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【渋谷文芸食堂】こども食堂の運営日記①

渋谷区の恵比寿 景丘の家を中心にこども食堂・渋谷文芸食堂の活動をしているふじもんです!
今回から数回に分けてこども食堂の運営をテーマに連載記事を投稿していきます。

渋谷文芸食堂について少しでも知って頂くため、また、こども食堂を始めるにあたって何に取り組んだのか?何を考えたのか?を記録として残すことを目的に筆を取りました。

今回の連載記事がこども食堂をこれから始めようと思われている方や、こども食堂はどんなところなのか?どのように運営されているのか?を知りたい方のためになればと思っています。
ぜひ最後までご一読くださいませ。



こども食堂はどんなところ…?

こども食堂とは、貧困家庭や孤食の子どもに対して、地域住民のボランティアや自治体が主体となり、子どもが一人で利用できる、無料、または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する場のことである。

日本財団ジャーナルより抜粋

こども食堂は全国に※9132箇所あるといわれ、貧困対策に限らず学習支援や体験活動を取り入れている団体さんや、こどもの居場所作り、地域交流や子育て支援などを目的とした「みんなの食堂」といった名前で活動されている団体さんもあります。

私が活動している渋谷区では、こども食堂とは呼ばず「こどもテーブル」という名称を用いています。
「こどもも大人もみんなで1つのテーブルを囲んでご飯を食べよう」という想いから「こどもテーブル」という名前になったと伺っています。


こども食堂の運営形態は様々で、地域住民のボランティアや自主子育てサークルだったりNPOや飲食店、学生団体が中心となって活動しているところもあります。
開催するにあたって何か特別な資格が必要な訳ではなく、誰でも開催できて地域のため、こどもや子育て世帯のために!という想いを持っておられる多くの有志の方が運営をされている現状です。
※食品衛生の観点から、食品衛生責任者講習の受講が推奨されています。
 講習会の管轄は各都道府県・市区町村ですのでそちらをご参考ください。


始める前に市区町村の担当者さんに相談

ただ、こども食堂を開催するぞ!と思っても
「場所はどうしようか…?」「資金や食材の調達は…?」
といった現実的な問題が立ちはだかります。
渋谷文芸食堂も地域の方々との繋がり、資金や独自の開催場所などが全くない状態からのスタートだったので、まずは渋谷区役所の方に助言を頂こうと考えました。

渋谷区社会福祉協議会 こどもテーブル係へGO!

渋谷区の場合、社会福祉協議会のなかに「こどもテーブル係」という専任の方々がおられ、地域の方や企業さんなどと協力してこども食堂の開催に尽力されています。
渋谷文芸食堂の運営を始める前に、こどもテーブル係さんに伺い「こども食堂を開催したいのですが…。」とご相談すると、渋谷区のこどもたちを取り巻く環境の説明、団体登録や助成のご案内をご丁寧にして頂きました。

その際、渋谷区のこどもテーブル団体に正式登録されると年間10万円の助成金支給があると教えて頂き、次のステップとして申請のために渋谷文芸食堂の運営方針・規約の制定等、必要書類の作成を行いました。

助成金の申請で何を問われるか

こどもテーブル助成金の申請書に限らず他の助成団体の申請書や、こども食堂支援センターむすびえさんのファンドレイジング講座で学んだことなどを総合すると…
こども食堂の目指している在り方、姿、目的
・開催のイメージ
(遊びに来て欲しい人数や対象年齢、特別なプログラムがあるのか等)
・資金の使い道、団体の困りごと
・地域の課題をこども食堂でどのように解消するか

といったことが助成金の申請時に問われる内容になっています。もちろん、ケースバイケースではありますが。
特に、最初に書いた「こども食堂の目指している在り方、姿、目的」についてハッキリさせておくことは色んな観点から重要だと私は考えていて、助成金の申請の有無に限らず、この項目は明確にしておくことをお勧めします。
その理由は、
①目的や目指すべき姿という軸があることで迷わずに活動できる・立ち返ることができる
②他の中心メンバーやボランティアさんと協働しやすくなる

活動の輪を広げるときに他人に説明しやすい
といったことからです。

また、助成金の申請という観点から考えると「こども食堂の目指している在り方、姿、目的」が一致している助成団体を探して申請すると、採択する確率が上がるということもメリットとして挙げられます。
このことについては、むすびえさんのファンドレイジング講座で「助成金を出す側も目指したい社会の在り方・姿や目的がある」といったことと併せて教えていたきました。

さらに、こども食堂の目的や目指す姿をしっかり作って考えておけば、申請書に記載するときだけに限らず、広報などにも書くことができ汎用性があることも利点の1つに挙げられます。

助成を受けるために取り繕ったり、こども食堂の理念や目的を無理に変える必要は全くありませんが、以上の事柄から「こども食堂の目指している在り方、姿、目的」はしっかりと考えておくことが重要です。

渋谷文芸食堂が大切にしていること
・テーブルを囲んで手作りのごはんを食べるあたたかい時間
・ことば遊び、物語、詩などを自然に楽しめる体験
・多世代交流をしながら、他者と一緒に本にふれる経験
・「なんだろう」「どうしてだろう」「おもしろそう」を出発とした国語の学び
・家庭、学校、塾とは違う第三の学びの場・居場所であること

上記のことを踏まえながら申請書の試行錯誤を重ね、代表の船岡さんたちと協力しながら進めていき、無事、渋谷文芸食堂はこどもテーブル団体に登録されました。

次回は「人」「場所」「支援・お金」のお話

前述したように、こども食堂を運営するにあたって立ちはだかる「人」「場所」「支援・お金」の確保に苦心しつつ、いろんな手立てを考えながら現在、渋谷文芸食堂の運営を進めております。
次の記事ではその3つをどのように確保したのか、どのように運営をしているかについて書いていこうと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


引用・参考資料

こども食堂とは? 日本財団ジャーナルHPより引用


こども食堂の数・9132箇所 むすびえHPより引用


こども食堂運営者のための、資金調達&助成金申請セミナー(入門編)


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