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人材育成に生かせる「体験を成長につなげる3つの問い」

こんにちは。me:Riseキャリアコーチの志賀です。(プロフィール

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
緊急事態宣言が解除され、少しずつまた生活や仕事のスタイルを変化させる時期に来ていますね。

私はこの5月、所属している会社での新人育成の仕事をしているのですが、特に先週は、オンラインでひたすら新人の営業ロールプレイングの相手役(検定官)となって、フィードバックをしていました。

与えられたお題のシチュエーションで、営業ロールプレイングを行い、その検定に合格できるよう、新人たちは一生懸命取り組みます。

そのような日々の中、私が改めて想いを強くしたのは、人は、自分の目指す場所に進んでいく力、そこ向かうために必要なことに気がついていく力を、すでに備えているということ。

入社2ヵ月で、社会人経験は少ないとしても、その力はすでに持っていて、だからこそ、育成者にとって大切なことのひとつは、新人たちがその力が発揮できるようにサポートしていくことだと、再認識しました。

また私は、検定に合格するという「成果」のための支援よりも、その人の「成長」のための支援がしたいと思っているんだなぁと、改めて自分の価値観にも触れた日々でした。

そんな直近での経験も踏まえて、今日は、人材育成に生かせる「体験を成長につなげる3つの問い」について書いてみようと思います。

シチュエーションは、対象者が、何らかのゴールに向かって取り組んできたひとつの仕事を終えたときの振り返りシーンを想定しています。(例:商談を終えたとき、成果物を仕上げたとき 等)

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いろいろな良いやり方・問い方があると思いますが、私なりに有効と感じたものを、シンプルに3つに絞ってみました。

【体験を成長につなげる3つの問い】
①「やってみてどうだった?」
②「もう一度やるなら、どんなふうにやる?」
③「今の〇〇さんにとって何が必要だろう?」

ひとつずつ、ご説明していきたいと思います。

①「やってみてどうだった?」

振り返りをはじめるシンプルでオープンな最初の問いです。フィードバックしたいことが山ほどあったとしても、まずは本人の振り返りを聞いてみます。

例えば今回の私が経験したロールプレイング検定であれば、「頭が真っ白になりました」「まだまだ課題はありますが、一番伝えようと思っていたポイントは伝えられたと思います」など、さまざまな話がでてきます。

出てくる話に対して、具体的に聞いていきます。例えば「頭が真っ白になりました。」に対しては「そっか、具体的にはどのシーンで真っ白になった?」という具合です。

すると「そうですね・・・お客様から質問されたあたりから真っ白になりました。次に話すことを考えながらやっていたので、想定外の質問に、焦ってしまったと思います。」と返ってきたとします。

また、改善点にのみフォーカスしているときには、敢えて「逆にできたことは?」と聞いてみます。出来なかったことだけでなく、出来たことも言葉にしておくと、次に意図的に生かしていくことができるためです。

ある程度、具体的な振り返りができたら次の問いです。

②「もしもう一度やるなら、どんなふうにやる?」

もちろん、時間を巻き戻すことはできません。ですが、「もしもう一度やるなら?」と仮定してみることで、疑似的に二度体験することにもなり、一度の体験を太くしていくことができると感じています。

先ほどの例だと「もう一度やるなら、一旦自分の前提は置いておいて、お客様の話を聴くことに集中したいです」などと返ってくるかもしれません。
ここまで来れば、もう自分にとって必要なことはたいてい見えてきています。

少しだけ逸れるのですが、映画「アバウト・タイム」を観たことはありますか?主人公のティムが生まれ持ったタイムトラベル能力を使い、さまざまな時間を巻き戻してやり直していく中で、ある大切なことに気がついていくというストーリーです。(端折りますが、とても感動します・・・)

この映画を見ていると、体験する前はどうすればよいか分からなかったことでも、もう一度やるならどうしたいか?は考えやすいものだと感じます。

また「もう一度やるなら」を想像することで、「本当はどうしたいのか」「本当はどうなったらいいのか」が見えてくるようにも思います。

つまりこの問いは、体験を太くするでけでなく、目指したい状態・姿の具体化にもつながっていくとも言えると思います。

③「今の〇〇さんに何が必要なんだろう?」

目指す状態・姿に向けて、具体的にやると良さそうなことを考える問いです。「お客様の話を聴くこと」が必要だとしたら、そのために何をすると良さそうか、もう少し聞いてみます。

初めから具体的に「お客様の話に集中するためには自分に余裕が必要だから、どんなパターンにも対応できるよう、もっと自社のサービス提案の引き出しを増やします」などと出てくるケースもあります。

私の場合、本人が具体的に動き出せそうなレベルに落とし込めるまで「それは、どうやればできるだろう」「こういうやり方もあるかもね」と、一緒に考えていくことが多いです。

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この時期は、新人育成に携わる方も多くいらっしゃるのではないかと思い、このテーマを選んでみましたが、いかがでしたでしょうか。

このようなシチュエーションは、唯一の正解などありませんし、さまざまなやり方があると思いますので、ひとつのご参考までにお読みいただければ幸いです。

フレッシュで直向きな新人たちから大きなパワーをもらいましたので、心の背筋を伸ばし、今週もまたがんばろうと思います!

皆さんにとって、良い一週間になりますように。


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