ビースターズとブラザーフッド(ネタバレ)

ビースターズ読み終わったばかりなんですけど、とても良かった!ルイとジュノが結ばれなくて落ち込んだけど。

ズートピアでは描かれなかった問題にもっと踏み込んだ作品という感じでしょうか。

あと作者はアメリカの学園ドラマが好きなんだろうかって勝手に思った。寮生活と誰とでも寝るヒロインハルちゃんという要素から・・・

アカシカのルイの父オグマ(なんやかんやで息子想い)とシシ組イブキ(ルイの理解者で無理して肉食って吐いてるルイのためにサラダ買ってきてくれる)好き〜〜〜!!!ってなってたら、作者も意図して似せてたんだ・・・!ってなった。

しかも両方死んだ( ;  ; )


ゴウヒンさんの罰しても何も変わらないから治療して更生させるっていうスタンスもいいよね…

この罰じゃなくて治療っていうのは現実でも覚醒剤依存者に必要だと言われてることよねって思いつつ。


レゴシの母は容姿を気にして自殺、祖母はキスして死ぬっていうのもちょっと死にたがりすぎだし、動機がイマイチ理解できなくてモヤモヤするし、そもそも異種間で子供作るなよ!って反出生的にディスることもできるんだけど、それを差し引いても素晴らしい作品だった。まだ一回しか読んでないから勘違いしてるところもあるかもだけど。

続編があるならミックスの子に対する差別への改善とかももっと詳しく描いてほしい。だって結局社会は変わってないまま・・・だよね?

裏市に触れないでおこうっていうタブーは消えたけど、レゴシの母が死ぬ原因となったものや、第二のメロンが生まれるかもしれないっていう状況って変わってないような?レゴシもそれが引っかかったままだから最後「一生異種族交流したい」って告白したんでしょ

結局は異種族間で子供は作らないほうがいいをぼかしたような終わり方な気がするし、それがやっぱり正解なのかな。メロンの何を食べても美味しくないっていうのは普通に怖すぎるし。

だからルイもジュノを選ばなかったのか?でも後継ぎがいなくても、オグマみたいに養子をとればいいんじゃないだろうか。

もっとルイとレゴシが正式なビースターズとして街で活躍するみたいな未来が見たい〜〜!第二弾きてくれ!


で、ブラザーフッドなんですけど、ビースターズでは男の友情というか感情的な面でお互いにケアする関係というものが男女間に限定されず、男男間でもきちんと描かれてるな!と思った。

レゴシの戦いのスタイルっていうのがまさにそうだし。リズやメロンへの向き合い方が対話をしようとしてるし、実際に対話してるんだよね。

あとリズに面会しにくるピナとリズの関係もブラザーフッドって感じがする。

レゴシと犬科の友人達の仲の良さも大好きなんだーー!素直に心配し心配され、悩みを聞いたり聞いてくれる仲の友達の重要性があの漫画では示されてる。

あとオグマとルイの関係が好き!オグマが冷淡な無関心じゃなくてしっかりルイを心配してるの良い…

ビースターズを読んでてブルーピリオド思い出した。八虎とそのヤンキー友達(一人はパティシエの道進み始めたり)との関係がまさにこれだなと。

ブラザーフッドの対になるものはミソジニーとホモフォビアで結びつく男性ホモソーシャルだと思ってるんだけど、演劇部のトラはそれっぽいなって思った。メスのアルパカがメストラだったらイケるのに〜って話してたっていう描写とか、あとレゴシを童貞いじりしたり。。


それにしてもルイがレゴシに自分の右足を食わせるシーンはめちゃくちゃびっくりしたけど、名シーンですわ。肉食を全くしないという主人公を一気に曖昧な存在にしたよね。

作者から受け取った一番のメッセージは生き物って曖昧な存在なんだっていうことかな・・・ 

メロンやリズもそうなるに至ったまでの描写が丁寧に描かれてて、単純に完全な悪という感じではないし、ビースターのヤフヤも危うい存在に私は見えたんだよね〜 捕まえた肉食動物をにんじんの肥料にしてたり、とにかく完璧を目指したり・・・なんかマギのシンドバッド見てる感じがした。

やーほんとにルイとジュノがくっつかなかったのが悲しい!それがショックすぎて読み終わった後放心した。イヌ科の尻尾振ってしまう生態可愛すぎるでしょ。。









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