私の相談相手T②
出産後、私は慣れない育児に毎日奮闘していた。
可愛いのだが、なんでこんなに泣くのか?
少しの変化でも気になりネットで調べ、
それはそれは我が子に付きっきりの毎日を送っていた。
そんな中で久々にTから連絡が入った。
T「最近どうよ?」
あの時は弄ばれていたと感じ、
思い出すたびに焦燥感にかられていた私は、
その一言に若干苛立ちを感じた。
T「うちも娘が生まれたんだ。同級生だな。
名前はひまりって言うんだ。」
あー、Tっぽい。
彼のふくらはぎには大きめの向日葵のタトゥーが彫られていた。
なんかの会話の中で、
向日葵が好きなんだよな〜と言っていたのを思い出した。
どう言うつもりで連絡くれてるんだろ…
娘の誕生報告?
…正直いらないけどな。
心の中でモヤモヤを持ちつつも、
そこから決して多くない頻度で連絡を取っていた。
私はその後娘を出産し、
実父を自損事故で亡くし、
離婚をすることを決意し…。
色んな私の人生のタイミングの度に、
必ずTから連絡が入った。
なんでこのタイミングで…
毎回話聞いてほしい時に連絡してくるじゃん。
後々知るのだが、
私に元夫を紹介したのはTの友達。
兼元夫の上司にあたる人物だった。
情報は元夫からその友人へ、
友人からTへ風の噂として伝わっていたようだ。
そんなことがわかったのもここ最近の話なのだが、
私が離婚を決意したタイミングの時、
Tはいつにもなく私に頻回に連絡をしてきて、
私の背中を押すのだった。
T「それは束縛というより支配だろう。
いくら嫁でも仕事してるんだから、
職場にまで夫の権限振りかざしてくるような奴は
ありえんだろう。」
T「お前はいつだって自分が悪いというけど、
そんなにお前が思ってるほど周りは気にしてない。
頼りにもしてない。」
T「お前が幸せじゃなきゃ、
子供だって幸せになれんだろうが!」
T「お前のそういうウジウジしたとこウザい。」
言葉一つ一つを見ると、
なんとも粗雑で乱暴口調に感じるだろう。
ただ、
ことが進むにつれて、
内容が深刻化するにつれて、
Tの発言は必ず的を射ているのだ。
私「そんなストレートに言わなくても!」
半べそをかきながら返答したことも何度もあるが、
Tは決して謝らない。
その代わりに、毎回言うのだ。
T「俺はお前がどんな選択をしても、味方だよ。
でもこういうこと言う奴周りにいないだろう?
甘えんな!」
そんなこんなで離婚が成立。
なんだかんだあったが事が進み一安心したタイミングで、
私はかなり親身に話を聞いてくれたTに、
お礼をしなくてはいけないと感じていた。
その気持ちをTに伝えると、
まぁいつか飯でも奢ってくれ!との事。
当時Tも私も関東圏内には住んでいたが、
お互い距離もあった為、
その場は口約束で終わった。
そこから1年経ったくらいの時に、
今度はTから相談を受けることになった。