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仏INSEAD/EMC:MBAではない、ビジネスプロフェッショナル向けの特別な修士プログラム

INSEADといえば、世界トップレベルのビジネススクールですが、そのINSEADには、MBAではない、ビジネスプロフェッショナル向けの特別な修士プログラムがあることをご存知でしょうか。 

その名も、Executive Master in Change(通称、EMC)です。これを日本語直訳することは難しいのですが、“Together, we transform”をテーマに、「個人、家族、組織、社会」といったあらゆるシステムレベルで起こる“Change”について、組織論と心理学を用いた組織心理学の観点から、ビジネスプロフェッショナルに新しい視座を提供するプログラムです。

よって、このプログラムを率いるプログラムダイレクターと呼ばれる責任者も、心理学者である教授と、組織行動論を専門とする教授ペアで構成されています。

ビジネスと心理学、組織理論と心理学、システム経営と心理学広義の「ビジネス×心理学」を学ぶことのできる唯一無二のプログラムこそが、このINSEAD・EMCなのです。

特に、組織コンサルタント、人事スペシャリスト、エグゼクティブコーチを生業にしている方は取るべき修士ですし、組織の変革に取り組む企業の経営陣や、コンサルティングファームの方におすすめのコースです。

私がこのEMCという存在を知り、出願しようかどうか迷っているときには、なかなか情報がなく困っていました。

それもそのはずで、2001年にEMCの前進となるプログラムが始まってから、2020年時点では、日本人卒業生は13人しかいなかったのです。

しかし、今、私がEMCのプログラムを終え、修論を提出し、卒業式を来月に控える身として思うことは、「多くの日本人ビジネスプロフェッショナルがEMCを知らないのはもったいない。EMCを全てのビジネスプロフェッショナルに強くお薦めしたい!」ということです。

そのような想いから、この記事を書くことにしました。

以下のようなビジネスプロフェッショナルに、私はEMCを強くお薦めします。 

<学習意欲を満たしたい方>

  • 若かりし頃にMBA取得済だが、また海外のトップビジネススクールで学び直しをしたいと思うビジネスエグゼクティブ

  • MBAでは自分の専門分野を深めきれないと思慮するコンサルタントや人事スペシャリスト

  • プロとして勉強を深めたいと思うエグゼクティブコーチ、産業カウンセラーやキャリアコンサルタント

  • 心理学にずっと興味はあったが、臨床やカウンセリングではなく、ビジネスの現場や、自分のチームや組織、部下・同僚に対して役立つ実践的な知識を学びたいと思っているビジネスプロフェッショナル


<組織コンサルタント、人事スペシャリスト、エグゼクティブコーチ、キャリアコンサルタントの方>

  • 組織コンサルとしてキャリアを積んできたが、ここでアカデミック且つ人との差別化を図れるような知識を得てキャリアアップを目指したい

  • 人事スペシャリスト、HRAとしてキャリアを積み、更なる高みを目指して学びを深めたいが、職務専門上、取るべき修士はMBAではないと感じている

  • エグゼクティブコーチとして活躍しているが、世界中で活躍するビジネスプロフェッショナルとのネットワークを拡げたり、新しいコーチングアプローチについて学びを深めたりしたい

  • 国家資格キャリアコンサルタントを取る過程の学習内容がおもしろく、心理学やキャリア理論、トランジション等の知識を深めたい


<ビジネスプロフェッショナルとしての岐路に立っている方>

  • 自分のキャリアを見直したいと思いつつ、何から手をつければいいのか分からない

  • 英語に苦手意識をもったままキャリアを歩んできてしまったが、海外留学にもう一度チャレンジしたい

  • 中年の危機なのか、自分探し願望が最近ふつふつと湧いてきている

  • 最近セカンドキャリアについてよく考える


<おまけ>

以下のような動機・きっかけ・モチベーションもあるかもしれませんね。

  • ”INSEAD卒”という肩書に憧れる方(はい、正直、私は憧れがありました)

  • GMATやSATの勉強は今更ちょっと…という方(EMCは、GMATやSATのスコアを求めません:その代わりエッセイが14個もあります…)

  • 会社を休職したり、辞めるわけにはいかないので、働きながら通えるパートタイム修士を探している方(私もフルタイムで働きながら、通いました)

  • 家と会社の往復の毎日に刺激がない。数か月に一回、「海外通学」をしてみたい方(世界各地から、授業日毎にキャンパスに集合します。EMCは、仏フォンテンブロー or シンガポールで行われています)

  • 駐在帯同でINSEADキャンパス近くに引っ越す方(ex. シンガポールに駐在帯同するバリキャリ女性)

  • INSEADにファンの教授がいる方(エリン・メイヤー氏の「異文化理解力(Culture map)」が大好きで、入学すれば彼女と接点ができるかもと思って入学したというクラスメイトがいました)


これら上記の理由については、私がEMCを選んだ理由とも複数重複しますので、以降の記事でそれぞれ説明させて頂きますが、実際のEMC卒業生のプロファイルからも、どのような方にお薦めのプログラムなのかが分かると思いますのでご紹介しますね。

EMCに入学する人の典型的なプロファイルは以下の通りで、私が在籍したクラスも、ほぼ同様の傾向でした。

  • 平均年齢:44歳

  • 平均就労期間:18年

  • 参加者の国籍:18か国

  • 男女比率:50対50

  • 出身業界:16業界

MBAは30歳前後で行かれる方が多い印象ですが、EMCは40代・50代で来られる方が多く、40代・50代のビジネスエグゼクティブのためのプログラムといえます。

これは実際の私のクラスメイトの、EMCスタート時の年齢です。

  • 36~40歳:32% (←私はここ。39歳のときに入学しました)

  • 41~45歳:45%

  • 46~50歳:27%

2年間のEMCでの学びを終えた今、私が思うことは、ビジネス界の厳しさや、実際に血反吐を吐いた経験等、酸いも甘いも知っているビジネスプロフェッショナルでないと、世界トップのビジネススクールであるINSEADのEMCにはついていけないということです。

社会人数年目の20代や、30歳前後では、EMCには到底太刀打ちできません。

39歳で入学し、大学を卒業してからの社会人経験15年以上をそれなりにひっさげて入学した私ですが、クラスでは一番若い部類で、正直、ケース事例になるような十分な血反吐経験を持ち込めたかというと、少し甘ちゃんだったようにも感じています。

逆にいえば、これまでキャリアと本気で向き合ってきたビジネスプロフェッショナルにとっては、こんなにも面白く適切なプログラムはないと思います。

これから数回に分けて、私のEMC体験記と、EMCをお薦めする理由について書いていきますね。

どうぞお付き合い下さい! 

※EMCについて私に直接ご相談されたいという方がいらっしゃれば、喜んでご相談をお受けします。コンタクト方法は、以降の記事でご案内する予定です。

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