313 大井川鉄道部分復旧を地元の方とともに祝う
今日は10月1日。
昨年の台風15号による災害で土砂災害に見舞われ不通となっていた大井川鉄道。今日は約1年ぶりに不通区間のうち家山(いえやま)駅と川根温泉笹間渡(かわねおんせんささまど)駅までの間が部分復旧する日です。不通区間までは1時間ほどでいける距離に住んでいるということもあって、車で駆けつけました。
下り一番列車を待つ川根温泉笹間渡駅
やって来たのは川根温泉笹間渡駅。今回の復旧で1年ぶりに列車が来ることになった駅です。
駅から徒歩5分くらいのところにある「道の駅 川根温泉」。大井川を渡る鉄橋があって、ここを渡る列車を眺めることができます。「道の駅 川根温泉」には温泉施設もあって、そこの露天風呂からは大井川鉄道を渡るSLを眺めることができることで有名です。この鉄橋を列車が走るのも1年ぶりです。
11:36、下りの一番列車を歓迎する地元の方たちが集まって鉄橋を渡る列車を今か今かと待っています。
川の向こうから汽笛が響きます。いよいよ列車がやってきました!
汽笛を鳴らして沿線で手を振る地元の方にあいさつをしながら列車が渡っていきます。ようやくこの景色が笹間渡に帰ってきました。
列車を見送った後はお見送り部隊や報道機関とともに歩いて川根温泉笹間渡駅へ。折り返し列車をお見送りに行きます。
昨日までひっそりとしていたであろう駅のホームが人でごった返しています。鉄道ファンのほか、地元のお年寄りの方も車両に乗り込んでいきました。この復旧をさぞ待ちわびていたことでしょう。
こちらでも盛大なお見送りが行われます。早期の千頭駅までの全線復旧を願い、「千頭駅で待ってるよー」と声をかけていました。
復旧後の定期列車は4本とまだまだ少ないですが、明日からはSL・ELかわね路号が川根温泉笹間渡駅までやってきます。早く全線復旧して多くの地域の方や観光客の足として活躍したかつての姿を見せてもらいたいものです。
サヨおばあちゃんが守り続ける地域の休憩所、抜里駅
さて、今回復旧した家山駅と川根温泉笹間渡駅の間に1つだけ途中駅があります。それが抜里(ぬくり)駅。
看板に「サヨおばあちゃんの休憩所」とあります。
87歳になるサヨおばあちゃんが土日の12:00から15:30までの間だけ開く休憩所。ここで手作りのランチプレートを頂くことができるのです。
ただ、今日はこの駅にとっても復旧の記念すべき日。サヨおばあちゃんは中にいたんですが、訪ねたときはずっとインタビューを受けられているようでした。ランチ目当てに行く場合もいつも営業しているというわけではないようなのでfacebookか電話で確認する必要があるそうです。
サヨおばあちゃんについては私と同じく「旅色」でライターをやっている方が詳しく書かれています。ご興味ある方はこちらをご覧ください。
抜里駅の前は一面の茶畑。宇治茶、狭山茶とならび川根茶は日本三大銘茶といわれています。大井川鉄道の沿線からは多くの茶畑が見られますが、それを象徴するような光景です。
大井川鉄道や抜里駅へのメッセージがかかれた黄色いハンカチが駅にたなびきます。黄色いハンカチは幸せの象徴。大井川鉄道が復旧して町に幸せをもたらしてくれることを願ってやみません。
ランチは食べられませんでしたが、駅ではサヨおばあちゃんが作ったお惣菜が売られていました。「落花生の煮豆はサヨちゃんの自信作だで買わないかんよー」と横のベンチで寛いでいたおばあちゃんに力説されました。サヨおばあちゃん、地元の方にも愛されてるなぁと感じます。
今日はちょっと忙しそうだったサヨおばあちゃん。お話を伺うことはできませんでしたが今回は落花生と玉こんにゃくの煮物(各100円)を買ってその手料理を味わいました。ちょっと甘い味付け。単身赴任で煮物自体が久しぶりなので体に懐かしさが沁みわたります。
今はまだ復旧半ばの大井川鉄道。経営環境も決して楽ではありません。ですが多くの地元の方に愛され、早期の復旧に向けて地域の方の応戦する姿が窺えました。SLにトーマス列車、寸又峡や奥大井湖上駅など多くの観光資源にあふれる大井川鉄道。決して楽な道のりではありませんが、一日でも早い全線復旧を願ってやみません。
P.S. 本日のNHKニュースで大井川鉄道の部分復旧が報道されていました。NHKさんの真隣で写真を撮ってたんですが… わたしは写っていないようです。