解は、部下が「これだ!」と納得できるような考えであり、それは部下が思考を深めながら自分で気づくものです。自分で納得したものは、よしやってみよう、と行動に移すことができ、経験学習を回し部下が成長していくことができます。
2.沈黙を恐れない
「部下が黙っている時間が耐えきれず、ついつい自分から話してしまいます・・・」と話す上司の方はたくさんいらっしゃいます。沈黙は怖いですよね。この間を埋めるために何か言わないと・・・、次の質問をした方がいいかな、などと思ってしまいがちですが、沈黙はとても大事です。部下の方が自分の考えを深めたり、思考を整理することができる時間だからです。矢継ぎ早に質問されたり意見を言われたら、考える時間が減ってしまいますよね。
「どんなチームをつくりたいの?」「この部署でどのような経験をしたい?」など、オープンクエスションは、即答が難しい質問です。だからこそ、思考の枠外まで意識を向けることで気づきが起きます。本人が思考を深めているときに、上司が沈黙に耐えきれず、「皆が積極的なチームをつくりたいよね」とか、「この担当はやってみたい?」などと先回りして聞いてしまうと、部下からしてみれば、「あぁ、結局上司の言われた通りにしなきゃいけないのかな」「まだ考えている途中なのに・・・」となり、ますますその上司に対して自分のことを聞いてもらいたい、本音を話そうという気持ちが冷めていきます。
まずは5秒、できれば10秒くらい待ってみてください。
待つと、相手が話し出しますよ。
3.短く言う
「今あなたに任せているこのプロジェクトはこういう状況で、こんな問題があって大変だと思うけど、●●さんは、このプロジェクトをどんなふうに進めていきたいと思っている?」
と聞くよりも、
「このプロジェクト、これからどう進めていきたい?」
とシンプルに聞いた方が相手に深く考えさせる質問になります。
状況整理や、自分の見解を話してから最後に質問をしてしまう方が多いのですが、シンプルな質問ほど、相手に考えるスペースと時間を与えます。
簡単なことですが、とてもパワフルです。
以上が、部下の成長のために質問をする場合の3つのコツになります。
どれも意識すればすぐに実行できることですので、是非試していただければと思います。
あわせて、初めのうちは良質な質問のレパートリーをたくさん増やしておくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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