LEDに抵抗を入れるのは何故か考える。
正しくLEDを灯す時には、抵抗を入れないといけない。これは何故だろうか。
同じ豆電球を使って電気を灯そうとすると
豆電球の場合は、乾電池と豆電球だけで灯すことができる。
LEDがつかないと思って、乾電池を直列つなぎにして、電圧をあげ、灯そうとすると、豆電球でいうフィラメントが切れたように、LEDの中が焼き切れて壊れてしまう。
これは、どうして何故なのだろうか?
今まで学習したことを元に考える。
回路は、大きく3の部分でできていることを学習した。
①は電源:電気を流そうとするところ
②は導線:電気が流れるところ
③は負荷:電気を使うところ
豆電球は③の負荷の部分である。
乾電池は①の電源の部分である。
つまり、電気を流そうとするところ(電池)を直列にすれば、負荷の部分でたくさん電気を使うことができるのではないか。ということが考えられる。(この話は、電力の部分でまた詳しく)
そして、電源の力が弱ければ、豆電球は光らないし、電源の力が強すぎると、豆電球のフィラメントが切れてしまう。
負荷にも、適正な電気の量というものがあるのだ。
では、電圧と電流とは何なのだろうか。
電気を利用するところでは、電気を通しやすいほど電気の抵抗が小さいという。
また、電圧が電池やコンセントのように一定の場合、電気を通しやすいほど、電流の値が大きくなる。(V固定 Rが小 の場合、 Iが大になる。 V=RIより)
電流の値が大きくなるほど、電力も大きくなる。(W=VI)
不思議な話だが、電気を通しにくいものの(Rが大のもの)方が、同じ電圧(乾電池や家庭用コンセント)であれば、電気を使わないのである。
(Iが小さくなり、Wの値が小さくなるため・この辺りのイメージが、難しい。)
普通に考えると、電気を通しにくい、電気をたくさん使う。と考えてしまう。確かに、電気を通しにくいと、電圧を高くしなければ、電気を流すことができないし、直列つなぎに並んだ時には、電気の流れにくい方に、電圧は使われてしまう。
LEDの回路はいった回路ではどうだろうか。
豆球のようなサイズのLEDの仕様の規定値は、電圧は5Vと少し高めのものが多いが、電流の値は、30mAと電流の値は小さいものが多い。
LEDの抵抗は、極めて小さく、LEDがつく程度の電圧とLED 1個だけの回路にしてしまうと、オームの法則より、極めて大きな電流が流れ、LEDが焼け付いてしまう可能性がある。
例) 3V の電池 を使ってLED(R=1Ω)に電流を流すとすると
3=1 ✖️ I I=3(A)
LEDに流したい電流量(30mA)の100倍になる
100倍の電流が流れると焼き切れる。
そこで必要なのが、抵抗の部品なのである。
99Ωの抵抗の部品があるとする。LEDの抵抗は極めて小さいので1とする。
回路に100Ωの電気抵抗が入っていれば、3Vの電源で電圧をかけたとすると、
V(電圧)=RI(抵抗✖️電流)のオームの法則により3=100✖️Iになり
I=0.03A つまり30mA の電流値になって、うまく電流が流れる。
その後問題になるのが、回路内の負荷(LEDと電気抵抗)にかかる、電圧である。
普通に考えれば、LEDは抵抗がものすごく小さいため、そこにかかる電圧もものすごく小さくなる。
しかし、LEDは半導体のため、オームの法則が成り立たない。
LEDは電気抵抗とは違い、電流に関わらず電位差は一定になる。
また、LEDでは、電圧が足りない場合は、全くつかない(電流が流れない性質がある)が、規定の電圧に達すると、(電流が流れるようになり)つくようになる。
https://eman-physics.net/circuit/led.html
そのため、電源の電圧をLEDの基準値よりも少し高めに設計し、
抵抗を挟んで電流を調整することで、LEDを焼いて破損せずに点灯させることができるのである。
ちなみに、中学校の理科では、オームの法則を中心として考えるので、LEDのことについては触れない。
奥が深いぞ。LED!