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美術を通して何を伝えたいか。

もうすぐ今年度も終わりますので、何か振り返りをしたいと思ってこの題材について書いていこうと思います。


美術を通して何を伝えたいか、伝える必要はないかもしれませんが少し考えをまとめました。

結論から言いますと、『好きなことをたくさん集めることの大切さ』が自分なりの回答です。とてもシンプルでとてもしっくりきています。私は目標として中学生の頃から言い続けていることが2つあります。「いい大人になること」「幸せに生きること」です。そこで、当時この2つを達成するにはどうすればいいか、と考えた時に出てきた答えが『好きなものをたくさん身の回りに置く』ということでした。好きな音楽、好きな本、好きな服を着る、好きな景色などなど。好きなことがたくさんあったほうが楽しい人生である、ただただそれだけの人生観ですが、まあ割と気に入ってます。

美術はそれを実現するのにとても合っている教科だと思っています。

美術を学ぶことには『観る』が根底にあります。アウトプットの制作部分は思考や感性の氷山の一角であるので、まずは『観る』ことがないといけません。私自身、制作をしていく中で圧倒的にインプットの量の方が多いです。

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日本や東洋の美術文化、宗教思想、死生観の奥深さに惹かれ、その聖地とも言える色々なお寺へ行ってはそこの寺宝をたくさん見てきました。そんな「好き」と言う気持ちから生まれたのが上の作品です。自然と彩度が低めな作品が多いのもお寺などの色彩に影響を受けていると思います。


好きなことが多ければ多いほど、また、好きなことに対して関心が深ければ深いほど人生は豊かになっていきます。これは、多分間違っていないと思います。美術は『好きなことをたくさん集める』をさまざまな題材を通して、さまざまなジャンルのものを自分に取り込み、新たな自分の好みや感性に触れるものに出会える教科だと考えています。その結果、やりたい職業の幅が増えたり、行きたい場所が増えたり、日常の色彩が豊かになったり、身の回りのものが変化したりと、いろんな方面に感情が枝分かれしていきます。

他の記事にも書いていますが、技術面はどうしても障害の有無経験に左右されてしまいます。しかし、好きなことを取り込むことは誰にも侵害されません。技術が向上しても人生が豊かになるかはわかりませんが、好きなことやものが増えると人生は幸せになると私は信じています。


描画発達研究では9歳以降では「スタイル、様式の取り込み」のような自分の憧れや好きなキャラクター、ワクワクする世界をたくさん描いていきます。女の子はきらきらの目とドレス、男の子は怪獣やロボットなど、自分の感性のままたくさん取り込んでいきます。誰からも言われてもないのに好きな世界を取り込んで描写しています。(今の時代”女の子”は”男の子は”とか言ったら怒られますかね。)


最後に、『教養としてのお金とアート』と言う本の中で「美意識とは、自分の人生を”作品”として見ることができる感覚」という表現がされていました。自分自身の生活を振り返った時に、どう生きているか。好きなものに囲まれ、好きなライフスタイルで幸せに生きているか、人生の結末を完結できているか。とても面白い考えだな、と思うと同時に少し背筋が伸びました。美意識を養うには美術がうってつけです。少し表現やニュアンスが違いますが、私が考えている『好きなことを集める』ことに通じるように感じました。

私は、やりたいことがない、と言って現状のままの方より、色々考えて自分の将来と現実に向き合い、好きなことと生活のバランスを考えている方が好きです。


24歳が得た知見の備忘録。


#はたらくってなんだろう




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