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うつ病と私(父親①)

母親のうつ病発病から、
数年後。
いつからだったかは定かではないが、
父親がインフラ整備の仕事から品質機構・監査関係の仕事へ転職し、
仕事の場が海外から国内に変わった。

単身赴任で家を離れることが多かった父親が、
自宅にいることがいつしか多くなった。
それと並行して、
些細なことでの母親との諍いが増えた。

母親はうつ病を経て、
乳がんを2度患った。
側から見ていた私でも、
家庭のことを考えた父の転職に有難さを感じずにはいられなかった。

そして私が短大生の時に、
父親が仕事を数日休むことが増えた。
貧血で家でバタッと倒れることが何度かあった。

185㎝と高身長の男性が、
フローリングで倒れた時の衝撃音は半端ではない。
そして情けないことに女系家族の我が家で、
父親を背負えるものは1人もいなかった。
幸い少しすると父親は自分で体を起こすことができた。
そこから病院を受診したかは、
記憶は定かではないが…
そんなことが幾度か重なるにつれ、
娘達にちょっかいを出す陽気な父親は、
次第に寡黙な父親へと変わっていった。

家にいても横になりじっとテレビを見る父親。
もともと亭主関白だったこともあり、
家事を手伝うわけはなく。
仕事を休んだ時は、
リビングに父親と母親がそろって居ても、
無言で何時間も過ごすなんて事は当たり前だった。

でもそんな父親も、
一定期間を経ていくと、
(日光に紅葉を見にいくか!)
(家の買い出しあるか?俺行ってくるぞ!)
…など妙にはりきりモードになる。
はりきると言うよりは、
落ち着きなく常に忙しない印象。
その期間内は決まって早朝3時に起床して、
パソコン仕事をするのが定例になる。
毎日5時に起床する母親も、
これには殆困り、
そんな時間から起きるのはやめてくれ!と、
毎日言い合いをしていたと思う。

そんな波のある生活リズムを繰り返すうちに、
父親は数日どころか月単位で仕事を休むようになった。

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