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あってもなくても

明日は冬至。
闇が濃くなって、また明るい時間へとむかいはじめる時。暗い物語や辛い話を読むとついついひっぱられてしまうので、この時期はなるべく淡々としたものか、明るい本を選ぶようにしている。

手にとったのは、

水の中の哲学者たち 永井玲衣著

おこがましいのだけれども、ここにも同じようにこの世界の小さな違和感を考え続ける人がいた。それももっともっと深く、そして文章にして。
先へ先へ論を進めて、結論や崇高な何かを見せようとするのではなく、こんなふうじゃないかな。と隣からつぶやき、あなたはどうかなと重苦しくない空気のなかで問いかけるような文章。わたしは、なんども許されたような気がしてぐっときた。

役割を得ることだけが価値にならないように。
これはわたしのささやかな社会運動であり、抵抗運動である。


何かになること、何かをしていなければいけない、成果をださなければ、説明できなければとこの社会をみていると思いがちだけれど、役割なんてなくていいし、何もしなくても存在していいのだ。

役割がある時も、ない時も同等にいることができるように、それを許せるように。

そんな時期が、この本を読むとたくさんの人にくるような気がしてくるのだ。そして、これもフラットな世界の一歩だと思ったりしている。

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