ストレスを味方に!ストレスを建設的にマネージする方法
こんにちは、me:Riseキャリアコーチの志賀 文香です。(>>コーチ紹介インタビュー)
早くも梅雨入りしましたね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
張り切りモード漂う4月が過ぎ、5月も後半。何かと新年度の疲れやストレスが出やすい時期ということで、今日は、心理学的な側面から「ストレスを建設的にマネージしていく方法」について書いてみたいと思います。
私たちにとって「新しいイベント」は、特にストレスになりやすいと言われています。最近ライフステージが変化したり、仕事の環境が変わったりしてストレスを感じている、そんな方々にお届けできれば嬉しいです。
刺激に対する私たちの「反応の仕組み」
ストレスマネージの前提として、知っておきたい反応の仕組みがあります。
外部刺激に対する私たちの反応には4つの要素があり、それらは相互に影響を与え、リンクしているというものです。上記の図にもある通り、4つの要素とは、認知・感情・身体・行動のことを指しています。
ちょっとストレスのかかる状況を想像してみてください。例えば、あなたが突然クマに遭遇したとします。その瞬間、どんなことが浮かぶでしょうか?
「わぁ、クマだ、危険だ!」そう思うかもしれません。これが「認知」です。つまり、対象となるものを知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことを、心理学では認知と呼んでいます。
そうすると、「感情」としてはどうでしょうか?あなたの感情は今、一気に恐れという感情に支配されている状態かもしれません。
では、「身体」の状態としてはどうなるでしょうか?ぐっと血管が収縮してこわばったり、心拍数が上がったりするでしょう。ここでの身体反応とは、生理的反応を指しています。
どうしよう、何とか助かりたい・・・そこで、背を向けずに逃げようとか、死んだふりをしようとか、何らかの「行動」に至るわけです。
認知・感情・身体・行動の相互の影響
この4つの要素が、お互いにどうリンクしているのかについて、もう少し見ていきたいと思います。
先ほど、あなたが突然クマに遭遇したら、というシチュエーションを想像しましたが、もし、こういったシチュエーションだとしたらどうでしょうか。
動物園にいるクマを見た、というシチュエーションだとしたら・・・?
「わぁ、クマだ、かわいいな」とか「わぁ、クマって思ったより大きいな」などと思うかもしれませんね。ここで浮かぶことは人それぞれですが、いずれにしても、このシチュエーションであれば「危険だ!」という認知には至らないでしょう。
そうすると、感情としてはどうですか?そして身体の状態としてはどうしょう。好奇心でワクワクしていたり、あるいは癒しを感じていたり、クマを眺めているあなたの身体はリラックス状態。そして、パシャリと、その姿を写真におさめるのかもしれません。
一つ目のシチュエーションとの大きな違いは、クマに対する認知。動物園のクマは別に危険ではないという認知があることで、そこから生まれる感情・身体・行動といった反応までもが、まったく変わってきます。
つまり、同じクマでも、それに対する「認知」が変わることで、クマがストレスになるのか、ならないのかが変わってくる、ということなんです。
「認知」にアプローチするストレス対処法
外部刺激に対する4つの要素のうち、どこかの要素にアプローチすることで、自分のストレス状態は、自分で変化させることができます。
運動をしてストレスを解消するといったことは、活用されている方も多いと思いますが、正に「身体」にアプローチをすることで、感情や認知もポジティブなものになるといった、反応の仕組みを利用したものと言えます。
そのように、さまざまなアプローチがありますが、ここでは「認知」にアプローチするストレス対処法に焦点をあてていきたいと思います。
例を通じてご説明してきたように、瞬間的に生まれるのが「認知」ですが、その認知を見直し、自分にとって、より良い認知を持つことを検討していく方法です。
【Step1】ストレスを感じた場面での自分の反応を整理する
手元のノートなどに、ストレスを感じた場面で、自分にどんな反応が起きていたのかを書き出しみます。頭の中から一度外に出すことで、少し距離をとって自分の状況を見るのに役立ちます。
例
<場面:営業で見込みの高かったお客様からお断りを受けてしまった>
◆認知:終わったな、もうチャンスがない
◆感情:絶望、つらい
◆身体:重たい、疲れている
◆行動:断られたくないので当たり障りのない営業活動をする
【Step2】「認知」は自分の解釈であり事実でないと理解し、見直してみる
自分の反応を整理することができたら、認知を見直してみます。自分の認知に対して「それって本当?」と、自分に問いかけてみるのがおすすめです。
クマの例はシンプルでしたが、まぁ現実はそこまでシンプルにいかないですよね。なぜなら、私たちの「認知」には、それまでの沢山の経験によってつくられてきた自分の思考パターンが多いに影響しているから。
つい、物ごとを飛躍して考えてしまったり、過大評価・過小評価をしたり、白か黒かの二極のみで考えてしまったり。そういった思考の癖は、誰しも持っています。
冒頭で、認知とは、自分の判断や解釈のプロセスだとお伝えしました。つまり、認知は「事実」ではありません。それにも関わらず、私たちは、自分の認知が、まるで事実であるかのように思い込んでしまうことがあります。でもそれは、人の自然な反応として、当たり前に起きうること。
だからこそ、「それって本当?」と疑ってみる習慣をもつことで、自分の思い込みに気がつきやすくなります。
【Step3】自分にとってより良い「認知」を探ってみる
自分の持っている認知を確認した上で「他の可能性や、自分が良い方向に進めそうな認知はないか?」探ってみます。
<場面:営業で見込みの高かったお客様からお断りを受けてしまった>
◆認知:終わったな、もうチャンスがない
◆新たな認知の候補:
・時間をおいて、ニーズが出てくることもあるかもしれない
・お客様の本音が聞けたという意味では、関係性が始まったところだ
・断りの理由を聞くことができたので再提案の余地ができた、チャンスかも
候補が複数あがったら、すべてを採用しても良いですし、一番持てたらいいなと思う認知をひとつ選んでみるのでも良いと思います。
【Step4】新しい認知を採用したらどんな反応が起きそうか想像してみる
自分にとって、より良い認知を見つけるという目的ではStep3で終えてもOKですが、その認知によって、どんな反応が起きそうかを確認することで、より新たな認知への納得度が高まることがあります。例えばこんな風に。
<場面:営業で見込みの高かったお客様からお断りを受けてしまった>
◆新たな認知:お客様の本音が聞けたという意味では、関係性が始まったところだ
◆感情:前向き、ここから頑張るぞ
◆身体:少し力が湧いてくる
◆行動:もっとお客様のことを知るためにコミュニケーション頻度を増やす
最初に整理をした自分の4つの反応と見比べてみた上で、「自分はどうしたいか?」と改めて考えてみるのも有効です。
最後に
ストレスを建設的にマネージしていく方法として、認知にアプローチする方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ちなみに、この営業の例は、私が社会人1年目だった頃に実際に見直した認知の例なのですが、新たな認知を持つきっかけとなったのは、上司がくれた言葉でした。
認知は、自分にとっては真実のように思えるものなので、なかなか変えにくい側面もあると思いますが、誰かに相談して、他の人の思考を借りて新たな認知のヒントを得るというのも、非常に建設的な手段だと思います。
外部刺激は日々絶え間なくあり、そのこと自体はコントロールの範疇外であることがほとんどですが、その刺激をどう認知するかは、いつでも自分の自由なんですよね。
ストレスを感じている状況を何とかしたいと感じていらっしゃる方に、少しでもヒントになる部分がありましたら嬉しいです。
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