CEDEC2024レポ①「UIデザイン組織の設計とUIデザイナーの業務領域や役割について」
カプコンは組織作りと教育がうまいと風の噂で聞いていたので、参加。
正直、ぶっとばされました。そこまでするのか、カプコンさんよ。UIというデザインの1つのセクションに70名が所属しているってことにわかりやすくぶっとばされたし、全てのエラーに対応できるようなシステムが事前に組まれていることにもぶっとばれたし、新人がすべからく高レベルのデザイナーになれる教育システムにもぶっとばされた。
(それでいてグラフは手作りみたいな抜け感もある…かわいい)
ぶっとばれまくりの一時間でした。
ここまでやっているのは日本のゲーム業界ひろしといえどカプコンだけなのでは?と思わされた。特に印象に残ったのは、プロジェクトに派遣したデザイナーがそこでで悪い評価をされたとしても、UIチームに戻ればまたフラットになる仕組み があると。(少し意訳してるかも?)整備工場みたいだ…!完璧なフォロー。
全体を通して会社内に会社があるイメージをもった。それでいて同じ会社ではあるから他セクションとのコミュニケーションコストは低い。少し前に、ゲーム業界全体で外注体制から内製体制にするという流れがあったけど
カプコンは、それを10年近く前から粛々と行っていたわけだ。結果は推して知るべし。利益を出し続けている。(同じく利益を出し続けている任天堂もおそらく似た仕組みがあるはず。)
"組織をちゃんと作れば良いものができるよね。良いものができたらユーザーも喜ぶよね。"
言うのは簡単だけど、これを大きな組織でしっかりと実行するのは困難を極める。組織内のどこかのレイヤーにそれを止めるような動きがあれば、歪曲した変なものになることはしばしば。真摯に未来のカプコンのためにUIデザインチームを作り上げた植田さん率いるUIチームもそうだし、それを歪曲することなく信じ推進した会社もすごいと思う。
会社を想う愛と社員を想う愛。ここにカプコンが長年トップであり続ける理由がある気がした。そこにはたくさんのドラマがあっただろう。熱いぜ!!
インディーゲームというか少人数開発に活かせることはあるのだろうかと思考をシフトさせる。個人的には、組織というのは1をできるだけ大きくするシステムだと思っている。デザイナー1人のスキルを1として、そこに再現性をもたせ、できるだけ目減りすることなく増やす仕組み。1から2、5、10、100と鼠算式に大きくしていく。この仕組みをつくること、おこなうことには膨大なコストがかかる上に人員を増やさなければいけないというリスクもある。
インディーゲームでは難しい。というより、できない。それが実現したころにはカプコンよろしくもう立派なAAAタイトルなわけで。どうにか人員もコストも最小限で1を最大化できないものか。今のところは、手伝ってくれる人がノンストレスでクリエイティブに集中できる環境を作ることしか思いつかない。ただ大事なのは、「1を最大化する。」その思考を持ち続けその時その時の最善を行い続けることなのだと思う。カプコンのようにチームへの愛をしっかりと意識し続ける。粛々と。
唐突ですが、インディゲームを作っています。
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