タイル配置の大定番!城壁広がる『カルカソンヌ』
こんにちは!きゃらべのあんどんです。
ボードゲームを初めたてのお客様からのご希望でやはり多いのが、「定番のボードゲームがやりたい!」というもの。
定番ゲームはそう言われるだけあって完成度が素晴らしく、また多くの人に親しまれる分かりやすさと遊びごたえを備えた名作ばかりです!
今回はそんな定番ゲームの一角。2001年のドイツ年間ボードゲーム大賞を受賞し、世界中で愛されるタイル配置ゲーム『カルカソンヌ』をご紹介いたします!
”カルカソンヌ”ってなかなか耳慣れない単語かなと思うんですが、フランスに実在する歴史的な城塞都市で、世界遺産に登録されているようですね。
(写真は https://urtrip.jp/carcassonne_travel/ からお借りしました。)
めちゃめちゃカッコいいですね!ぜひ一度見に行きたいものです。
どんなゲーム?
プレイ人数:2~5人 プレイ時間:45分
『カルカソンヌ』は、都市や草原などが描かれた地形タイルを並べて地図を作っていくタイル配置ゲームです!
プレイヤーは全員で、1つの同じ地図にタイルを次々と足していきます。手番が進むごとに地図が広がっていく様子はとてもワクワクしますね。
ゲームが終わるごとに、完成する地図は実にさまざま。何回遊んでも違う表情を見せてくれます!
全員で同じ地図を広げていくといっても、協力ゲームではありません。プレイヤーはそれぞれ自分が手掛けた地形に”自分の仕事だよ!”と示すコマを配置することができ、その地形が完成すると得点することができます。立派な施設を作るほどエライということですね。
すべてのタイルを使い切り地図が完成した時に、最も得点が高い人の勝利です!
カルカソンヌを広げよう!
『カルカソンヌ』の手番はとってもシンプル!
タイルを1枚引いて地図にくっつける。置きたければ手持ちのコマも置く。
これだけです!
そのあとで、区画が完成していれば点数がもらえます。
細かい決まりは追ってお話していきますが、基本的には”引いて置く”を繰り返すだけでゲームが進行していく。そんなシンプルさもこのゲームの魅力です!
<『カルカソンヌ』の手番>
1.タイルを引いて、地図に付け足す。
2.望むなら、1.のタイル上の区画にコマを置く。
3.区画の完成チェックと得点計算。
さあ、さっそくゲームを始めていきましょう!
まず、ゲームに使う72枚の地形タイルをよくシャッフルします。
1枚だけ裏面の色が違うタイルがありますね。これが「スタートタイル」になっていて、ゲームで使われる最初の1枚になります。
「スタートタイル」を表にして、それ以外の地形タイルを適当に山にして置いておきましょう。そのあと一色のコマをそれぞれ受け取れば、ゲームの準備は完了です!じゃんけんなどでスタートプレイヤーを決めたら早速プレイに入りましょう。
1.タイルを引いて、地図に付け足す。
自分の手番が来たら、まず地形タイルを1枚引きます。今回引いたのは"道路"のタイルですね。
引いたタイルはすぐに、地形がつながるように辺をくっつけて置かなければなりません。複数の辺で他のタイルとくっつく場合は、すべての辺で地形がつながっている必要があります。タイルに上下の決まりはないので、回転は自由です。
このタイルの場合では、"道路"同士または"草原"同士をくっつけて置かなければならないということですね。
2.望むなら、1.のタイル上の区画にコマを置く。
さて、今回は"道路"をつなげて置くことにしました。
そのあと、この手番に置いたタイル上の区画に自分のコマを置くことができます。区画というのは”道路”や”草原”といった地形の区切りのことで、タイルのどの部分に置くかを決める必要があるのです。
コマは置かなくてもOK。ただし、置きたくても2つ以上のコマを置くことはできませんし、手番の前からあった別のタイルに置くこともできません。
置いても置かなくてもいいけど、コマを置いたら何がいいのか?
実は、コマを置くことが点数をゲットするための行動になっているんです!
では今回、タイルを置いてつなげた"道路"にコマを置いてみました。
するとこの区画は赤いコマが建設中の"道路"となり、完成すると赤のプレイヤーに点数が入ります!
コマは”自分の仕事だよ!”とアピールするためのもので、手掛けていた区画が完成するとご褒美に点数がもらえるということですね。
ただし、すでに他のコマが置かれている区画には新しくコマを置けないので注意してください。すでにいるコマが自分のものでも、他のプレイヤーのものでも、同じ区画にコマを追加することはできません。
他の人の仕事を後から横取りするのはルール違反ということですね。
また、手元にコマが残っていない場合にも新たにコマを置くことはできません。コマは8個ありますが、1つは点数表示に使うため実際に使えるのは7個です。ご利用は計画的に。
3.区画の完成チェックと得点計算。
さて、いよいよ得点のチャンス!
自分のコマがある区画が完成すると施設に応じた点数が入り、さらに置いていたコマが手元に戻ってきます!
ところで、区画の完成とは?
基本的には、タイルの外に続いている状態の部分がなく、閉じた状態になると完成とお考えください。
今回の"道路"の場合には・・・、
写真のいずれの場合も完成となります!
完成すると区画の種類や大きさに応じた点数が入るだけでなく、その区画に置かれていたコマが戻ってきます。手元に戻ったコマは、また次の手番から別の区画に送り出すことができるのです!
こうしてタイルやコマの配置と区画の完成を繰り返していくうちに、みるみる地図は広がって得点も増えていきます!
そうして全部のタイルを使い切った時に、最も得点の高い人が勝利です!
個性豊かなタイルたち
『カルカソンヌ』で使う地形タイルにはバリエーションがたくさん!
中には、1枚のタイルの中に2つの"都市"が描かれたものや、"道路"が4本伸びているタイルなんかも存在します。
ここで気になる、地形の種類と得点について一挙にご紹介していきます!
<コマを置ける地形と完成条件>
・道路・・・始まりと終わりが決まる。または環状になる。
・都市・・・城壁が一周する。そして、内部に空きマスがない。
・修道院・・・修道院の周囲8マスにタイルが埋まる。
・草原・・・完成しない。
『カルカソンヌ』の地形はこの4種類。
完成しない地形もある・・・?と思った方、ご安心ください。どの地形もちゃんと得点要素になっています。さあ、どんどん見ていきましょう!
”道路”は、ポピュラーな地形。手にする機会も多いでしょう。
完成すると、つながっているタイル1枚につき1点がもらえます。なが~くつながるほど大きな得点になりますね!
交差点のあるタイルでは、"道路"は途切れます。交差点からは複数の種類の"道路"が伸びていることになりますが、交差点自体はコマを置ける区画ではありません。(初めて遊ぶころ、"都市"や"修道院"の仲間かと思ってよく勘違いしました!)
正直ちょっと地味なヤツではありますが、欲しい時にいなかったり、中途半端な”道路”で他の区画を邪魔できたり、盤面での駆け引きの面白さをたっぷり引き出してくれます。
”都市”は『カルカソンヌ』の主役とも言える地形!得点レースの花形です。
完成すると、つながっているタイル1枚につき2点がもらえます。さらに、タイルの隅に盾のような紋章マークがあったら、紋章1つにつき2点が追加でもらえます!
タイルをどんどんつなげて大きい"都市"があちこちに出来てくると、「カルカソンヌを遊んでるな~!」という感じがたまらないですね!
”修道院”はちょっと特殊で珍しいタイル。
この建物は1つのタイル内に収まっていますが、タテヨコナナメの周囲8マスが地形タイルで埋まった時に完成となります。
完成すると、9点!なかなか大きい気がしますね。
他のプレイヤーが周りにタイルを置きたそうな場所にうまく入り込めると、自然と完成が近づいておトクです!
”草原”はほとんどすべてのタイルに存在する地形・・・なのですが、これもコマを置ける立派な区画です。
"草原"は完成することがありません。つまり"草原"に置いたコマはゲーム終了まで戻ってこないコマになるので、置くタイミングには注意しましょう。
戻ってこないことがわかるようにするためか、"草原"に置くコマは寝かせて置くことになっています。お昼寝をしてるみたいで気持ちよさそうですね。
"草原"の得点はゲーム終了時にのみ計算され、つながっている"草原"にある、完成した"都市"1つにつき3点です。ゲームが終了した時点で、未完成のまま終わってしまった"都市"は数えません。また、"都市"の大きさは関係ないので、ちいさな"都市"がポコポコできる方が"草原"の点数には好都合ですね。
"草原"は広くなりやすいですが、これも”すでに他のコマが置かれている区画には新しくコマを置けない”という原則には従わなければなりません。寝ているコマがいたら、どこまでがつながった"草原"なのか注意深くチェックしましょう。
大草原で寝ることができれば、最後にドドンと大量得点で逆転できるチャンスもあるのでお見逃しなく!
『カルカソンヌ』の地形は以上です!
地形タイルを1枚置くごとに、タイル上のどこの区画に置くと一番おトクか?その区画は完成できそうか?もうコマを寝かせてしまおうか?もっといいタイルを引くまでコマを残そうか?と、シンプルながらいろいろと悩ませてくれる素晴らしいゲームですね。
区画を完成させることができれば、コマを使いまわしてさらに多くの得点が狙えます!しかし残念ながら未完成に終わってしまった区画でも、ゲーム終了時には得点計算をしてくれます。
"草原"以外の施設もコマが無駄になってしまうわけではないので、積極的にチャレンジしてみましょう!
<ゲーム終了時(未完成)の得点>
・道路・・・タイル1枚につき1点。
・都市・・・タイル1枚につき1点。紋章1つにつき1点。
・修道院・・・修道院自身と、周囲8マスにあるタイル1枚につき1点。
・草原・・・草原にある完成した都市1つにつき3点。
"草原"はそもそもここでしか得点計算されないのですが、"道路"と"修道院"に関してはタイル1枚1点という得点効率は実は変わっていないんですね。
問題は、"都市"の得点が半分になってしまうこと。ゲーム中になんとか"都市"は完成にこぎつけたいですね!
一緒にがんばろう!そして始まる乗っ取り合戦
さて、『カルカソンヌ』のルールと得点について、ひととおりお伝えできたでしょうか。配置ルールのおさらいとしては、この2つを抑えていればOKです。
<『カルカソンヌ』の配置ルール>
タイルを置くときのルール:
すべての地形がつながるように辺をくっつけて置かなければならない
コマを置くときのルール:
すでに他のコマが置かれている区画には新しくコマを置けない
そこで・・・。じつはこのルール、同じ区画にコマが2つ存在できないとは言っていないことにお気づきでしょうか・・・。
この場面、赤がいる"道路"と青がいる”道路”はそれぞれ独立した2本の”道路”として存在していますね。なにもルールに問題ありません。
ところが!新たなタイルによって2本の"道路"がくっついて1本になってしまいました!置かれたタイルはすべての辺が矛盾なくつながっており、タイル配置のルールとしても問題ありません!こんな時はどうなってしまうのでしょうか?
答えとしては、これはつながった時点から赤と青の”道路”です。複数のプレイヤーが同数のコマを置いている区画は、完成した時に置いているプレイヤー全員に通常通りの点数が入ります!
これはいい協力関係が築けそうですね。
たまたまくっついちゃったんだからしょうがないね!一緒に完成を目指してがんばっていこう!
しかし、2つ乗ることがあれば3つ乗ることもあり得るわけで・・・。
おっと、先ほどの"道路"はカーブしてさらに別の"道路"に接続!ついでに交差点につながって完成にいたりました!めでたい!
しかし、完成する交差点の上に青のコマが・・・。
ここで完成した"道路"には青のコマが2個、赤のコマが1個ありました。複数のプレイヤーが置いているコマの数に差がある場合は、最も多く置いているプレイヤーが得点を総取りします!
この場合は青だけが得点!赤は0点となってしまい、区画上のコマはすべてプレイヤーの手元に戻っていきます。ちくしょう、裏切りやがって・・・。
最も多く置いているプレイヤーが複数いれば、やはりそのプレイヤーたちにそのままの得点が入ります。また、他のプレイヤーより多いコマの数が1個だけでも2個以上でも、もらえる点数は変わりません。とにかくいっぱい詰めよう!というのも骨折り損かもしれませんね。
そんな急に始まる乗っ取り合戦も『カルカソンヌ』の面白さ!
すりよってくる輩がいても、ぜひ紳士的に楽しんでいただけたらと思います。
さいごに
超定番ゲームの『カルカソンヌ』いかがでしたでしょうか。
ボードゲームを初めて間もない方でも、やることでシンプルで駆け引きも楽しめ、テーブルに地図が広がっていくワクワク感があってとてもオススメな作品です!
ちなみに、いろいろなボードゲームでよく見るこのコマ。この形のコマは「ミープル」と呼ばれて広く親しまれていますね。
聞くところによると、ミープルが初めて使われたのはこの『カルカソンヌ』らしいですね。それも「ミープル」という呼称は制作時に定められたものではなく、遊んでいたときに女の子が言った「me people」の舌足らずな感じの語感から広まった・・・という、なんとも可愛らしいエピソードがあるそうです。
このお話の真偽はちょっとわからないのですが、世界中で広く愛されていて、さらに多くのゲームに影響を与えた『カルカソンヌ』らしい素敵なエピソードだなと思います。
それではまた今度!
このゲームはきゃらべでもお取り扱いがあります!
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