【旅ごはん・散歩ごはん】 よもだそば(東京・日本橋)

日本橋界隈で打ち合わせが重なったとある午後、昼食を食べ損ねていたので打ち合わせの合間にお腹を満たしておかないとエネルギー切れを起こしそうな予感。時間もないので手短にお腹を満たしたいとなると、この辺りでは「よもだそば」だろう。こちら、いわゆる立ち食いそば店である。実は東京には立ち食いソバ屋が多いと思うのだが、特に東京駅界隈はオフィス街だからか、特徴のある店が多いように感じる。この「よもだそば」の特徴というか売りは、ずばりカレーである。

蕎麦屋のカレーというと、まず頭に浮かぶのは、そばの出汁を使用したもったりとしたカレー(いわゆるカレー丼的な)であるが、ここのカレーはそれとはひと味違う、見た目からして本格的なインド風のチキンカレーなのだ。そういえば、看板にも「自家製麺とインドカレーの店 よもだそば」と堂々と書かれている。

まずは券売機でよもだカレーをチョイスし食券を店員に渡す。蕎麦屋でそばを頼まないとか、カレーショップのココイチでパスタを頼むというとちょっと申し訳ない気分になりそうなので避けるのだが、ここでは堂々とカレーだけを頼むことができる。そばとカレーのセットまではお腹が空いていなかったのだ。

よもだカレー

カレーはおよそ蕎麦屋のカレーに似つかわしくない、サラサラのソース。ルーではなく、スパイスを色々と合わせているのが判る。そばの出汁も少し入っている気がするが、言われなければ蕎麦屋で出しているカレーとは気づかないだろう。そして鶏肉も骨付きというところが泣かせる。こちらも良く煮込まれていて、スプーンを当てるとほろほろと骨から肉が外れる。肝心のカレーだが、こちらは口に入れるとスパイスの辛みが伝わってきて、ルーで作ったカレーの甘さは感じない。また構成は本格派だが、辛すぎないところも立ち食い蕎麦屋の矜持といったところか。これだけきちんとしたインドカレーを安価に、しかも立ち食い食べられるというのは、まさに東京のオフィス街ならではなのかもしれない。


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