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安倍元首相の死去…今後の日経平均株価は?

 安倍晋三元首相の死去を受けて、今後の日経平均株価への影響はどうなるのか。あくまで株価のみに注目して考えてみた。
 襲撃事件のあった7/8の日経平均株価は、事件直後の後場の寄り(スタート)から一時売りが広がり反射的に前場の終値から200円ほど下落したが、コラム執筆中の現在(2022.7/15時点)は落ち着いている。

アベノミクスは株価2倍超に

 安倍氏といえば、戦後最長の7年8カ月続いた第2次政権で自ら掲げたアベノミクスだ。
 ①インフレ率2.0%まで無期限に行う金融緩和(=量的緩和)、②大胆な予算編成を行う財政拡大、③民間投資への喚起の3つが柱となった「三本の矢」が国内外の投資家から好感され、在任中の株価は2倍以上になった。
 参考までに歴代首相の任期と日経平均株価の推移をチャートにまとめた。安倍氏は、2000年以降の歴代首相の中でも株価の上昇率が際立っている

岸田首相の場合

 では、先日の参議院選挙で大勝した岸田文雄首相の政権は今後の株価にどう影響していくのか。株価影響のポイントとして、「①財政政策」と「②金融政策」に注目するとわかりやすい。
 ①
積極財政の安倍氏に対し、岸田首相は緊縮財政派といわれている。また側近である茂木俊充幹事長は選挙中の「消費税減税なら年金3割カット」発言にもあるように経済成長よりも財政の収支(プライマリーバランス)を重視していることが伺える。
 一方、年末にまとめる「資産所得倍増プラン」は注目したい。もともと岸田氏は賃金の所得倍増を掲げていたが、欧米と比べて日本では賃上げがおぼつかず、そこで投資を前提にした金融資産の増加に目線を変えている。具体的には少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(イデコ)の拡充だ。「貯蓄から投資へ」が前進すれば、株式市場にも好影響を与えそうだ。 

 ②また、金融政策と円安への対応も注目したい。米国は歴史的なインフレ率(9.1%)で金融引き締め(利上げ)を加速する中、日本は金融緩和を維持しているため、この日米の金利差が円安の要因となっている。この日本の金融緩和は2013年に当時の安倍首相と日銀の黒田東彦総裁の下で始まった。世界的な金融引き締め局面で日本はどう対応するのかとメディアが騒いでいるが、日本のインフレ率は2.4%、物価変動が激しいエネルギーと生鮮食品を除くと0.8%なのである

 金融引き締めを行うということは、市中のお金の量を減らす(助成金などを減らす)ということなのである。一般的に、株を買うお金が減り金利が上がると、株価は下落する。

 いずれにしても8~9月に行われる内閣改造の人事で、安倍氏実弟の岸信夫氏(現・防衛大臣)など安倍氏の遺志を継いでいる人や政策がどのようになるのか、チェックしておく必要がある。





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