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自由律俳句38

風に乗りどこからか手持ち花火の香り

茹だるような暑さの残る夜の住宅街。
纏わりつく空気を破りながら
自転車で駆け抜ける。
いつも少しだけ風が通る十字路に差し掛かる。
いつも通り風が吹いていた。
いつもと違う香りがした。
音も聞こえない。
光も見えない。
それでもどこかで誰かが
手持ち花火をしているとわかる。
夏を楽しんでいるようだ。
いいなぁ。

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