「売れたいなら、フォロワー増やしてね」をどう考えるか?
https://anond.hatelabo.jp/20200716203604
近年、出版不況が叫ばれてる。小説でも漫画でも、新人作家の口からは「SNSのフォロワーをいかに増やすのか?」の話を聞くようになった。
本来、出版社は面白い新人作家を発掘して、鍛えてプロモーションまでして世に送り出す。
ところが本が売れなくなると、ただ良い作品を作る面白い作家はギャンブル性が高くなる。
せっかく発掘して鍛えてプロモーションまでしても、空振り三振したら出版社は大きなダメージだ。
SNSのフォロワーがそれなりに多ければ、何も無い人よりも本が売れる期待値は高い。今の時代の出版社とは、売れる見込みがある程度無いと、冒険できない状態とも言える。
だから、出版社は新人作家に「SNSでのフォロワーを増やしてね」と告げる。
ただ、SNSのフォロワーを増やすのは、そう簡単な話では無い。「面白い作品を作れば、SNSでフォロワーが増えていく」なんて単純な構造でも無いからだ。
ざっとTwitter検索をかけて見れば、スグに分かる。絵が上手いのに、面白い漫画を描いてるのにフォロワーの少ない人は大量に見つかる。
このnoteにも本当に素晴らしい作品を作ってるのに、何故だか人気の出てないクリエイターは沢山いる。
技術は本人の意思で伸ばすことは可能だ。しかし、人気はユーザーの意思やその時代のトレンドも絡む。人気とは運の要素が強い。
「Twitterに毎日作品を投稿してれば、いつか当たるかもしれない。でも、そんないつかはやって来ないかもしれない」人気とはそんな性質のモノだ。
最近では、クリエイターがフォロワーを増やすために、安易にネットに顔出ししてるケースも増えてきた。ひどい場合には炎上商法にまで手を出す人もいる。
本来ならフォロワー獲得に使う時間を作品に注ぐべきだし、そもそもセルフプロデュースを満足にできるなら、出版社を使う意味すらほぼ無い。
これは時代の流れなので、仕方の無い見方もあるが、クリエイターが技術一本で勝負できないのは、僕は良い環境だとは言えないと思ってる。