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シングルマザーの恋愛事情②

マッチングアプリを早々に退会した私。

休職中は家事・育児・読書・通院のサイクル。
子供も小学生ということもあり、
平日は1人での時間が主だった。

そんな中、LINEの連絡先を交換した今のパートナーからの「なんてことない質問」が私の密かな楽しみとなっていた。

・おでんの具は何が好き?
・好きなファッションは?
・おすすめのファッショントレンドは?
・最近見た面白いテレビ番組は?
・得意料理は?

本当に他愛のない会話。
少し考えて返信する作業に日々ちょっぴりの充実感を味わっていた。 

そんな中でも生活は進んでいくわけで、
実母のがん再発に対して私が主に行動をしなくてはならなくなりかなり気が滅入っていた周期があった。

マッチングアプリのメッセージの中でも何度も吐露させてもらっていたが、
流石にその時は1人で抱えきれずLINEでも話を聞いてもらっていた。

そんな中でも彼は、
「本当なら会って話を聞いてあげたいけど、君のタイミングや気持ちを優先したい。LINEでならいつでも聞いてあげられるから」と言ってくれたのだ。

私の中ではそんな些細な言葉にズキューンの連続であった。

この人はどんな人なんだろう…
文面と実物に差はないのだろうか…

日に日に彼への興味が増していった。

しかし正直その時は恋愛感情というものは全くなかった。
どこか現実味を帯びない相手に、
癒しを求めていただけ。
それが一番しっくりくる感情だった。

ある日、
息子の習い事が急遽無くなってしまい、
何の予定もない日曜日になってしまった日があった。

頭の中は実母のがん再発への対応でグルグル、
早く復職しなければという焦りでイライラ。
でも…子供達はめっちゃ元気。
何かプランを立てようにも全くもってアイデアが浮かばない日であった。

そんな時にたまたま彼からLINEが来た。
相変わらずの他愛のない質問。

私はその会話の中で「今日は予定が何もなく、子供は元気すぎて家にいたら家が壊されそう(笑)」と何となしに送った。

すると彼から予期せぬ提案が来たのだ。

「海に行こうか?愛犬の散歩がてら君の家の近くの海岸に行こうと思っている」

今までの私なら性格上絶対に乗らないお誘い。
しかしこの時の私は、
息抜きしたい!!が優っていた。

その場のLINEで現地での集合時間など、
「会う約束」の話が不思議とトントン拍子に進み、
私は子供を連れて待ち合わせの海岸近くのカフェに向かう事になった。

冷静に判断できる今となってはかなりの驚きだ。
マッチングアプリで出会ったんだぞ?
しかも初めての顔合わせ?
最初から子供も連れて?
…きっとシングルマザーの方ならわかるだろう。

子供が動揺することを考えれば、
最初から同伴させるのはナンセンス。
…バッシングを受けるであろう判断だ。

でもその時の私は、
不思議と恐怖心もなくとても前向きな気持ちであった。


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