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バレエ感想「オネーギン」シュツットガルト・バレエ団(2024年11月2日)
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11月2日にシュツットガルトバレエ団の「オネーギン」を見てきました。主演はフリーデマン・フォーゲルとエリサ・バデネスの黄金コンビです。
有名な鏡のパドドゥや最後のパドドゥはガラ公演で何度か見たことがありますが、全幕を見るのは初めてで、発売初日にオネーギンと椿姫のチケットを購入し心から楽しみにしていました。
11/2 「オネーギン」感想
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オネーギンを演じたフリーデマン・フォーゲルは美しく、タチアナ役のエリサ・バデネスは技術力の高さを感じさせてました。他にも特にレンスキー役のガブリエル・フィゲレドとオリガ役のマッケンジー・ブラウンは若々しくて華やかで眼福でした。
しかし、今回は本場シュツットガルトバレエ団によるジョン・クランコ作品の全幕ということでかなり期待していましたが、1幕〜2幕はなんとなく全員で一致した流れを作り切れていないかのようで、物語のメリハリを感じることができませんでした。2幕後半の決闘のシーンから3幕はダンサー達の激しい感情が伝わってきて心を動かされましたが、1幕と2幕は全体的にとても美しいけど期待したほどの感動を得られず、特に心に迫ってくるものもなく、あっさり終わってしまったのが残念でした。
ただし3幕はとても良く、期待通りの感動を与えてくれたのが救いです。
最後の主役2人の激しい感情を表すパドドゥは演劇を見ているようでした。フォーゲルのあまりに哀れな様子やバデネスの慟哭には心を揺さぶられましたし、ぜひ1幕や2幕もこのくらい濃密な舞台を見たかったと思いました。
シュツットガルトバレエ団に所属するバレエダンサー達は美しく、巨匠ユルゲン・ローゼによる衣装や舞台装置も素晴らしく、オーケストラもとても良かったです。特にユルゲン・ローゼの衣装は1幕は素朴な田舎感が出ていて、3幕は光沢とハリのある艶やかな生地を贅沢に使ったふっくらとした衣装でタチアーナの富や現在の成功した状況を鮮明に表していると思いました。美しい舞台衣装や登場人物達の優雅な立ち振る舞いによって、オネーギンが放浪している間にすっかり変わった環境が鮮明に表現されていました。
舞台美術もまるで王宮にいるようで、荘厳で美しい空間でした。だからこそ踊りがあっさり終わってしまったことは本当に残念でした。
日本だと千秋楽が1番盛り上がりますが、ヨーロッパではプルミエ(初日)が1番盛り上がると聞きます。キャスト変更により同じ主役ペアが次の日も踊りましたが、SNSの感想を見ていると2日目は初日よりずっと良かったらしいです。なぜヨーロッパのカンパニーなのに初日が低空飛行だったのか謎ですし、初日しか見れなかった私としてはぜひ初日にも心に迫るパフォーマンスを見せて欲しかったです。
改善要望:フットライトのせいでつま先が見えなかった
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公演当日に幕が開いて驚きましたが、フットライトの高さがありすぎてダンサー達の美しいつま先を堪能することができず残念な思いをしました。バレエの舞台においてつま先が見えない座席をS席(26,000円)として売るのはいくらなんでも酷すぎると思います。
どのような事情でフットライトを導入したのか知りませんが、ぜひ「椿姫」公演ではダンサー達のつま先の美しさも楽しめるよう改善して頂きたいです。