今後をお話する大切さ
親にどうしたいか聞けない問題
毎月、「親のみとり意見交換会」を行わせてもらっています。前回のご意見で、ご両親が癌と診断され、治療をされているが、今後どうしたいのか?ご病気に対してどう思われているのか?どこまで治療を考えておられるのか?そのような具体的なことがどうも聞きにくい、とおっしゃる方がおられました。確かに聞きにくいことと思います。その話の裏には、治療ができない、治療方法をやりつくしてもうない、それはつまり最後の時。を想像されているのかな?と思います。
それは、親自身もそうですし、子供もなんとなく踏み込みにくいところのように思います。もちろん元気で過ごしてもらいたいし、死についてのお話ってなんとなく話しにくいものですよね。
うちはどうだったか?
私のところはですね、母も看護師で私も看護師なので、わりかしそこはオープンでした。どこまで治療をするのか?こういう病気の時はどうするのか?母としは歩いて、そして、電車に乗って梅田(関西在住なのです)まで行けるぐらいまで、回復するなら治療してもいいけど、その可能性が少ないなら、治療はいらない。そう言っていました。
(梅田がそんな好きってわけではないのですが、自分で好きなところにお出かできる元気さをもって生きていたい、という願いからでしょう)
といっても迷いますよね。どこまで回復するかって結構やってみないとわからないところがあります。私はICU(集中治療室)勤務の経験がありますが、この患者様はちょっと回復厳しいな、と思う方(それは、採血やレントゲンや呼吸状態や全てを見て)でも、回復される方もおられるのを見ているからです。その方が、人工呼吸器もとれてリハビリが進んで、点滴の支柱台を杖代わりにしながらリハビリをするまで回復する姿も見ていると、治療が効いてよかったな〜なんて思います。
でも、反対の方もおられるのも事実です。人工呼吸器がとれない方、気管切開をされる方、リハビリが進まず、歩けていた方が一命はとりとめたものの、かなりの介護が必要になられた方。そのような方も多くみてきました。
それは母も同じでしょう。若い頃、ICU勤務をしていたと聞いています。だから私の悩みもよくわかっていたようです。
私の背中を支えてくれていた一言
この言葉はかなり支えとなっていました。結果的に母は癌で、亡くなる数日前から、少しずつ食べれなくなり、せん妄のような意識が朦朧とする状態となり、徐々に血圧が低下して、つまり、人の自然な死を迎えました。予測できる状態でした。
でも、もし急変し、今すぐ何かの重大な決断を迫られた時、私はどうするだろう?あの緊迫した空気は人の判断をけっこう鈍らせると思います。ただでさえ自分の大切な家族が生きるか死ぬかとなっている時に、なかなか正常な判断ができる方って少ないように思います。でも、その時、母の一言を思い出せると思います。
それは、本音を話し合えていたからじゃないかな、と思います。この一言を聞けているか聞けていないかで変わるんじゃないかと思います。
なので、今ご両親で癌の治療をされている方、もしくは、診断をされている方、状況はそれぞれですが、ご両親のお考えを少しづつでも聞かれるといいのではと思われます。
具体的な方法
といっても、いきなり、「この先どうしたいと思ってるの?」とかってなかなか聞きにくいですよね。私の母のように、いきなりなんの脈絡もなく、お葬式はここでいいから、とかって話始めてましたが、まぁ逆にその方が話しやすいかもですが、そうはいかないご家庭が多いと思います。
そんな時、このブログを活用されてもいいかもしれません。こういう人もいるんだって、みたいなお話に織り交ぜると、何かお考えを言われるかもしれません。
あるいは、癌に関する本がたくさん出てますから、その本を、そっと目に付く机の上に置いておくのもいいと思います。コツは「この本読んだけど、読む?」とか「為になったよ」と言う必要性はありません。ただ何も言わず、そっと置いておくのが”みそ”です。そのうち読まれるかもしれません。読まないかもしれませんが、そこはご本人様の意思におまかせです。それでいいと思います。
いろんな方のご意見を伺いたいと思っています。
うちはこんなふうに話あってるよ
どう切り出していいかわからない
話し合いたいけど不安かも
オンラインで繋がれる時代となっています。こんな場があるっていいですね、とご意見いただくこともあります。
来年も引き続き「親のみとり意見交換会」行っております。
2023年1月7日(土)14時〜16時