恋愛嫌いとその天敵、名は月9
*本投稿は放送中のドラマ「君が心をくれたから」1-5話の内容に触れています。あらすじ程度の言及ではありますが、お読みになる際はご注意ください。
どちらかといえば恋愛ドラマを苦手とする人間です。それなのに、純愛がこれでもかと描かれている今期月9「君が心をくれたから」に関しては、毎話感涙しながら見ています。
ツッコミを入れながらも、ね。
なんでだろうなぁ、と感じたことがこの投稿を書こうと思ったきっかけです。だからまずは、私の歪んだ恋愛観から書いてみるとします。
恋愛観のねじ曲がった人間の話
繰り返しになりますが、ぞくにいう「恋愛もの」をちゃんと見るのはかなり久しぶりです。
というのも、元来「恋愛もの」があまり楽しめない人間でして。
なんというか、甘いやり取り、男女のすれ違い、三角関係辺りが定石だと思うのですが、全部、若いなぁ、周りが見えていないなぁ、と思ってしまうんですよね。
恋愛ドラマの感想記事でこんな否定的で、冷めたことを言うのもなんですが、、、
あくまで個人の意見として、そしてとても偏った意見であることを承知で書くと、私にとっては、恋愛とか、嫉妬とか、そもそも相手に好意を見せるということも、なんというか、究極のエゴのように映るんです。
あからさまな「好き」アピールをしたり、下心ありきで優しくしたり、相手への執着心を見せたりしたり、というのは、「あなたの気持ちが何であれ、僕/私はあなたに振り向いてほしい」と言っているのと同じだと思っています。
それが、強気でグイグイ来られるのが苦手な人間としては、どうしても、相手の「嫌かもしれない気持ち」を無視しているように見えてしまうんです。
「今、正直な気持ちを伝えなければ後悔する」みたいなセリフも、いやいや、あなたはそうかもしれないけれど「言われる側」の気持ちはどうなのよ、とか思ってしまって。想い人であるはずの相手の気持ちを蔑ろにしてまで、自分の気持ちを貫こうとするなんて強引な、、、みたいな見方になってしまうんですよね。
もちろん、そういう「好きな相手への一途な想い」が「キュン」ポイントなのは理解しています。それに、いつまでも遠慮していては関係が進展しないということも、本音でぶつからないと伝わらないことがあるということも、理解しているつもりです。頭では。
でも、どうしても自分の欲情や独占欲を優先しているんだな、と冷めた見方をしてしまって、そのうち話の内容や人物に入り込めなくなってしまう、という残念な感じになりがちでした。
アニメだと多少は平気なんですけどね、、、
やはり、生身の人間が演じるリアルさ、のようなものが、私にはより一層生々しいものに見えてしまうのかもしれません。
(繰り返しになりますが、恋愛ドラマの作りが悪いと言いたいわけではなく、私が、作り手の想像する「視聴者層」から離れている、どうにもハマれない側の人間だ、という体で書いているつもりです。)
そんな人間に今期月9がなぜ刺さったのか
そういうわけで、恋愛ものとの相性が良いとはとても言えないのですが、今作は、「五感を失う」とたまたまSNSで見かけたのが気になって。
それってどんな感覚なんだろう、役者さんはどう演じるのだろう、というある種の好奇心が見始めたきっかけでした。
なんだかんだで視聴を続けています。
正直なところ、主人公2人の恋愛には相変わらず「若いなぁ」と思ってしまいますし、「キュン」とも出来ない残念な感性もそのままです。
甘いセリフも、自分勝手なモノローグも、突然のハグとかも、私は苦手なままです。
でも、その代わり、おばあちゃんの子や孫に懸けている気持ちとか、愛するわが子に手を出してしまったお母さんの苦悩とか、自己犠牲をもってしか己に価値を見出せない雨ちゃんの自己肯定感とか、そういうのにはいくらか共感出来るなと思いました。登場人物全員が大切な「誰か」のことを想って行動していて、行動原理が皆優しくて、他人本意で、不器用で。そういう温かな世界観への安心感、みたいなのは感じられます。
平たく言えば、みんな「空気が読める」んですかね。
読めてしまうからこそ、遠慮し合ったり、自分を押し殺したり、他人に余計なおせっかいをしてしまうのかな、って。
恋愛に興味のない私でも、そのもどかしさとか、息苦しさとか、みたいなのはなんとなく分かるので。
もちろん本作の主軸は「恋愛」なのだと思います。だから、細かいことが気になってしまう自分からすると、色々ツッコみたくなることもなくはないのですが、、、
でも、今まで「恋愛もの」というだけで何となく避けてきてしまったものを改めて見てみると、何も恋愛だけを描いているわけではないのだな、と改めて気づかされました。それぞれの生き様とか、価値観とか、現代社会の在り方とか、考察の捗る要素は沢山あるなと見ていて思います。
具体的なお話への感想とかも投稿しようと思っていたのですが、なかなか上手くまとまらなくて。
まとまったにしてもとても長くなりそうなので、とりあえず一度投稿して、続きはまた気が向いたときにでも投稿しようかと思います。
今日はこの辺で。