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シャイニング 原作と映画の感想めいたもの

スティーヴン・キングがキューブリック作の映画版にどうブチ切れたのか気になって原作を読んでみた。
ふむふむ、なるほど。まず、ラストが違う。

映画はジャックがダニーを迷路で追い回し、降り積もる雪に埋もれて死んでしまう。その顔がなーんかギャグっぽい。
原作はホテルに巣喰う悪霊に意識を乗っ取られつつも、ウェンディとダニーを救おうと圧力計を上げて大爆発を引き起こす。

そりゃあ、怒るかも。家族間での愛がないんだよな、映画版には。

原作では家族がそれぞれ苦悩している。離婚を考えるウェンディ、自殺を考えるジャック、両親の不和を強すぎる感受性で気付いてしまうダニー。
家族という歪な三位一体に苦しみながら、でも大切に思い合う気持ちもあった。映画版ではジャックがただのモラハラ、ホテルの瘴気と閉塞感で気が狂った人にしか見えないのがキングブチ切れ理由なのかも。

あと、シャイニングの説明不足さやホテルの本当の目的はジャックではなくダニーだったことが表現しきれてなかったのも、キングは不満に思った気がする。あくまで想像。

原作と映画の比較はやっぱり面白い。
スティーヴンキングはたくさん映画化されているけれど、あのまどろっこしい表現やアクセルがかかるまでの時間を含めても原作がやっぱり面白い気がする。

ミストの原作も早く読みたい。

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大森薫
幼稚園、小学校、中学校が同じだった友人と交換日記をやっております!こちらも読んでいただけると嬉しいです!! https://note.com/yuru_nikki