東京バレエ団「眠れる森の美女」の衣装について気になったこと
今回新制作された東京バレエ団の「眠れる森の美女」ですが、刷新された衣装については気になる点が多かったです。ちなみに斎藤監督の夫君ニコライ・フョードロフさんが衣裳コンセプト、衣裳デザインはユリア・ベルリャーエワ(Julia Berlyaeva)さんです。
①サイズが合っておらず、仕立てが雑で生地が安っぽい
宮廷の貴族の衣装は、大きなスウェットのようにダボダボしておりサイズが合ってないと感じました。18世紀の宮廷衣装なら上半身はある程度フィットしているはず。首周り、胴体部分、ウエストがダボついており、使い回すために各自に合わせる手間を省いたように感じました。
例えば先日のKバレエのアトラギッチの衣装はデザインもフィット感もしっかりしており、ダンサーの魅力も引き立てていました。しかし今回の衣装は仕立ても雑で、ダンサーの美しさを損ねているようで残念でした。
他にも新国立劇場で見たオークネフの貴族の衣装は、質感が重厚で一目で身分が高い人の服と分かりましたが、東京バレエ団の衣装は全体的に生地が安っぽく、ハリが無く、インパクトが弱かったです。
②日本人の貧弱な体型と短足が目立つ
Kバレエ団のアトラギッチの衣装は、日本人の貧弱な体型がカバー出来るよう工夫されていました。小柄なダンサーを美しく見せるため、熊川さんもデザイナーも相当チェックしたと思います。だからこそ思うのですが体型が貧弱に見えたり短足に見えるのは、細かい確認を怠った依頼側の責任ではないでしょうか。
男女問わずダボダボで衣装に食われている人が多く、特に男性については胴が長く見える上に、なぜ日本人の太くて短い足がさらに短足に見えるようなルーズフィットの半ズボンを履かせるのか。日本人の体型が全く研究されてないと思いました。
③色合いが日本人の肌に合っていない
ロシア人の肌に合うようなブルーベースのカラーが多用されており、日本人の肌と合っていない気がしました。茶髪やブロンドのカツラもロシア人には似合うけど、日本人が装着すると仮装です(ボリショイの眠りと色合いが似てると感じました)
結論、Kバレエも新国立も外国人デザイナーによるものですが舞台で見たときに日本人を綺麗に見せるため工夫されていると感じました。
東京バレエ団の衣装は責任者がきちんと確認しなかったのか「日本人の魅力を引き立てること」が全然考えられていないと感じ、見ていて悲しくなりました。