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I-4)脱出(社内異動)、なるか?

こんにちは。

 先日は、社会人スタート早々のこと、決して順調な滑り出しではなかったその頃のことを、ツラツラと書いてみました。月日が経っても、辛かった日のことは鮮明に記憶しているのです。でも、それを見つめ直すのは、キャリアコンサルタントの自分にとってはとても大事なことかなと思います。

 働く人が直面するいろんな難しさ、自分の見地からはどう見えたのか、どう乗り越えるべきなのか否か、等々。おのれの過去ながら参考にできると思います。

 今回の記事では、いよいよ9か月にわたる長いトンネルから脱出できた話。

 その年の忘れもしない5月16日の配属以降、課せられた仕事がさほどなく、辛く過ごした日々に終わりが見えてきたのは、同じ年のクリスマスの日の朝のこと。上司から

「社内で異動してもよい、あなたの好きな部門を選んで構わない」

と言ってもらったのです。私にはこの日が来るかも、の予測はできていましたが、この日だとは思っていなかったため、ちょっと驚きました。それはもちろん嬉しかったですし、ぱぁーっと光が見えた瞬間でした。

 予測できていた理由は、私の状況を知り、私の気持ちに共感し、私のために動いて下さっていた方々の存在を知っていたのです。ただ、会社にも色々事情がありますし、私も期待が落胆にならないように静かに過ごしていました。異動後どういう仕事になるかは未知ながら、今よりはベターと期待、どんな部署でもとにかく仕事がしたい、なんでも構わない、と。それは謙虚というか悲痛な叫びというか。

 当時は会社の成長期で、採用ポジションも多くありました。当時の空きポジションの情報を渡され、どこにいきたいかと人事の部屋で本当に言われました。早くて正確な英文タイピングスキルなど英語力全般を求められるアメリカ人営業本部長秘書の仕事がよかろう、ということで、では、とほぼそこに決まりかけたのですが、急募の採用案件だった技術部門のマネジャー付秘書はどうか、と聞かれました。自分で選んでいいと言ったのに、と思いましたが、精神的にこれ以上続けられないという状況からの脱出を確実にしてもらえたのだからそこは応じなければと思い、その線で話がまとまりました。

 クリスマスの日に話を戻します。先ほどの会話を上司である人事総務本部長としたすぐ後に、一人の来客があり受付に出迎えにいきました。入社が決まっていた新しい人事部長でした。その方に言わせると、初めて会った私の笑顔が飛び切りだったようです。後に、互いの退職後も、とても親しくさせて頂いた方でしたが、私のその時の表情のことが、会うといつも話題に上がりました。それはそうでしょう、9か月もの長いトンネルの出口に出たところで見せた顔でしたので。

 こんな、今から30年以上も前のことだというのに、よくも忘れず鮮明に記憶してものかと思います。きっと、一生懸命悩み、過ごした時間は、見たもの、考えたことなどみんな深く刻まれて、もしかするとこれから先もきっとずっと死ぬまで忘れずにいくかもしれませんね。

 さて、新しい上司とのことは、次の記事で書きますね。


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ODCatalyst  本木和子
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