見出し画像

〝真理学〟入門 ⑤除霊による精神病治療のメカニズム『迷える霊との対話』より

C・A・ウィックランド著 『迷える霊との対話』の冒頭部分の抜粋

除霊による精神病治療のメカニズム

霊的要因による障害の危険性

 霊的現象の研究は人類にとってきわめて重大な意義を秘めており、既に世間一般の日常生活において欠かすことのできない要素となっているにもかかわらず、各分野において霊的現象をあくまでも精神生理学の基盤の上で分析しようとしていることは明白である。

 例えば、精神分析学者は、精神病の多くは何らかの心理的障害ないしはショックー無意識のうちに受けたものが残存している場合と意識的に受けたが既に忘れている場合のいずれかーに起因しているという説を立てている。

 分析心理学の専門家は、心理測定法や知能テストによって精神的欠陥者の隔離と分類を可能にしつつある。また、神経学者や精神科医は、各種の神経症・精神異常及び精神障害の病理的要因を突き止めて、予防法と治療法を確立することに真剣に取り組んでいる。

 こうした研究分野に携わる人は、神経症や精神異常の有力な要因の一つとして[霊魂説]を受け入れることを忌避するが、現実にはこの説こそ、ノイローゼ、神経過敏症及び精神的錯乱に陥りやすい人間に見られる不確定要素を明るみにする上で、重大な貢献をしているのである。

 いわゆる[心霊研究]には二つの側面がある。すなわち[正常]と[異常]である。[正常]な側面では、牧師と同じように「死後人間はどうなるか」という問題を医師の立場から取り扱う。むろん問題はこれ以外にも色々あるが、特に死後の問題は、病気であまり長生きできないと観念し、死後の状態について恐怖心さえ抱きながら生死の境界をさまよっている患者にとっては、大きな関心事である。そうした事態において、実際の知識に基づいて、いわゆる[死]というものは存在しないこと、それはより次元の高い世界における新しい活動とその機会とを提供してくれる界層への誕生であることを確信させてあげることは、医師としてこれ以上の崇高な役目はないと言ってよいのではなかろうか。

 次に[異常]の側面では、肉体に宿って生活している間だけでなく、肉体を棄てて他界の存在となった後の精神の複雑な機能についても、医師に可能な限りの多くの知識が要請される。異常心理現象における研究は、正常心理現象の研究と同様に[霊(スピリット)]というものが実在することを指摘しているのみならず、そのスピリットこそ各種の神経症や精神病において大きな要因となっていることを、疑問の余地のないところまで証明している。

 面白半分に心霊能力を試してみた者が引き起こす精神異常をよく知っているのは、誰よりもまず医師である。というのは、誰しもまず医師のところを訪れるからである。したがって、そうした不幸な犠牲者がその後いかなる扱いを受けることになるかは、診察した医師の判断一つにかかっていることになる。

 そんな次第で、心霊学の諸相、特に軽率な心霊愛好家、なかでも神経症の素因のある者の危険性について幅広く知っておくことは、医師の特権であると同時に、緊急の義務であらねばならない。

 そうした遊び半分の心霊実験から生じる恐ろしい結果を目の当たりにして、私は、その因(よ)ってきたる原因を確認するための一連の調査を行った。これも医師の領分に関わることだからである。

 一見害は無さそうな自動書記とかウィージャ盤(日本のコックリさんのようなもの)による実験をしているうちに精神病院への収容が必要となった患者を見て、面白半分にやった心霊実験がもとで生じる精神障害や錯乱といった深刻な問題が、まず私の注意を引きつけた。

 その最初のケースはB夫人で、自動書記を試みているうちに錯乱状態となり、人格が変わってしまった。普段は愛想が良く、信心深く、物欲がなく、あか抜けのした貴婦人だったのが、ある時から急に荒々しくて騒々しい性格となり、はしゃぎ回り、跳び回り、下品な言葉を使い、自分は女優だと言い張り、何時までに舞台へ行かないとクビになると言ったりした。ついには完全に責任能力を失ったとの診断で精神病院へ収容されてしまった。

 もう一つのケースはC夫人で、同じく自動書記を試みているうちに、芸術家の貴婦人から一転して乱暴な性格の女性に変わってしまった。金切り声を上げながら両手でこめかみをさすり、「神よ救いたまえ! 神よ救いたまえ!」と叫ぶかと思えば、道路へ飛び出してぬかるみにひざまずいて祈ったり、午後六時前に食事をしたら地獄に落ちる、と言って食事を拒否したりした。

 同じく自動書記を面白半分にやっていたS夫人も精神がおかしくなり、やがて凶暴性も出てきて警察の手を煩わせるに至った。夜中に突然起きて、自分の経営する婦人帽子店のショーウィンドウの中で、ナポレオン気取りのポーズを取ったりした。自分はナポレオンだと思い込んでいたのである。その他にも無軌道な行為が多くなって、ついに精神病院へ収容されるに至った。

 同じ原因で、W夫人も幻覚に取り憑かれるようになった。神がひっきりなしに自分に語りかけていて、過去の過ちを咎めているというのだった。そのうち神の求めにしたがって(と本人は思って)自殺を企て、それは未遂に終わったが精神病院へ収容された。

 この他にも[無害]と思われているウィージャ盤で遊んでいるうちに起きた悲惨な症状に私は関心を持ち、その有力な手がかりを心霊現象に求めるようになっていった。 

 私は心霊仲間が集まって催す信頼のおけるホームサークル(霊との交わりを求める会を交霊会ないし心霊実験というが、10人前後で行う家庭交霊会と、何百人、何千人もの人を相手に行う公開交霊会とがある)に出席し、また私の家で催したこともあるが、そのうち私の妻に優れた霊媒的能力があることが分かり、複数のスピリットに代わるがわる支配されるようになった。最初妻は、死者が自分の口を使って喋るということは[死者を安らかな眠りから覚ます]ことにならないかと心配したが、霊団側(後にマーシーバンドと名乗る[慈悲・哀れみをもった霊団という意味])は、死後についての人間の認識が嘆かわしいほど間違っており、その心配は無用であると言ってきた。

 彼らが言うには、事実上[死]というものは存在せず、肉眼に映じる世界から映じない世界へ移るだけのことであって、高級霊は、死後に待ち受ける素晴らしい可能性について人間を啓発するための交霊の機会を待ち望んでいるというのであった。問題はその[死]つまり、肉体からの解放があまりに簡単で自然であるために、大半の人間はしばらくの間ー個人によって長短の差はあるがーその変移に気づかず、霊的知識が欠如しているために、地上の懐かしい場所をうろつき回っているというのである。

 そうしたスピリットの中には、そのうち人間の磁気性オーラに引きつけられて乗り移りー本人も人間の方もそれを自覚しないことが多いーそれが原因となって数知れない災害や悲劇が引き起こされ、病気・不道徳・犯罪・精神病等が生じているケースが数多くあるという。スピリットの側はそうとは知らずにいる場合もあるし、悪意からそうしている場合もある。

 こうした霊的要因による障害の危険性は、好奇心が先走りして、指導者なしに心霊実験に手を染めた者の場合が最も大きいが、そうした事実を知らずにいることはさらに危険なことで、感受性の強い精神症患者の場合は特に注意を要するという。

 こうした説明のあと霊団は、さらに次のようなことを言ってきた。すなわち一種の転移方式、具体的に言えば憑依しているスピリットをその人間(患者)から霊媒へ乗り移らせることによって、右の霊魂説の正しさが証明できるし、霊的症状の内側の事情も明らかに出来るー患者は正常に戻り、憑依霊はそのあと霊界の事情に通じたスピリットの手に預けられ、その看護のもとで霊的真理についての教育を受けることになる、というのである。

 その上で彼らは、そうした実験の霊媒役として私の妻が適切であると見ており、もし私が彼らに協力して、一時的に妻に憑依させるスピリットの話し相手となって話を聞き出し、また諭してくれれば、彼らの主張していることが正しいことを証明してみせるー私の妻には一切の危害は及ばないようにする、と提案してきた。

 こうした重大な主張ーもしもその通りであれば、精神病理学のみならず犯罪学においても不可解とされている原因の解明に大きな意義をもつであろう霊魂説ーが真実か否かをぜひ確認したいとの願望から、私は、危険と思えるその提案を受け入れることにした。

『迷える霊との対話』ハート出版刊より抜粋
C.A.ウイックランド著
近藤千雄訳

こんばんは。
今日はウィックランド博士の『迷える霊との対話』の冒頭部分をご紹介しました。

憑依現象という言葉は皆さんご存知だと思います。昔から日本でも狐憑きと呼ばれて所を問わず起きてきた事です。 

 女性がたった一人で大人の男の人が数人がかりでも動かせないような家具を移動させたり、奇妙な言動をとったり(本人の中では筋が通っているのですが、外部から見れば意味が読み取れません)、統合失調症と診断されるのは、殆どがこういった憑依によるものだと言われています。

幻聴や幻覚といった症状は、実はその人の周囲に実際に存在するエレメンタル(物質化した想念)、ないし人霊や低級自然霊が付きまとい、執拗に語りかけている事を感じ取っているのです。

幻聴を聞いた場合、決して返事をしてはいけません。無視していれば相手は憑依を諦めてどこかへ立ち去ってしまいます。

また肉体が弱ると、憑依されやすくなります。睡眠をよくとり、規則正しい生活をして、適度な運動を心がけましょう。

ネガティブな考えを持たないようにしましょう。心配のしすぎ、怒りや嫉みなどの悪感情は低級霊を引きつけてしまいます。

また、お酒やタバコなど依存性のあるものは禁物です。それらを求めて低級霊が酒場などを徘徊している事があります。ギャンブルも避けるべきです。

もしも、希死念慮など強烈な負の感情の衝動を感じたら、意思の力がものを言います。『この身体は私のものだ。出ていけ!お前なんかに負けるものか』と、断固として拒絶する覚悟を決めましょう。

憑依というものは、実は誰もが経験しているものです。多かれ少なかれ、私たちは目に見えない存在者の影響を受けて暮らしているのです。

しかし、自分自身がポジティブで、高尚な人格であれば、それに見合った影響を受け取る事になります。

そのために、自分自身を常に観察してよくない所を改める心構えが必要なのです。簡単に『除霊してしまいましょう』などという偽霊能者に引っかからないように気をつけてください。それは何の解決にもなりません。

自分を救えるのは、自分だけです。
そのために、真理の知識を学ぶことをお勧めします。

今日はここまでとします。
必要以上に憑依を怖がる事はありません。それは、普通に起きている日常なのです。

それでは、皆さんがより高い想念を受け取れますように。
祈りを込めて。

Capella✝️


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?