凡人のわたしを受け入れるのはすこしだけつらかった
わたしは幼い頃から
両親やまわりの大人たちに
たくさん褒めて育ててもらいました
すこし達観した子供だったので
中学生くらいまでは
まわりの子たちがいう「楽しい」と
自分の「楽しい」は違うなぁと思っていました
だから人とは違うことをして生きていくんだと
信じていました
歌を歌うことが好きです
音楽に関わる専門学校へ通いながら
シンガーソングライターとして活動していました
卒業後東京へ
働きながら歌を歌っていました
結論として
わたしの専門学校生活も
音楽活動生活も
実を結ぶことはなかったです
そして
自分で決めた期限が熟したところで
地元へ帰ってきました
東京へ行って良かったと思っています
わたしは凡人だと気づくことができたからです
ほんとうはもっと前から
うすうす気がついていたんだと思います
東京にきておしゃれな人たちに負けないようにと
精一杯背伸びをしたファッションをしていました
自分が欲しいかどうかより
”まわりにどう見られたいか”で
高価な服やアクセサリーを購入したこともあります
でも心の違和感を無視しつづけるのは辛い
華美で個性的なファッションはステキで憧れるけれど
デニムとTシャツをステキに着こなせる人になりたい
なによりそれが自分らしくてしっくりくる
音楽活動もそんなものでした
楽しく曲づくりをしていたはずが
いつのまにか必死で曲づくりをしていました
”やりたいこと”が”やらなきゃいけないこと”に
すてきな音楽をつくるひとたちが
まわりにたくさんいて
それも認められず目を逸らしていました
なんのために歌を歌うんだろう
なんのために言葉を紡ぎたいんだろう
わたしは歌を歌うのが大好きだけど
音楽をつくりだすのはすこし苦手なんだな
伝えたいことを音楽にのせなくても別に良かったんだな
別の方法でもいいのかもしれないな
世の中に溢れるすてきな音楽に触れて
自分なりに解釈して歌を歌っているのが
とっても楽しいし幸せ
”人と違う”ことに憧れて執着して
”自分自身”より”理想の自分”を押し付けて
長い時間を過ごしていました
当時本気でやりたいことを追いかけていたことは
間違いないし後悔なんてありません
自由にさせてくれて
応援してくれていた家族に本当に感謝しています
そしてわたしは凡人の自分を受け入れました
もっと自由になりました
なにを愛してもいいし
なにに挑戦してもいい
なにを好きでいてもいい
普通でいてもいい
周りに褒められなくてもいい
認められなくてもいい
”人と違うところ”より”自分の好きなところ”を
たくさん見つけて認めて
自分の特別を磨いていければいいですね
凡人の自分を受け入れるのはすこしつらかったけれど
わたしはもっともっと無敵です
こちらからは以上です
きゃなし