【仕事で使える英会話】「私の仕事ではない」角を立てない言い換え方
北米で大学職員として働いていた時、学生や教員のみなさんから来る質問や依頼の大半は私の管轄外でした。「私の仕事ではない」と断ってしまうと不親切なのではないかと懸念するかもしれませんが、はっきり「NO」と伝えることはとても大切です(北米で働くにあたって一番(!)大事なスキルだと言っても過言ではないと思っています)。自分の仕事ではないものを請け負ってしまうと、失敗をする確率が上がってしまう他、自分の本来の仕事のための時間が奪われてしまい、人によってはストレスからの体調不良に繋がってしまうことがあります。
とは言え、"Not my job" や "That's not my responsibility" などの表現は、無骨に聞こえてしまい、相手の気分を害してしまいます。そこで今回は、プロフェッショナリズムを保ちながらもしっかりと断る表現をご紹介します。
「私の仕事ではない」に代わるフレーズ
not within my purview
(私の)対応範囲外
"This particular matter is not within my purview."
「この件は私の対応範囲外です。」falls outside my jurisdiction
(私の)管轄外
"That falls outside my jurisdiction."
「それは私の管轄外です。」outside my area of expertise
(私の)専門外
"This situation falls outside my area of expertise."
「この件は私の専門外です。」beyond my scope of work
(私の)仕事の範囲を超えている
"This issue is beyond my scope of work."
「この件は私の仕事の範囲を超えています。」outside my decision-making authority
(私の)決定権の範囲外
"That's outside my decision-making authority."
「それは私の意思決定権限外です。」
相手を問題の解決に向けるフレーズ
どの部署やどの人物が対応できるかを知っている場合は、それも文章に含めると、相手が気持ちを前向きに切り替えやすくなります。
I can direct you to someone who can help
お役に立てる方をご紹介できます
"While this issue falls outside my jurisdiction, I can direct you to someone who can help."
「この件は私の管轄外ですが、お役に立てる方をご紹介できます。」I can escalate this issue to someone who can help
対応可能な担当者にエスカレートします
"This is outside my decision-making authority, but I can escalate this issue to the Department Head."
「これは私の決定権の範囲外ですが、学科長にエスカレートすることはできます。」
※Escalate(動詞)には、問題をより大ごとにする・自分より地位の高い人に対応を求めるニュアンスがあります。上司にはエスカレートしますが、部下にはエスカレートしません。〇〇 should be able to assist you
〇〇がお役に立てるはずです
"Your request is outside my scope of work, but HR should be able to assist you."
「ご要望は私の職務範囲外ですが、人事部がお役に立てるはずです。」I suggest contacting 〇〇
〇〇にご連絡することをお勧めします
"This situation is outside my expertise. I suggest contacting the Dean's Office."
「恐れ入りますが、それは私の専門外です。学部長室にご連絡することをお勧めします。」I can introduce you to 〇〇 who covers this area
この分野を担当している〇〇をご紹介できます
"This issue is not within my purview, but I can introduce you to my colleague who covers this area."
「この状況は私の管轄外ですが、この分野を担当する方をご紹介できます。」
クッション言葉
英語にも、不快感を与えないように用いられる言葉やフレーズは存在します。相手の気持ちに寄り添いたい時に使いましょう。ただ、上記の『相手を問題の解決に向けるフレーズ』を既に付け加えている場合は、クッション言葉を使う必要はないと思います。必須ではなく任意です。
Unfortunately, 〇〇
残念ではございますが、○○
"Unfortunately, this falls outside my area of expertise."
「残念ではございますが、これは私の専門外です。」Regrettably, 〇〇
心苦しいのですが、○○
"Regrettably, this particular matter falls outside my jurisdiction."
「心苦しいのですが、この件は私の管轄外です。」I'm afraid 〇〇
恐れ入りますが、○○
"I'm afraid that this issue is outside my scope of work."
「恐れ入りますが、これは私の業務範囲外です。」While I understand your concern, 〇〇
お気持ちはわかりますが、○○
"While I understand your concern, this is not within my purview."
「お気持ちはわかりますが、これは私の対応範囲外です。」While this is an important matter, 〇〇
この問題は重要です(ということを理解しています)が、○○
"While this is an important matter, it is outside my decision-making authority."
「この問題の重要性は理解していますが、私の決定権の範囲外です。」
英語で「私の仕事ではない」と断ることに抵抗を感じている方へ――この記事によって、少しでも断ることへのハードルを下げることができれば、心から嬉しく思います。しっかりと予防線を張っていきましょう。